あなたの課題はあなたのもの、私の課題は私のもの
(今日のお話 2289文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
その他は、溜まっていた資料作成などについて、
対応をしておりました。
さて、早速ですが本日のお話。
先日講演を聞いた、アドラー心理学
『嫌われる勇気』の岸見先生のお話から感じたことについて、
ご共有させて頂きたいと思います。
テーマは、
「あなたの課題はあなたのもの、私の課題は私のもの」。
それでは、どうぞ。
■こんな名言があります。
『他人と過去は変えられない。
でも自分と未来は変えられる。(エリック・バーン)』
この言葉の通り、
人の行為とか考え方とか、諸々は変えることは出来ないし、
過ぎ去ったことも変えられない。
しかしながら、自分のこと、
そして、これから起こる未来については、影響を与えられる。
だから、”自分自身”と”これから”にフォーカスをしましょう。
丁寧に伝えるとしたら、
こんなメッセージですね。
なるほど、という感じです。
しかしながら、人は、
人間関係で悩む生き物。
「他人は変えられない」
といったって、
つい目について、気になってしまう人もいるものです。
例えば、皆様の周りにも、
仕事に全くやる気がない部下とか、
何事も否定的に捉える友人とか、
勉強を全くしようとしないお子さんとか、
というような
「いや、変わってよ」
と思いたくなる人いませんでしょうか。
■この話に関連して
先日の『嫌われる勇気』の岸見氏の講演のときに、
聴講者より、こんな質問が上がりました。
「子供が勉強をしないんです。どうしたら”変えられ”ますか?」
これについて、岸見氏の回答は、
こんな内容でした。
「子供が勉強をしない、というのは
”子供の課題”であって、”親の課題”ではありません。
子供が取り組むべき話で、親であっても、どうこう言えないのです。
とはいうものの、
それが自分にとっても影響すること、ありますよね。
子供の問題などは、特に気にそうでしょう。
しかし、それは”やっぱり、あくまで子供の課題”なので、
基本的に親が関与することはできないわけです」
「、、、」(じゃあ、どうすればよいのよ?)
質問者のこんな心の声が聞こえてくるようでした。
そこで、岸見氏は続けます。
「では、どうすればよいのでしょうか。
ある、引きこもりの息子を持った親御さんのお話があります。
引きこもりで学校に行かない、働かない、
そんな息子を心配したあるお母さんが、
息子を連れてカウンセリングに来たのです。
”息子をどうしたらよいのでしょうか?”
そんなお母さんお父さんの訴えについて、
私は今お伝えした”課題の分離(息子さんの課題は息子さんのもの)”
というお話をしました。
いくら親御さんが気にかけて、
手取り足取り関与しても、それは息子さん自身のものだから、
息子さんがその気になって取り組むまで待つしかない、と。
そして、お母さんお父さんには、こう伝えました。
「息子さんがどうこうではなく、お母さんお父さんは、
今、あなた自身が課題としていることに取り組んでください」
と。
すると、お母さんは前から体が弱かったこともあり、
それを改善すべく、取り組んでみたいと思っていた
”太極拳”を始めることにしました。
そしてどんどんとハマるお母さん。
なんと中国に渡り、本場の太極拳を学びに行く、
というレベルにまで到達してしまいました。
お父さんはお父さんで仕事にこれ以上に打ち込みました。
家にはなかなか帰りません。
こうなったとき、息子からすれば、
今まで自分にかまってきていた父母が、
急に自分の事をし始めて、関与しなくなってきたのです。
加えて、父母共に、イキイキしてきていることを目にします。
*
そして、しばらくして、岸見氏の元に、
その息子さんが、一人でカウンセリングにやってきたそうです。
「どうしたまた、今日は一人できたの?」
彼は、こう答えました。
「先生、僕はどういう人生歩めばよいのか、不安になりました。
今日は、そのことで相談に来たんです」。 」
■岸見氏は、この話について、
次の様に説明をしました。
「この息子さんは、
親の関心が向かなくなったことがきっかけで
”自分はこのままではまずいのではないか”
と、自分自身で思った瞬間に、
彼の、彼自身の人生の課題への取り組みが始まりました。
私たちは、相手がこう思うところまで、
待たなければいけないのです。
誰かを無理やり変えることは、できないのです。」
そして、岸見氏は続けます。
「誰かに影響を与えるためには、
あなたが変わることです。
すなわち、
『自分が勇気を持って、人生の課題に取り組むこと。
その後ろ姿を見て「あんな風になりたいな」と思い、
人に伝染して伝わっていく』
のです。」
と。
■冒頭に、
『他人と過去は変えられない。
でも自分と未来は変えられる。(エリック・バーン)』
という名言を紹介しました。
しかし、
”もし他人を変えられるとしたら?”
と考えると、その答えは、
【自分が勇気を持って変わる姿を見せることで
他人の心に”私も変わりたい”という想いの種をまく】
ことなのかもしれません。
■話は変わりますが、
私が人材育成という仕事に携わっていて、
よく出会う質問の一つが、
「社員が変わらないんです。
こうこう、こういう人がいて、」
というご相談を受けることがあります。
しかし、同時にふと思うのです。
他人に何かを変わってほしいと思う以前に、
「あなた自身が、あなたが理想とする姿に向かい、
本気で取り組めているのでしょうか?」
と。
自分を変えられない人が、
他人を変えられるはずもありません。
だからこそ、人材育成に携わる方は
「自らを変える」という気概を強く持つべきですし、
誰よりも勇気を持って、今までにない取り組みをする必要がある、
そう思うのです。
それが、人や周りを変える、
一番の行動になる、そう思ってやまないのです。
そして、私も言うからには、私自身もやる、
そんな思いと覚悟でメルマガを書いています。
■「7つの習慣」では
”インサイド・アウト”
という重要な原則があります。
これも、上記でお伝えしてきたことと、全く同じ話。
「インサイド(自分から)
アウト(外に働きかける)」
このことが、人生を豊かに
花開かせる溜めの原則です。
始まるのは、常に、
「あなた自身から」。
忘れないように覚えておきたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も、皆様にとって素晴らしい1日になりますように。