話せば話すほど心が離れていくジレンマ
(今日のお話 2052字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日はニ件のアポイント。
ならびに「7つの習慣 新人ITエンジニア向け」で
オリジナルコースを作成いたしました企業様に対して、
”ファシリテーターの集中養成トレーニング”
の実施の初日でした。
この集中養成トレーニングを見学して、
改めて思ったことは、
「ファシリテートのスキル」というのは奥が深く、
コミュニケーションが発生するあらゆるシーンに使える技術であると感じます。
と同時に、簡単なようで、難しい。
今日はそんなファシリテートの技術に思いを馳せつつ、
ついやってしまいがちな失敗、
「話すほど心が離れていくジレンマ」
というタイトルで、
思うところを皆さまにご共有させていただきたいと思います。
それでは、どうぞ。
■「ファシリテーター」というのは、
参加者に気づきを与える役割です。
”講師”のようにティーチング(=教える)のではなく、
”ファシリテーター”はあくまでも、
ファシリテート(=気付きを促す)という役割。
そんな”ファシリテーターの集中養成トレーニング”をしていると、
参加者が陥りがちな、とある失敗があるのです。
それは、
「沈黙を恐れ、自分だけが一方的に話してしまう」
ということ。
この状態が続くと、
大体見ているオブザーバー役(参加者役)の人は、
「置き去りにされた感があった」
「講師との心の距離を感じた」
「なんだか話が入ってこなかった」
という悲しきコメントに溢れることが、
多くなるのです。
ファシリテーター役の人は、
別に悪気が合ってやっているのではなく、
・次に話すことを思い出すことで、頭が一杯になっている、とか
・自分の話すことに集中していて、
参加者のリアクションが見えていない とか、
・または話すことが気持ちよくなってしまった
みたいなことがあって、
「話したいことを話しまくってしまう状態」
に陥ってしまいます。
でも、残念ながら、
そんな自分の状態はどんなであれ、
参加者のネガティブなコメントは、
増えるばかりなのです。
■特に、その内容が、
「リーダシップ」とか
「仕事のスタンス」というようなテーマで、
・当事者意識を持とう
・人の話をしっかり聞こう
・最後まで責任を持とう
・前もって計画しよう
みたいな、割りと皆聞いたことがある、
”当たり前のこと”だとなお具合が悪いです。
いくら自信満々にいっても、
「そんなのわかってるよ」と全然刺さらない。
参加者の気持ちが取り残され、おいていかれ、
一応目は開いて、聞いてはいるけど、
心ここにあらず、状態になる。
それにどことなく気付いて、焦り、
その心を引き戻すべく、
また喋って喋って喋りまくる。
すると、悲しきかな、
『話せば話すほど心離れていく』
という現象の渦に巻き込まれていくのです。
■ちなみに、こういう現象は、
「ファシリテーターの集中トレーニング」だけでなく、
営業や社内のプレゼン、または1対1の面談などでも、
しばしばありがちです。
一生懸命伝えようとする。
そして、熱く語る。
なんどもなんども、語りかける。
しかし、伝わらない。
なぜ、伝わらないんだ!
と思い、更に声を大きく、
言葉の数を多くして喋りまくる。
すると、何故だろう、
益々声が届かなくなり、
相手との間に、妙な空気が流れる。
(私も営業シーンで、
熱くなったり、焦りすぎるとやりがちな失敗です)
■では、どうすればよいのでしょうか?
こういった時に思い出すべきことは、
「7つの習慣」でいう、
”第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される”
ことが何より重要である、
と思うのです。
1対1でも、複数でも、
相手を動かしたければ、
相手との心の距離を縮めたければ、
”相手が困っていること、考えているテーマ、話題、
それらに集中してあげること”
”相手を主役として意識を向けること”
が最も大切なのです。
多くの場合、聞き手は、
”自分の話”に関すること
でないと、集中力を保つことが難しいもの。
だからこそ、
・相手に意識を向け、質問をすること、が重要だし、
・コメントを貰うときにも、感謝の気持ちを表すこと、も大切だし
・またいい発言には、賞賛をすること、
などが、相手の価値を認め、
相手との心の架け橋をつなぐ上で、
鍵となってくる、
そのように思います。
■繰り返しになりますが、
「ファシリテーター」という場でなくとも、
ビジネスでも、プライベートでも
しばしば”対話”において、
「自分がいざ伝えるぞ」と、
相手側でなく、自分側に視点が向いた時、
相手の存在を忘れて、
言いたいことが先行し、
相手の状況、価値観、考え方を置きざりに、
話しまくってしまう、
そして
『話せば話すほど、心離れるというジレンマ』
に陥ることがあります。
もし、そうなったな、
妙な空気が流れているな、と思ったときは、
まず、耳を傾けましょう。
そして対話をしましょう。
自分だけの答えが全てと思わないようにしましょう。
批判を恐れず、受け止め、一緒に考えましょう。
そうすることで、
一方通行だったコミュニケーションが変わり、
流れる空気もかわるのだろう、
「ファシリテーター養成講座」を見て、
改めて”対話の大切さ”に思いを馳せた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日が皆さまにとって素晴らしい1日となりますように。