中くらいであれ!
■おはようございます。紀藤です。
土日に知人が面白いといっていた、
『いやな気分よ、さようなら』という、
認知療法に関わる本を読みました。
メンタルヘルス、という言葉も
しばしば聞くようになった昨今ですが、
皆さまは”認知療法”という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
”認知療法”とは、
いわゆる「うつ」に関わる治療法の一つです。
薬を使わないものの、
ある説では抗うつ剤と同等の効果がある、
とも言われている治療法です。
そんな題材を取り扱う本の中で、自分で出来る、
「いやな気分のなくし方」
について、そのメカニズムが紹介されていました。
■そのキーワードは、
【中ぐらいであれ!】
という言葉。
いやな気分になるときの一つの理由には、
「自分はできない」
「またできなかった」
と思ってしまう”失望した気持ち”があるそうです。
そしてその気持ちは、多くの場合、
”完璧主義を求めるから”がゆえに、
いやな気分が起るそうです。
しかし、この本でははっきりと言います。
”「完璧」は、人間の究極的な幻想です。
世界には、簡単には存在しません。完璧などないのです。
もしあなたが完璧主義だとすると、
たとえ何をしようとも「敗者」になることは請け合いです”
■このような前提で、
認知療法では、次のようなプロセスを踏みます。
まず、質問を投げかけます。
「あなたがこだわっている”完璧主義”とは、
本当に効果的なのでしょうか?」
そしてその質問に答える形で、
・完璧主義であるメリット
・完璧主義であるデメリット
を思いつく限り、書きだします。
■すると、こんな形になります。
以下は、ジェニファーという実際の方の回答です。
【完璧主義の利益】
1、すばらしい仕事を生み出す。
良い結果に達しようと一生懸命頑張る。
【完璧主義の不利益】
1、固くなりすぎて、良い結果を出せないことに対して、神経質になる。
2、良い結果に到達するために必要である間違いを恐れて、危険をさけてしまう。
3、自信に対して批判的になってしまう。
自分の成功を認めたり喜んだりできなくなり、人生が詰まらなくなる。
4、いつでもどこでも完全でないものが目について、
リラックスできなくなる。そして自己批判に陥る。
5、本当に完全になどなれるはずがないので、
いつも落ち込んでしまう。
6、他人を許せなくなる。人の欠点ばかりが目について、
人を思いやる気持ちや好きになる気持ちを失ってしまう。
はい。
解答結果を見て頂くとわかりますが、
圧倒的に【不利益】の方が多いですね。
ここまで自分で書くと、認めざるを得なくなります。
「完璧主義にこだわっているけど、
いいことって、なんにも(ほとんど)ないじゃないか・・・」
と。
このようなプロセスを通じて、
「【中くらい】もあながち悪くないんじゃないか」
と、自分の考え方が書き換わる、気付きを得る。
それが「”認知”療法」という所以だそうです。
■この本によると、うつ、でなくとも、
気持ちが沈むときは、
「自分は全然できていない」
という考え方に、
自分自身が囚われてしまうことが
原因の一つになると言います。
それを、正しいプロセスで、
【あなたが思う考え方・見方だけが、正しいとは限らない】
と気付かせるだけで
世界が違って見えるようになる、
心の負荷が軽くなる、といいます。
「7つの習慣」でも、
『パラダイム(物の見方・考え方)』を変えることが、
行動や結果に大きな変化をもたらす、といいます。
上記の認知療法の話も
『パラダイム』を変えることがもたらす、
一つのよい例のように思えます。
事実は一つでも、見方は一つじゃない。
そんな気持ちで、自分にも他人にも
ゆとりをもって接していくという考えも大切なのかもしれませんね。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さまにとって、今日も素晴らしい1日になりますように。