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1391号 2017年12月5日

「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い

(本日のお話 2197文字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。

来期の研修計画の相談など、
師走に入り、多くなってきております。

ただ万全と過ごすのではなく、
1時間あたりの生産性を、もっともっと高めていきたい、
と思う今日この頃です。

昨晩は風邪気味でしたが、
毛布にくるまり、汗をかくだけかいて、
今朝は復活することができました。

今日も、頑張ろう。
(ぶり返さない程度に 汗)



さて、本日のお話です。

今週の日曜日にご紹介した、

『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山 章栄 (著)

の中で、なるほど、と思う話がありました。

それは、

”「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い”

という話。

今日は、この内容について、
引用、共有させていただくと共に、
思うころをお伝えできればと思います。


タイトルはそのまま、


【「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い】


それでは、どうぞ。

■この3ヶ月間、夜の時間、
土日の時間をつかって、

「サムライ塾」

なる学びの場に、ひたすら没頭をしていました。


そこでは、これまで


・資本主義の問題点とは何か?

・日本をSWOT分析するとどうなるか?

・西洋と日本のリーダーシップの違いとは何か?

・テクノロジー、AIは世界をどう変えるのか?

・世界のこれからの問題とは何か?


などなどを、チームごとに話し合い、
そして、自分達の考えを固めていく、


そんな活動を運営事務局リーダーとして、
見守り続けていました。


■そして、そんなワークを、
何度も何度も進める中で、
ふと気がついたことがありました。

それは、

”何だかフワフワした議論で、
ミーティングが先に進まないチーム”

と、

”意見が固まりやすく、短時間で、
有意義なミーティングができているチーム”

がある、ということ。



その理由を考えていたのですが、先日読んだ、

『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』

に、以下のようなことが書かれており、
この疑問の、”答えのヒント”ではなかろうか、

と、思ったのです。


以下、著書より引用です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い】


「アイデア出しが目的のはずのブレストが、
 アイデアを出すのに効率が悪い」ことは、

『プロダクティビティ―・ロス』という矛盾として、
経営学や社会心理学では古くから知られてきました。

このテーマに関する研究の多くは、
実験手法からその傾向を見つけています。


この手の研究では、
例えば数十人を集めて5人くらいずつの組をつくり、

「5人が顔を突き合わせてブレストする組」と、
「5人が個別にアイデアを出して、最後にアイデアを足し合わせる組」
に分けて、それぞれから出てきたアイデアを比較します。

そして、これまでの多くの研究で、
前者よりも後者(個別にアイデア出しをする)のほうが、
よりバラエティーに富んだ質の高いアイデアが多く出ることが示されているのです。


引用:『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


■「皆で集まって、とりあえずブレスト」は、
”やっている感”は出るものの、実際は効率的ではない、

このことが学術的な研究結果からわかっている、
というお話ですね。


なぜ効率的でなくなるか、という理由なのですが、
「皆で集まって、とりあえずブレスト」をすると、


1,「他者に対して気兼ね」してしまう

2,集団で話すと思考が止まる


といったことが原因で、
結局のところ、効率が下がるそうです。


■そして、ここでふと思ったのです。


これは何も、「アイデア出しのブレスト」だけでなく、

”多くの社内のミーティング、ディスカッションも、
 似たようなものではないか”

ということ。


人が集まって何か話し合いをすると、
「他者への気兼ね」もそうですが、
私が思うに、それ以上に、

『他者への甘え』
(=良いこと言ってくれる人がいるだろう)

が生まれるように思います。

しかしながら、あらかじめ個々人が
「私はこう思う」「俺はこうだ」という、

”自分なりの意見”

を固まっていなければ、
そしてそれを持ち寄らなければ、周りに流され、

「そうかもね」
「そんな気がする」
「いいんじゃない」

と、そのミーティングの場も、
風に揺られる柳のようになるだけ。

あっちにゆらゆら、
こっちにゆらゆらと、
声の大きい人の意見に揺れに揺らされていたら、
衝突も起きないし、集まる意味も、ない。

アイデアの衝突が起きなければ、
”皆で集まる意味”は、ないのです。


結果、当然、

「相乗効果」

など生まれるはずもなく、
そこにチームの魂も反映されていない、

そんな結果になる、
と思うのです。


■「ブレスト」では、

”個別にアイデアを出して、最後にアイデアを足し合わせる”

というやり方がよい、と研究結果からわかっています。


あらゆる組織では、
ミーティング、ディスカッション、チーム会議、
色々な名前がありますが、

「アイデアを持ち寄って決めるミーティング(=ブレスト)」

は、日々、多数行われていると思います。


その時、
「オーナーは自分じゃないから」で、
個々人の意見も持たず、何となく集まっては、
効率が悪く、誰も得をしません。


思い返せば、先述のサムライ塾の

”何だかフワフワした議論で、
ミーティングが先に進まないチーム”

と、

”意見が固まりやすく、短時間で、
有意義なミーティングができているチーム”

の違いも、


【一人ひとりが、事前学習をしっかりして、
 自分自身の意見を持っているかどうか】


が前者と後者を分ける、大きな理由だったな、
と改めて思うのです。



当事者意識が大事です。

自分の意見を持つことが大切です。

流れ流される柳のような、
ただいるだけの参加者にはならぬよう、
重々注意していきたいもの。

チームは、相乗効果を発揮してこそ、です。

【本日の名言】 ビジネスにおいて、二人がいつも同じ意見なら、
そのうちの一人は無用である。

ウィリアム・リグリー・ジュニア”

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