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248号 2014年3月12日

より大きな共同体の声を聞け

■おはようございます。紀藤です。

先日もAmazonで買った、
アドラーに関する新しい本が届きました。

私は本が好きで、
それなりに読んでいるつもりですが、
これくらいメガヒットは本当に久しぶりです。

読みやすいけど、じっくり読むと、とても深い。

そんな本に出会えると、とても嬉しくなります。

というわけで、今日は(も?)
アドラーに関する書籍『嫌われる勇気』から、
印象に残った言葉をひとつ、ご紹介したいと思います。


■さて、印象に残った言葉とは、

【より大きな共同体の声を聞け】

というフレーズ。

これが、「対人関係」に想いを馳せがちな私に、
気づきを与えてくれました。

ちなみに、前提として、アドラー心理学では
「対人関係」の悩みが全て、としています。

だから人は、
「所属感が持てないとき」(居場所がない、と感じるとき)
に悩む、といいます。

その時にヒントになる言葉の一つが、
「より大きな共同体の声を聞け」という概念です。


■少しご説明させて頂きますと、
まず、アドラーは

”どんな共同体(=組織)にもそこに通じる
「コモンセンス」(=共通感覚)がある”

と言います。

ある学校では、先生が絶対。

だから、たとえ先生が理不尽だったとしても
生徒は誰も逆らえない。
そんな感覚も、学校という組織のコモンセンス。

しかしながら、一度学校の外に出たら、
「先生が絶対」という「コモンセンス」は通用しなくなります。

私の例ですと、

私が新入社員で勤めていた会社は
朝10:00~夜0:00まで働き、
「仕事こそすべて、仕事こそ人生」が組織の「コモンセンス」でした。

しかし、一度その組織の外に出たら、
「それっておかしくない?!」と
親族、友人共々、口々に言われるのです。

外に出れば、その組織の「コモンセンス」は、
当たり前などではなく、むしろ少数派だったわけです。


■だからもし「対人関係の軋轢」に悩み、
「居場所がない」と感じていることがあれば、
自分が「組織の当たり前に合わせよう」
と思い悩む前に、

”「組織の当たり前」は当たり前ではないかもしれない”

と考えることが、大切な概念である、
そんな話を伝えていました。


■「7つの習慣」では、

”物の見方は人それぞれ違う”

という事実を、
「パラダイム」という言葉を使って説明しています。

人の物の見方は、
生い立ち、経験、環境によってつくられます。

これは人の集まりである、組織でも同様です。

だから、ある組織では「正しい」とされることが
ある組織では「間違っている」とされることも起こるわけです。

しかしながら時代に応じて、

”働き方の「当たり前」”
”組織の「当たり前」”

は変わり続けています。

であるならば、先ほどにご紹介した、

「自分の組織というコモンセンス(パラダイム)」
「自分の業界というコモンセンス(パラダイム」
「日本の企業というコモンセンス(パラダイム)」


から一つ意識を拡げて、

「大きな共同体の声を聞く」

という発想で考えてみると、
既存の考え方や、他人の考え方、組織の考え方に縛られ過ぎず、
自由な気持ちで、新しい発想で日々取り組めるのかもしれませんね。


■今日のお話は、

・「大きな共同体の声を聞け」という言葉がある。

・共同体(組織)にはコモンセンス(共通感覚)があり、
 それに縛られるから、人は悩む。
 
・だが、「当たり前」は、いつの時代も「当たり前」とは限らない。
 場所、文化、時代によっても変わる。

・だとするならば、そんな不確定な「当たり前」に思い悩むのではなく、
 「他の当たり前もある」という前提で考えてみてはどうか。
 
・そうすれば、他人の考え方、既存の考え方、組織の考え方と
 葛藤が起こった場合でも、自由な気持ちで考え、行動ができるのではないか。
 
という内容でした。


今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 人類への信頼を失ってはならない。
人類は海のようなものである。
たとえ海の中の数滴が汚れていても、
海全体は汚れない。

            マハトマ・ガンディー

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