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932号 2016年9月2日

良かれと思って、ありがた迷惑

(今日のお話 2343字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
ならびに打合せなど。

期末の8月が終わり、
私共の1年間が終わったのですが、
何とか目標を達成することができました!

お世話になりました皆様に感謝をしつつ、
より役に立つために、まだまだ勉強が足りないな、

と感じる今日この頃です。

もっと勉強しよう。



さて、本日のお話です。

話はガラリと変わるのですが、
実は、私の近しい知人が働く会社が、
なくなってしまうかもしれない、という、

”解体の危機”

に晒されています。

そのワケを聞きながら、


「良かれと思って、ありがた迷惑」


というテーマで、
思うところがありましたので、
今日はそのお話を、
皆様に共有させていただきたいと思います。

■私の知人の働く会社。


5名程度の、ごく小さいWEBの会社です。


もう10年近くやってきたのですが、
ここ最近、経営者が変わり、
ガラリと雰囲気が変わったそうです。


今までのその会社の強みは、


「自由で、皆がのびのびと働けること」


でした。

すなわち、

”8時間働けば、朝こようが、夜こようが、
 いつ帰ろうが、自宅勤務だろうが、別に構わない”

という会社。

そういったスタンスが、
従業員の働き方に合っていて、
さほど高くないという給与でも、
皆、楽しく働いていたのでした。



■しかし、最近、
ある事情により、経営者が変わり、
そのスタイルが変化しました。

新しい経営者は、
WEB業界のことは全くわからず、
「経理一本」でやってきた人。

当然、従業員の気持ちは
あまりわかっていないようでした。


新しい経営者は、

「会社なんだから、もっと規律が必要」
「会社なんだから、もっと管理が必要」

そういって、
経営者の管理がしやすいように、
タイムカードを導入したり、
またルールをたくさん持ち、
従業員の「管理」の姿勢を強めていきました。

確かに、それも間違っていません。
会社としては当然かもしません。


経営者としては、
悪気があったわけではなく、
むしろ、

「従業員と仲良くなりたい」、

そう思っていることも、
同時に事実でした。


だから、一生懸命、
「これからの会社の方向性」、とか
「これからもっと給与も上がるから」、とか
そんなモチベーションを高める話をしつつ、


15時には皆がリラックスできるように

「一緒におやつでも食べようか」

と誘ったり、その人なりに、
プラスの提案もしていたのでした。



■しかし、これらの結果、
何が起こったのか。


努力の甲斐、虚しく、
最近、会社を軸として支えてきた人が、
1人辞め、そして2人辞めました。


そして、もう一人も、
先日、「辞めます」
と宣言をしてしまった

そんな現状になり、
そして現在、存続の危機に晒されているそう。


そんな折、
会社の創業時からいた社員は、
経営者に対して、こういったのでした。


「15時のお菓子タイムとか、
 私達が求めているのはそんなことじゃないんですよ」

「残念なのですが、皆、
 あなたのことを嫌ってしまっているんです」
と。



■WEB業界で働く人は、
”技術者”です。

この会社にいた従業員が求めていたことは、

「いかにスキルをつけるか」であり、
「自分のペースで自由に働けるか」であり、
「自由奔放にやらせてくれるか」が、

彼ら、彼女らにとって
”そこにいる理由”であり、


”彼らの『WIN』”


だったのです。


それは、決して、

「管理されること」だったり
「15時に団欒におやつが出ること」

ではなかった。


むしろ15時のおやつなどは、
自分のペースを乱す、ネガティブな要因でしかない。


そのことを、
経理畑一本だった経営者は、
気付くことができなかった。

そして、現在、
社員が残りわずかとなり、
会社として続けられるのか、、

というところに来ている、

そんなお話だったのです。



■このお話を聞いて、私は改めて、

「相手を理解すること」の大切さ、

より細かく言えば、


『相手の”WIN”を理解することの大切さ』


とは、かくも大事なものである、
と強く思わされました。


新しい経営者は、

従業員が喜ぶと思って
お菓子を差し入れしたりしたけれども、
それは「相手のWIN」とは違っていたのです。

良かれと思ってやっていても、
それはただの

「ありがた迷惑」

であり、

「自己満足」

でしかなった、

残念ながらそれが現実だったようです。



■そして、思うのです。

こういったことは、
実は私達もついやってしまっているのではないか、

と。

例えば、

・妻が喜ぶと思って、色々アドバイスした。
 けれども、妻は「ただ話を聞いて欲しかった」
 だけだった

とか、

・上司が、部下に
「自由にやらせたほうがのびのびと楽しいだろう」と
 特に指示をしなかった。

 しかし、実は部下は
 「わからないから、細かいアドバイスがほしい」
 と思い、不満・不安を感じていた。

とか。


そのように、

『(相手に)良かれと思ってやっていたことが、
 実は相手にとってはWINではなかった』

ということ
気付かぬうちに、
結構やってしまっているのではないか、


空恐ろしい思いとともに、
そのように感じたわけです。



■当たり前ですが、

他人とは、自分と考え方も、
価値観も、大切にするものも違う生き物です。


だからこそ、
すれ違いを避けるためにも、


『相手のWINは自分とは違う』


ということを常に頭に置いて
話をすることが本当に大事なのだろう、

そう思うのです。


そうして、場合によっては

「相手のWINはなにか?」

と直接聞くことも
必要となってくるのでしょうし、

常にアンテナを立てて、
感じようとすることも、
あらゆる人間関係において、
非常に重要になってくるのでしょう。



■相手と自分は、違います。

だからこそ、


【良かれと思って、ありがた迷惑】


にならぬよう、
仕事でも、プライベートでも、
自分の大切な人たち、関わる人たちのとの関係において、
十分気をつけたいものだ、


知人の会社のエピソードを聞いて、
そのようにひしと思った次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、良い1日となりますように。

【本日の名言】 たとえ今すぐに相違点を克服できないにしても、
少なくとも多様性を認められるような世界を
作る努力はできるはずだ。

ジョン・F・ケネディ

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