ホンモノの教育とは「足場になる」こと
(本日のお話 1774文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、終日、奥多摩のウォーターアドベンチャーへ。
膝や肘などアザだらけ、筋肉痛ですが心地よい痛みです。
さて、早速ですが、本日のお話です。
昨日、奥多摩のウォーターアドベンチャー『親子で冒険』に参加し、
感じたことについて共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
“ホンモノの教育とは、「足場になる」こと”。
それでは、どうぞ。
■都心から100分。
中央線を乗り継いでいく「奥多摩」に、
自然に溢れた秘境があります。
そこは、美しい森と、滝、
そして実際に近づくと自然の力強さを感じざるを得ない、
そんな神秘的な空間が広がっています。
それを提供しているのが、私の友人が主催する
『親子で冒険』
というアクティビティのプログラムです。
正直な話、このアクティビティは
小さなお子さんがいらっしゃる、全ての人に、
ぜひ体験していただきたい。
そう思うくらい、
“素晴らしい教育プログラム”
なのだ、と私自身、実際に参加をして
強く思ったのでした。
■このプログラムは、
タイトルの『親子で冒険』とあるように、
通常、“親子”で参加します。
そして、一緒に、冒険をします。
*
私が参加をした昨日も、
5人の家族が参加していました。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、弟、
(推定13歳、9歳、7歳くらい)、そんな家族構成です。
そんな家族と、私の友人、妻を含めた8人で、
沢を進んでいくと、そこにはとんでもないものが待ち受けています。
大人でも恐れるような、切り立った岩壁、
ものすごい水流、勢いの滝が目の前にある、
大人でも足がつかないほどの深い滝壺、
そして冷たい水温、
そんな、”試練“とも呼べる場所が、いくつも訪れます。
(私自身、結構慣れているつもりでしたが、かなりビビりました)
*
単なるアクティビティを超えて、
自分の中で勇気を出さないと踏み出せないような場所に直面し、
子供は、恐れおののいています。
「これムリだよ」
「もう、寒い、寒いよ」
そうやって、泣いている。
それでも、子供は自分の力で踏み出し、
そして壁を超えようとする。
そして、お母さんは「カッコイイ!頑張れ!」と
対等な一人間として息子を褒め、勇気づける。
インストラクターの隊長は、手は貸さない。
引っ張り上げたりは、決してせず、
自分の体を足場にして、それで「自分の力で上がれ」という。
あくまで、大怪我はしないように見守りつつ、
本人の好きなようにさせる。
そうやって、
『自分の力で乗り越える事』
を体験させるのです。
■そしてアクティビティが終わった後、
凄く印象的だったことが、インストラクターの隊長(友人)の
この言葉でした。
「子供が、チャレンジしているときに、
大人が手を貸してはダメなんだ。
崖を登れないからといって、引っ張り上げたら、
“助けられた”という感覚を持つ。
そうじゃなくて、“自分で乗り越えた”という体験をすることが、
子供にとって本当に重要なのだ。
だから、登れなくて困っている時は、
自らの足なり、体なり、頭を足場にして、”自分の力”で登らせる。
それが、大事な体験なのだ」
そんなお話でした。
■崖を登る、失敗するかもしれない。
もしかしたら怪我をするかもしれない。
だからといって、
できる人が、手を貸してしまったら
・子供が自分の力で乗り越える経験
・恐怖と向き合う経験
・勇気を振り絞る経験
その学びの機会を、失ってしまう。
短期的に「手助けをする」ことは、
決して長期的に「力を付けさせる」ということにはならず、
力強い人生を生きるきっかけを作ってはいない、
ということ。
このことを、私達大人たちは、
また人に教える立場にあるあらゆる人は、
重々心に留めておくことが大事なのだろう、
そのことを強く感じさせられたのでした。
■「教育」の語源とは、
“「英語: education」や「フランス語: Éducation」は、
ラテン語: ducere(連れ出す・外に導き出す)という語に由来することから、
「教育とは、人の持つ諸能力を引き出すこと」とする“
などと言われることがあります。
少し先に進んでいる人ができることは、
・連れ出すこと
・外に導き出すこと
そして、そのために、
『己自身が足場になること』
なのだろう、そう思います。
そのために、自分を守らず、
そして、勝手に気持ちよくならず、
相手の成長を切に願い、勇気を持って必要な行動をする、
そんな人間性を身につけることが、
絶対的に必要なのだろう、
そんなことを感じた貴重な体験でした。
(というわけで、お子さんの成長を願うお父さんお母さん、
自分自身も挑戦したい大人たち、
『親子で冒険』
とても、おすすめです。)