「啐啄同時(そったくどうじ)」で、育ち、育てる
(今日のお話 1602文字/読了時間1分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、人事関連のエグゼクティブの方々が集まる、
タレントマネジメントフォーラムに参加。
70名近くの方と円卓を囲みながら、
人事制度や教育について学んでまいりました。
普段、人事の方と横並びで学ぶ、
という機会はありそうでなかったため、
ディスカッション内容もとても新鮮でした。
改めて、仕事として
こういった機会に参加できたことに感謝です。
*
さて、本日のお話です。
昨日は「人材フォーラム」とのことで、
”人”をテーマにした話がありました。
その中の大きなテーマの一つが、
「自立」
をキーワードとして挙げられていました。
(やはり多くの企業様が悩まれているようですね)
・成長の機会を与えること、
・上司のサポート・支援があること、
そういった周りからの働きかけも大事。
と、同時に、
・本人のやる気
・本人のモチベーション
も、同然必要である。
じゃあ、この2つの要素は、
どんな風に関わり、人は成長するのだろうか、
本日は、この人が成長する、
こんな2つの要素について2つの要素そんなことについて、
思うところをお伝えしたいと思います。
■大きな転機というのは、
誰の人生でも1度や2度、
そのキャリアの中で起るのだと思います。
それは、もしかすると、
蛹(さなぎ)が蝶になるかのごとく、
劇的な変化かもしれません。
そんな素晴らしき”変化”を
促進させる力とはどんなものなのでしょうか。
人が成長すること。
これを考える時に、
私が、毎回イメージする言葉があるのです。
それは、
『啐啄同時(そつたくどうじ)』
という言葉。
これは、
「鳥が卵から孵化をしようとするとき、
親鳥が外から殻をつついて、助けてあげる行為」
の事を指します。
■雛鳥が、卵の中で育ち、
自分で殻を破り、何とか出ようとする。
中からコツコツ、殻を叩く音がする。
でも、力が足りず、あと一歩出られない。
そんな時を見て、
タイミングよく、親鳥がヒビが入った殻をつつき、
雛鳥が自ら生まれてこようとすることを、
助けてあげるのです。
この行為を『啄(たく)』と、呼ぶそうです。
この時に、大変重要なポイントが、
1、雛鳥が”まず生まれよう”として [=啐(そつ)]
2、それが難しいことを見計らって、親鳥が”サポートしてあげる” [=啄(たく)]
この「順番」なのです。
諸説ありますが、
この時に親鳥が
「早く生まれてこいよ!」と、
急かして卵を破ってしまったら、
雛鳥は生き抜く力を失うそうです。
■そして、この話を聞いて、
思ったのです。
”このことは、「人材育成」においても
同じことが言えるのではないだろうか”
と。
組織において、部下・後輩に
「早く成長してほしい!」と
強く願う上司・先輩がいる。
これは当然のことでしょう。
だからといって、
「手取り足取り、教えてあげるよ」と、
まるで、殻を自分から破ろうとしてもいないのに、
外側からこじ開けるような行為をしたら、
それこそ本末転倒。
自分で生きぬく力を失い、
サポートを待ってしまう、そんな人材になりかねません。
すなわち、人を育てよう、
そう思うのであれば、
1、まず本人が内側から破ろうとする意志を育てること
(自立すること)
2、その上で、周りからサポートをすること
この「順番」がポイントになるのではないだろうか、
そのように思うのです。
■「7つの習慣」では、
成果をあげ、貢献できるような
そんな効果性が高い存在になるためには、
”インサイド・アウト”
このスタンスが重要である、
と言います。
それは「自分から変わる」ということです。
だからこそ、人を育てようとする上で、
敢えてできることがあるとすれば、
”「あなたはどうなりたいのか啐(孵化したいのか)」”
と問いかける機会を作ること、
こういったことが、
サポートしようと以前に大事なのではないか、
そう思うわけです。
人を育てる側も、
自ら育とうとする側も、
”「啐啄同時(そつたくどうじ)」を大切に”
こんなスタンスで取り組めたら、
阿吽の呼吸で、より早く、
素晴らしい成長が見込めるかもしれませんね。
人材フォーラムで、
「自立」について想いを馳せながら
そんなことを考えた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も、皆様にとって素晴らしい1日になりますように。