メールマガジン バックナンバー

3966号 2025年1月3日

過去のメルマガに中指を立てていた

(本日のお話 2121文字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

年末年始、ゆっくりした時間がある中で「今年の計画立て」をじっくりやろうとしています。その中でまずは「2024年の振り返り」を淡々としておりました。

毎日メルマガをやっていたので、読んだ本、まとめた論文、印象的だった出来事などなど、毎日noteに書いてきたものを見返すと、1年365日の記事がありました。勢いで、これまでのメルマガ記事を見ると、10年分、約3900回のメルマガ記事がありました。

今日は、そんな自分自身の過去の記事(ブログ)を振り返りながら思ったことについて、書いてみたいと思います。それでは、どうぞ。

■過去の自分に中指を立てるな

「過去の自分に中指を立てるな」。

これはアーティストの「ちゃんみな」が言った言葉だそう。

私は直接見たり聞いたわけではないのですが、妻がその言葉とその心を教えてくれました。要は「一生懸命やってきた過去の自分を、否定してはいけない」とのことです。

ちゃんみなさんのオーディション番組では、若者が夢を掴み取りにやってきます。その中で「自信がない」「パフォーマンスの質が周りと比べてよくない」などを述べるけど、そういう事を言うの小さい頃から頑張ってきた自分に中指を立てていることだよ、まず自分を抱きしめてあげるのが大事なんだよ、とのこと。・・・なんと愛に溢れていることか。

実は、自分自身を大事にしてあげなければ他者を大事にできないこと、新しい世界に踏み出す力も十分に得られない、幸福を感じづらいなどは、「自尊心」というキーワードで学術的な研究でも明らかにされています。まさにそのことを、パワフルな一つの言葉で示されたように感じます。

ちゃんみな、すごいなあ。

■過去のメルマガに中指を立てていた

さて、そんな話を聞きながら思い出したことがありました。

私も何となく分かる気がしました。
年不相応で恥ずかしいのですが「過去のメルマガ」に対して、どこか中指を立てていたに近い感覚をもっていたな、、、と。

過去の記事を見ることは、自分の録音した声を聞くようなこそばゆさがありました。その理由は、自分自身が残したものについて誇りを感じられていないからだったのでしょう。

そう感じる背景には、いくつかあります。一つは、今以上に未熟な自分の思考の片鱗を感じること、もう一つは、何気ない自分の日常のかけらを素晴らしいもの捉えられていない、などです。

ちなみに「論文のまとめ」などは、そうした感覚(こそばゆい感覚)はありません。なぜなら、論文の知見そのもに力がある、先人の研究者が主人公である、よって記事に自己があまり投影されていないからです。

一方、最もこそばゆく感じるのが「自分の何気ない体験談を記事にした」、普段の”ケ”の自分の感性をテーマに言葉にしたものにです。

そこには、”ハレ(スゴイこと・感動すること)”こそが価値があるという自分の思考の前提が見え隠れします。「何気ない日常における自分の感性」に対して、「中指を立てる」までは言わずとも、小指くらいを立てている感覚があるようにも思えます。

他者からは、ありがたいことに「コツコツ続けるという行為そのもの」や、時に「メルマガやnoteとしてあげている記事の質」に対して承認をいただくこともあります。

しかし、「自分のメルマガに中指を立てている自分がいる」のであれば、その歩んだ足跡を慈しむことも、活かす事もできない、とも言えるのかもしれない、、、そんなことを感じるのでした。

■過去を再編集し、生まれ変わらせる

・・・と、「ネガ・ティブオ(ネガティブ男)」と名付けているネチっこい自分の視点から振り返りをしましたが、100%そう思っているわけでもありません。

自分の中の「ポジ・ティブオ(ポジティブ男)」に語らせれば、前向きな側面も見えてきます。言葉にすることで、スポットライトがあたり、その存在が大きくなりますので、これもあれも、一つの自分でしかありません。

もちろん、読み返して、「面白いタイトルじゃん」とか「わかりやすい記事のまとめじゃん」と思えるものもあります。

そうして見たときに、「過去の自分に中指を立てる」というよりも、「過去の自分を温かく見つめる」こともできます。そうして、当時の自分なりに感じたこと、頑張って記事にしたことを認められると、もっと未来に向けて活かすこともできるのだろうと、ふと感じたのでした。

▽▽▽

現在、「出版」の企画に向けて、過去の自分の記事を見返しています。

昔の記事のほうが、小難しくなくて、わかりやすく、昔のほうが面白いものでした。これまでは「新しい論文まとめ」「新しい概念」を、ということで”増やす”方向でしか、考えていませんでした。

積み上げたものが多少増えてきた今、振り返ってみて、自分が歩んだそのときの、その年齢の、その感性だから書けた記事を再編集し、生まれ変わらせるという方法も「アリ」だと思えるようになりました。

そうすることで「面白さと正しさの共存」を形にして、価値あるものに昇華させることができるようにも思います。

これまでの歩みをまとめつつ、それらを一つの書籍として形にする1年にしたい、そんなことを思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

※本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。

<noteの記事はこちら>

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