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1233号 2017年6月30日

非常にせわしない。でも非常に美味い天ぷら屋から学ぶ「一貫性」の大切さ

(今日のお話 1655字/読了時間1分半)
■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
ならびに夜は、妻の誕生日ということで、
日本橋にて食事をしてきました。

言ったお店は、

『天ぷらめし 金子半之助』

なるお店。



食べログで調べたところ、

・コストパフォーマンスが絶大である
・カウンターで天ぷらがお腹いっぱい食べられて1000円

みたいなことが書いてあり、
何気なく寄ってみました。


結果、最近入ったお店の中で、
かなりの上位の、個人的には最高にツボなお店でした。

今日はそのお店のご紹介もしつつ、
「信頼」というテーマで思うところを
お伝えさせていただきたいと思います。


タイトルは、


「非常にせわしない。でも非常に美味い天ぷら屋から学ぶ「一貫性」の大切さ」。


それでは、どうぞ。

■三越前の駅を降りて、
一分ほどあるいた路地に佇む「天ぷらめし 金子半之助」なるお店。

まだ18時過ぎなのに、
なかなかの行列ができていました。

しかし、「どうしても天ぷらが食べたい!」(私が)ということで、
一応列に並ぶことに。

お店はカウンターだけの10席ちょっとのこじんまりしたお店。

だから、結構並ぶんだろうなあ、
と少し覚悟して待っていました。


すると、意外にもすぐに案内があります。


店に入ると、綺麗なカウンター。
大将っぽい人が、カウンターの奥で
ひたすら天ぷらを揚げています。

そして、女将さん、というか、
気の強そうな肝っ玉母ちゃんのような人がフロアを取り仕切っており、
大学生か、または見習いのような若者が6名ほど。

この狭さで、多すぎやしないか?
と思うほどのスタッフの数。


■席につき、少し見渡してみると、
いろいろな特徴が見えてきました。

まずは普通の天ぷら屋ではない、雰囲気の良さ。

テーブルはピカピカで、
細かいところまで行き届いています。


そして、料理も値段から考えて、秀逸。

ししとう、たまご、イカのかき揚げ、エビ。
穴子の一本、あさりの味噌汁。黒豆茶。

本当に上手いしこだわりを感じる、の一言。
ゴボウ、イカ、たくあん漬物。
サイドメニューも光ります。

とにかく、天ぷらが美味い。
そしてカウンターの雰囲気も味わえて、
とても、いい。


■ですが、同時に別の特徴にも気づきます。

例えば、

・アップテンポの三味線の曲が常に流れている。
 シャンシャカシャンシャカ。なっており、
 高揚するというより、ややせわしないバックミュージック。

なんとなく、食べるスピードが上がります。


・そして時折聞こえる女将の若い衆への叱責。
 食器の音を立てると、「◯◯くん。何やってんの!」

・威勢のいい挨拶の各種。
 「ありがとうございまーす!」
 「うしろとおりまーす!」
 「7.8番さんありがとうございまーす!」

なんだか急かされているようで、
なんとなく、食べるペースが上がります。


・皆の動きは1.5倍。動きが早い。
 つられて、こちらの食べるペースも上がる気がします。

 そして、窓からは行列が見えます。
 結構待ってるな、さっさと食べようか、

妙なプレッシャーを感じ
ますます食べるスピードが上がります。


そして、ものの20分くらいで
サクッと食べてお店を出たのでした。

お題は一人1350円なり。


そんなお店でした。


■お伝えしたせわしなさはあるものの、

「では不満か?」と言われると、そうでもない。

むしろ真逆で「大満足」だったのでした。


それはなぜか?と考えた時に、


”1350円で質の高い料理であるなら
 回転早くしないといけないから、
 そんなものである”


という飲食の店舗に対する理解とともに、
もう少し掘り下げて、何に納得、満足したのかを考えてみました。


そこで思ったのが、



『圧倒的な一貫性』



これが満足度の理由では、
と感じたのです。

一貫性があるから、
全ての行動、特にせわしない行動にも、
特に不快に思うことなかったのではないか、

ということ。


■具体的に確認はしていませんが、
きっとこの天ぷら店のコンセプトは、

「上質な天ぷらを、誰もが楽しめる価格で、
 多くの方に提供する」

みたいなものだと推察されます。

それを考えると、

・女将の叱責も
・やたら早い動きも
・でも徹底した料理の品質も、
・綺麗に管理されたカウンターも

全てにストーリーがあり、
納得感を感じるものでした。

だから、そこを客とはいえ、
そのストーリーを織りなす一員として

「それを壊してはいけない」
(やたら長くいる、とか)

と感じたのでした。


■この話を考えながら、
思い出したことがあります。

それは、私たちの研修で、
信頼をテーマにしたプログラム。

(参考:スピード・オブ・トラスト)


その中で言っていることで、


『”信頼”とは「意図」と「誠実さ」で生まれる』


という話があります。


例えば、その人、そのお店が、

・どのような意図(思惑)をもって行動しているのか?
 (お店で言えば、どのような思いで店舗を運営しているか?)

ということ、

・そして誠実さはあるか?
 言っていること、やっていることは一致しているか?


つまり、「一貫性」はあるか?

こんなことが満たされているかどうかで、
その人(お店)を自然と信頼するものである、

そんな話です。


人は、

”納得できる考えを掲げ、
 言っていることとやっていることが同じである”

ときに、信頼し、惹かれるものです。


■別にお店など、
安くても、高くてもどっちでも良いのです。

そして、仕事のスタイルも一緒。

得意不得意があったり、
カラーがあったりするもの。

営業だって、色んな方法があっていい。


でも、人が人と関わり、
人を選び、選ばれ回っている世の中では、

「信頼」が重要な要素になっていることは間違いありません。


そして、それを構成するのは、

『一貫性』

なのです。

その人が言っていること、やっていることに
違和感がなく、同一のストーリーが流れているかどうか。


これが極めて重要である、
そのように思うのです。


ということで、天ぷらを食べつつ、


【自分の言葉、行動に”一貫性”はあるだろうか?】


そんなことを内省した次第です。

みんな見ていないようで、見ているし、
感じているものです。

ぜひそんな観点からも
自己省察をしてみると良いかもしれませんね。


一貫性、大事です。

【本日の名言】 立派に実行するほうが
立派にしゃべるよりも良い。

ベンジャミン・フランクリン”

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