研修成果を望むなら、「エビングハウスの忘却曲線」に立ち向かうこと
(今日のお話 1586文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、神奈川県の足柄峠にて27キロの峠走。
750メートル山を登っていき、富士山を眺めた後、
山を駆け下りると言う、非常に楽しい時間でした。
そして、夜からはテニス。
ここでも走りまくりでした。
最近、ものすごい勢いで、
足が鋼鉄のように逞しくなっております。
練習は、裏切らない。
*
さて、本日の話です。
本日は、「学びの定着化」をテーマで、
思うところをお伝えさせていただきたいと思います。
タイトルは、
「研修成果を望むなら、「エビングハウスの忘却曲線」に立ち向かうこと」。
それでは、どうぞ。
■「学び」は、
「実践」がなければ成果に繋がらない。
これは、あらゆることに言える原則ですね。
ランニングのフォームもそう。
テニスのスイングもそう。
会社の研修で覚えたスキルもそう。
「学んだこと」は、
「行動」として繰り返すことによってのみ、
「結果」につなげることができます。
■しかし、悲しきかな、
なかなかこれができない。
なぜならば、よく言われるように、
「人は忘れる生き物だから」です。
超有名な、
「エビングハウスの忘却曲線」
というものがあります。
これは、ドイツの心理学者、
ヘルマン・エビングハウス博士が「時間と忘却の関係」について調べた、
超有名な実験の話です。
(ご存知かと思いますが)。
この実験によると、人は、
・20分後に42%、
・1時間後に56%、
・1日後に74%、
・1週間後に77%、
・1ヵ月後に79%
学んだことを忘れてしまう、
と言う話でした。
つまり、記憶とは、
『20%は残るけど、
それ意外ほとんど忘れてしまう』
ということ。
忘れたことは、
思い出すことすらできないから、
当然「実践」などできるはずもありません。
■しかし、願わくは、
「学びの歩留まり」は高めていきたい。
「たまたま記憶に残った20%」ではなく、
”エビングハウスの忘却曲線に立ち向かい、
「学んだこと」の80%位は、記憶、実践、結果につなげる”。
これこそが、良質な学び、
成果につながるトレーニングではないか、
そう思うわけです。
■そして、この
”エビングハウスの忘却曲線に立ち向かう”ごとき活動を、
リアルにやっている会社があります。
それは、メットライフ生命の末永さんと言う方。
彼は、メットライフ生命の
リーダーシップのトレーナーであり、
「7つの習慣」の社内ファシリテーターでもあります。
彼は、「7つの習慣トレーニング」を、
営業所のリーダーに実施することで、
・組織の成長性と生産性について従来の1.4倍の実績、
・組織のハイパフォーマー占有率についても2倍
という、誰もが認めざるをえない、
圧倒的な成果をたたき出しました。
このために、彼が何をやったのか。
これこそがまさしく、先ほどの
”「エビングハウスの忘却曲線に立ち向かう」ごときトレーニングの実践”
であったと思うのです。
彼は、「7つの習慣」の研修を
ただ二日間、三日間やるのではなく、
半年間にかけて行いました。
1、「7つの習慣」の概念を伝え、考えさせる
2、明日から何をするかを宣言し合う
3、実際、実践できているかどうか、
トレーナーの立ち会いの元、確認していく
そして、忘れていることがあれば、
トレーナーとの再学習のもと、
学びを復習し、そして再び、即実践する。
これを1つずつ行っていくことで、
「学んだことの100%とは言わずとも、
70%、80%を記憶、かつ実践できるようになる」
というサイクルが回り始め、
「結果につながる」
という実績を出すことができた。
■そして、思うのです。
あらゆるトレーニングは、
こうあるべきなのではないか、と。
そして、同時に思います。
「社員の人材育成で成果を出したい」と言いつつ、
勉強しない、またはこれらの、
成果がでるとわかっている「やるべきこと」
をやる意思がない人材開発担当者が、
いかに多いか、ということ。
もちろん、事情があることがわかります。
でも、それを言った瞬間、「負け」です。
戦うところは覚悟をもって、
戦わねばならなりません。
できる事はゼロではないはず。