悪玉コレステロール値から思う、”ルールを疑え”という教訓
(今日のお話 1775字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は午前中に健康診断。
時間に余裕があったので、
結果について医師の説明が聞くため、
そのまま検診センターで小一時間ほど待ち、
検査結果を聞くことにしました。
結果はいたって良好で、
ほとんど問題なしだったのですが、
一箇所、「3ヶ月後に再検査が必要」という箇所が
生まれて初めて(!)見つかったのでした。
今日はそのお話の背景から思うこと、
そしてそこから感じたことを、
共有させていただきたいと思います。
テーマは、
「悪玉コレステロール値から思う、”ルールを疑え”という教訓」。
それでは、どうぞ。
■昨日の、私の健診結果は、
こんな感じでした。
体脂肪、BMI. = A判定
視力 = A判定
聴力 = A判定
血圧 心拍数 = A判定
肝機能 = A判定
代謝系 = A判定
血糖値 = A判定
尿一般 = A判定
腎機能 = A判定
脂質 = C3
ほとんど、A判定。
アレルギーや喘息やら
実は、諸々弱いところだらけですが
内臓系(?)は比較的良好でした。
しかし、今回、
”脂質 = C判定”
というのが入っておりました。
どうやら、
「LDLコレステロール値 141」
となっており、そのため、判定が、
『C3 ・・・ 3ヶ月後に再検査』
となったようです。
■「なんだろう、これ?」と思い、
ドクターに聞いてみます。
「このLDL、なんたらってなんでしょう?」
すると、ドクターはこう答えます。
「これは、いわゆる、
”悪玉コレステロール”ってやつですね。
これが基準値よりごくわずかに高いので、
気をつけたほうがよい、ということで、
また3ヶ月後、検査に来てくださいね」
と。
でも、不思議なのです。
実は、2013年の3年前のデータ見ると、
”「LDLコレステロール値 140 = A判定”
となっていたのです。
他の脂質に関係するスコアも、
ほぼ、全くといっていいほど同じ。
素朴に疑問に思って、聞いてみます。
「あれ?でも、3年前も数値ほとんど同じですけど、
何でまた、今回は再検査なんでしょう?」
すると、ドクターの回答は次のようなものでした。
ちょっとどもっています。
「あー、これはですね。
えーっと、何というかですね、
変わったんです、昨年、ルールが。
諸事情ありまして、
前までは大丈夫だったスコアが
今は引っかかるようになったんです」
■ん?
これを聞いた時、不思議に思いました。
体が良い、悪いって、
そんなルール次第で決められてしまうもの?
じゃあ、健康不健康のボーダーは
本当はどこにあるのか?
健康なのか不健康なのかは、
結構適当なんでは?
明確に説明できない医師のどもりっぷりから、
そんなことが、
バラバラと頭をよぎったのでした。
■以前、ある医師の講演において、
病気の判定基準の遷移について、
とある話を聞いたことがあります。
その彼の話は、医療制度のルールは、
結構、ご都合主義である、というような話でした。
(※あくまでも彼のお話です)
「昔はね、1970年くらいの頃は、高血圧は
200くらいまでオッケーだったんですよ。
皆、血圧高かったから。
でも、時代が進むにつれて、
だんだんと血圧が下がっていった。
患者がいなくなって、医者たちは困っちゃった。
だから、高血圧の定義を
”180からダメにしよう”、
そう決めたんです。
患者が増えて、安心したの。
でも、それからまた10年、
またまたみんなの血圧は下がっていった。
患者が減って、また困っちゃった。
だから今度は
”160以上をアウトにしよう”。
そうすることにしたの。
そしたらまた患者が増えて、安心したの。
病気のルールって、
そんな感じで変わって来ているんです」
そんなお話でした。
■しばしば組織においても、
「だってルールだから」
を合言葉に、それが当たり前的な権力を
振りかざされる場合があります。
でも、当然ながらそのルールは、
誰か何かしらの意図をもって決めたもの。
だから、考えてみれば、
「絶対のルール」なんてないわけです。
私たちの仕事や、それに関わる組織でも、
ルール、前例に拠って決まっていること、
たくさんあります。
でも、それらは本当に正しいのか?
何をもって正しいとしているのか?
これらのことを、
少し掘り下げて考えてみること、
意外と重要なのではないでしょうか。
ルールとか規則とか言うと、
つい、思考停止気味に陥り、
自動的に従ってしまう傾向があるからこそ、
疑うことが必要なのだろう、
そう思った次第です。
正直、今回の
”悪玉コレステロール値”のルールの不明さより、
そんなことを思った次第でした。
再検査、いきたくないなあ(汗)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。