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406号 2014年10月31日

宮殿をいっぱいにせよ

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、「7つの習慣 for ICTプロフェッショナル」の
お披露目セミナーでした。

100名を超える方々にお越しいただき、
盛況の中終えることができました。

また来週11月4日は管理職「リーダーシップセミナー」。
ぜひご興味のある方はお越しくださいね。

■さて、本日のお話。

あるインドに伝わる寓話より、
興味深いお話がありましたのでご紹介させてください。


昔、ある王さまが自分の後継者を選ぶために、3人の王子たちを呼んでこう言いつけました。

「おまえたちの宮殿を1週間以内に何かでいっぱいにしてみよ。ただし、使える費用はコイン1枚だけだ」

3人の王子たちは、その無理難題に頭を抱えました。

3人とも大きい宮殿に住んでいましたし、コイン1枚では買えるものも限られています。

いったいどんなもので大きな宮殿を埋め尽くせばいいのか。

さて、王子たちはどんな策をとったでしょう。

1週間後、王が王子たちの宮殿を検分する日がやってきました。

一番目の王子は、コインで安いワラを買い集めて、宮殿に運び入れていました。

でも、ワラは広い宮殿の3分の2までしか埋まっていません。

これでは条件をクリアしたことになりません。

王は不満顔で次の王子の宮殿に向かいました。

二番目の王子は、なんと町中のゴミをかき集めて、ゴミで宮殿をいっぱいにしていました。

ゴミなら費用もかかりませんし、いくらでも集められると考えたわけです。

しかし、いくら条件を満たしたとはいえ、せっかくのきらびやかな宮殿を汚いゴミの山にするとは言語道断。

王はあまりの強烈なにおいに眉をひそめ、ますます不機嫌になって宮殿を後にしました。

三番目のいちばん若い王子がやったことはちょっと変わっていました。

宮殿にモノを運び込むのではなく、宮殿からありとあらゆるものを運び出し、宮殿内の壁や床をピカピカに磨き上げていたのです。

王は夜になって、三番目の王子の宮殿を訪れました。

広く静まり返った部屋のなかには何ひとつモノがなく、ただ、それぞれの部屋や廊下の燭台(しょくだい)に火がともされ、その光がピカピカの壁や床を照らして神秘的な輝きを放っていました。

王は王子に言いました。

「なんという荘厳な美しさだろう。だが王子よ、予(よ)は何かで宮殿をいっぱいにせよと申しつけたはずだ。その約束はいったいどうなったのじゃ」

王子は微笑みながら答えました。

「いえ、王さま、宮殿内はどこもかしこも灯りで照らし出されています。私は光で宮殿をいっぱいにしたのです」

その答えに王は満足し、この三番目の王子を後継者に決めたということです。

「大富豪インド人のビリオネア思考」 サチン・チョードリー 著


■いかがでしたか?

私も3人目の王子の答え「光で満ちている」をきいて、
「綺麗だし、うまいなあ」と思いました。

私の場合「空気が満ちている」と主張したらどうか、とも思いました。

他にも思いつかないだけで、
きっと色々な方法があるのだと思います。

そして、私たちが日常巡り合う課題も、
王様が出した「宮殿を満たしてみよ」と同じようなものではないでしょうか。

いくつか方法があるはず、でも何が正解かはわからない。

そんな中、
「宮殿をゴミでいっぱいにすればいいじゃないか!」
と主張した意見のみを正しいと思って他の案を考えないよりも、
「もっと良い案はないだろうか」
と皆で、それぞれの意見を持ち寄って考えた方が、
より効果的なのでしょう。


■「7つの習慣」では、このような私たちが持っている
”ものの見方・考え方”を【パラダイム】と呼びます。
そして、このパラダイムを変えることが、
劇的な変化を生みだす、といいます。

色々なアイデア、様々な人の意見を尊重しながら、
頭を柔らかくいたいものですね。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 全ての有意義な突破は
古い考え方の否定に始まる
                
                 トーマス・クーン

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