目の前の一歩を、ただただ、ひたすらに
(今日のお話 2331字/読了時間2分半)
■こんにちは。紀藤です。
昨日、朝5時より、
人生初の100キロウルトラマラソンに
挑戦してまいりました。
1週間前に行ったテニスで被った左足首の捻挫、
そして体質改善による全身の皮膚炎に加え、
前日1時間しか眠れず睡眠不足という三重苦。
心に一抹どころか、
二抹も三抹も不安を抱えながらのスタートで、
途中何度も心が折れそうになりましたが、
結果的に、
「13時間33分にてフィニッシュ(完走)」
することができました。
今回のレースは、
とても多くの気付きがありましたので、
100キロウルトラマラソンが、
どういったものなのかも含め、皆様にご共有させて頂きたいと思います。
それでは、どうぞ。
■私は今までもフルマラソンは3回ほど完走しており、
ベストタイムは3時間52分です。
市民ランナーの上位20%といわれる、ぼちぼちのタイム。
だから、特に走ることについては、抵抗感はありませんでした。
だから、100キロマラソンも、
「キツい」と聞いてはいたものの、
「まあ、何とかなるだろう」
とどこかで思っていました。
しかし、甘かった。
実際は、予想以上に、
本当に、想像を絶するレベルで、
とにかくキツかった。
苦しい。
痛い。
もうやめたい。
後半、ほとんど
そればかり考えていた気がします。
■フルマラソンを走ったことがある方は、
聞いたことがあるかもしれませんが、
「30キロの壁」
というものがある、と言われます。
これは、
「30キロを超えると、急に足が重くなり、辛くなる。
1キロが膨大な距離に感じる」
と、多くのランナーが口を揃えて言う、
”距離の壁”のこと。
元気な時は、いつまでも走れそうな気がするのですが、
一たび、足に変調をきたして、
「違和感」「足の重たさ」を感じ始めると、
そこから先は、”魔の時間”が始まります。
■そして、昨日100キロマラソンでも、
やっぱり「30キロの壁」ならぬ、
『40キロの壁』が存在していたのです。
考えてみれば、そりゃそうです。
フルマラソンを3回走破したとはいえ、
今まで42.195キロが、
人生で走ったことがある最大距離。
だから、そこから先は、
未知の領域。
40キロを過ぎた段階で、
走っているはずなのに、
全然前に進まなくなってくる。
ちょっとスピードを上げると、
油汗がにじんでくる。
捻挫した足首をかばっていた太もも、
足の付け根などが、痛くなる。
1歩足を出すたびに、
ズキリと、筋肉が悲鳴をあげる。
頑張ったと思ってランメーターを見ても、
1キロしか進んでいない。
そんな状態。
それなのに、
まだあと60キロもあるのです。
■30キロくらいまでは、
こんなことを思っていました。
「このペースで60キロくらいいけそう。
時間の貯金を作っておけば、
後半40キロはペースが落ちても、
100キロは走破できるだろう。
よし、「100キロ完走への道のり」は
こんなイメージだな。」
と。
でも、一度壊れた足は元に戻らないし、
100キロとは甘い距離ではなかった。
実際は、40キロを過ぎて、
足が壊れ始めてから、
”1キロ1キロ、着実にこなすこと”
このことばかり考えていました。
というより、そこに集中しないと、
やっていられなかった、
と言った方が、正しいかもしれません。
■ウルトラマラソンでは、数キロごとに、
「エイド」(栄養補給所みたいなところ)と呼ばれる
ステーションが設けられています。
満身創痍になりながら
40キロのエイドでは、
「次の44.9キロ地点にあるエイドまで、
何とか休まず、走り続けよう」
と思い、自分を奮い立たせました。
そして実際に、
44.9キロのエイドについたら、
「次の50、1キロ地点のエイドまでは、がんばろう。
着いたら、ちょっとだけ休もう」
そう言い聞かせ、
自分を律し、励ましていく。
■そのように、
”目の前の小さな目標”だけを見て、
少しずつ少しずつ歩みを進めていきました。
60キロを過ぎ、
80キロを過ぎて、
立っているのもままならない状態になり、
キツさで、涙と鼻水でグショグショになると、
「右足左足、右足左足」
とつぶやきながら、
ただただ1歩足を出すことだけに集中していました。
そうして、
小さな距離を積み重ねていき、
最後には、
『100キロ完走という大きな目標』
へと到達することができたのでした。
■そして、思うのです。
皆様の中にも、
仕事上の目標でも、プライベートの目標などで、
”高い目標・夢”なるものをお持ちの方、
きっといらっしゃるのではないかと思います。
それがどんな目標であれ、夢であれ、
強い想いと情熱をもって、取り組んでいること、
あるのではないでしょうか。
「世の中をあっと言わせるような仕事をする」
「TOEIC満点を取る」
「3ヶ月で囲碁初段を取る」
「司法試験に合格する」
「東大に合格する」
それがなんにせよ、
高く、遠い目標を掲げるとき、
時に、そのはるか遠く、高みにありすぎる”ゴール地点”を見上げて、
「自分とゴールとの距離」に対して目がくらみそうになったり、
心折れそうになる時がくるかもしれません。
でも、どれだけ高みにあったとしても、
自分が歩みを止めさえしなければ、
間違いなく、目標には近づいているはず。
それは、きっと、
マラソンと同じなのではないか、
そのように思うのです。
どれだけ小さい1歩で、
歩みが遅かったとしても、
【目の前の1歩を、ただただ、着実にこなすこと】
このことを忘れなければ、いつかきっと、
ゴールに到達することができるのではないだろうか、
そのように思うのです。
当たり前のことかもしれません。
しかし、
”1キロ1キロ、着実にこなすこと”
”目の前の一歩を、愚直に繰り返すこと”
このことは本当に大事。
「人生はマラソンのようだ」、
と例えられることもありますが、
どれだけキツくても、諦めそうでも、歩みを止めないこと、
このことは大事にしていきたい、
心からそのように思う次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日になりますように。