より大きな共同体の声を聞け
■おはようございます。紀藤です。
先日もAmazonで買った、
アドラーに関する新しい本が届きました。
私は本が好きで、
それなりに読んでいるつもりですが、
これくらいメガヒットは本当に久しぶりです。
読みやすいけど、じっくり読むと、とても深い。
そんな本に出会えると、とても嬉しくなります。
というわけで、今日は(も?)
アドラーに関する書籍『嫌われる勇気』から、
印象に残った言葉をひとつ、ご紹介したいと思います。
■さて、印象に残った言葉とは、
【より大きな共同体の声を聞け】
というフレーズ。
これが、「対人関係」に想いを馳せがちな私に、
気づきを与えてくれました。
ちなみに、前提として、アドラー心理学では
「対人関係」の悩みが全て、としています。
だから人は、
「所属感が持てないとき」(居場所がない、と感じるとき)
に悩む、といいます。
その時にヒントになる言葉の一つが、
「より大きな共同体の声を聞け」という概念です。
■少しご説明させて頂きますと、
まず、アドラーは
”どんな共同体(=組織)にもそこに通じる
「コモンセンス」(=共通感覚)がある”
と言います。
ある学校では、先生が絶対。
だから、たとえ先生が理不尽だったとしても
生徒は誰も逆らえない。
そんな感覚も、学校という組織のコモンセンス。
しかしながら、一度学校の外に出たら、
「先生が絶対」という「コモンセンス」は通用しなくなります。
私の例ですと、
私が新入社員で勤めていた会社は
朝10:00~夜0:00まで働き、
「仕事こそすべて、仕事こそ人生」が組織の「コモンセンス」でした。
しかし、一度その組織の外に出たら、
「それっておかしくない?!」と
親族、友人共々、口々に言われるのです。
外に出れば、その組織の「コモンセンス」は、
当たり前などではなく、むしろ少数派だったわけです。
■だからもし「対人関係の軋轢」に悩み、
「居場所がない」と感じていることがあれば、
自分が「組織の当たり前に合わせよう」
と思い悩む前に、
”「組織の当たり前」は当たり前ではないかもしれない”
と考えることが、大切な概念である、
そんな話を伝えていました。
■「7つの習慣」では、
”物の見方は人それぞれ違う”
という事実を、
「パラダイム」という言葉を使って説明しています。
人の物の見方は、
生い立ち、経験、環境によってつくられます。
これは人の集まりである、組織でも同様です。
だから、ある組織では「正しい」とされることが
ある組織では「間違っている」とされることも起こるわけです。
しかしながら時代に応じて、
”働き方の「当たり前」”
”組織の「当たり前」”
は変わり続けています。
であるならば、先ほどにご紹介した、
「自分の組織というコモンセンス(パラダイム)」
「自分の業界というコモンセンス(パラダイム」
「日本の企業というコモンセンス(パラダイム)」
から一つ意識を拡げて、
「大きな共同体の声を聞く」
という発想で考えてみると、
既存の考え方や、他人の考え方、組織の考え方に縛られ過ぎず、
自由な気持ちで、新しい発想で日々取り組めるのかもしれませんね。
■今日のお話は、
・「大きな共同体の声を聞け」という言葉がある。
・共同体(組織)にはコモンセンス(共通感覚)があり、
それに縛られるから、人は悩む。
・だが、「当たり前」は、いつの時代も「当たり前」とは限らない。
場所、文化、時代によっても変わる。
・だとするならば、そんな不確定な「当たり前」に思い悩むのではなく、
「他の当たり前もある」という前提で考えてみてはどうか。
・そうすれば、他人の考え方、既存の考え方、組織の考え方と
葛藤が起こった場合でも、自由な気持ちで考え、行動ができるのではないか。
という内容でした。
今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。