黄金の奴隷たるなかれ
■おはようございます。
最近、百田尚樹さんの小説にはまって、
毎晩胸を熱くしている紀藤です。
百田尚樹さんと言えば今映画公開中の『永遠の0』。
私もこの本を1、2年前に読んで、
あまりに感銘を受けたため、
「特攻の街 知覧」まで観光に行ってしまいました。
ちなみに今読んでいるのは、『海賊とよばれた男』。
これも例にもれず、素晴らしい作品です。
今日はその『海賊と呼ばれた男』の中で
非常に感銘を受けた言葉がありましたので、
そちらを共有したいと思います。
■ご存知の方も多いと思いますが、
『海賊とよばれた男』は出光興産をモデルにした、
史実に基づいたストーリーです。
何度も絶体絶命のピンチを迎えながら、
それでも乗り越えていく男たちの姿を見ると、
涙なくしては読めません。
詳細はネタバレになるので控えますが、
そんなピンチ中で、主人公の国岡鐡造が、
従業員に対して口にするセリフがありました。
それは
【黄金の奴隷たるなかれ】
という言葉。
戦前戦後のお金も資源もない中では、
人よりも金が偉く、金さえあれば、という時代だったそうです。
ですが、国岡氏は、
”「これをやれば、お金が手に入る」
ということがあったとしても、
決して人が金だけのために働く、
金の奴隷のような働き方はしてはならない。
会社は事業を目標にするべきで、
金を、目標をしてはならない。
そして、どんな時でも全体の利益を考えて、
【商いの原則】に則った行動をするべし。”
そんなことを語っていました。
■この話は、現代にも通ずることがあるように思いました。
私達は資本主義社会で生きていて、
お金があれば多くの機会を得られますし、
欲しいものも手に入れることができます。
しかしながら、
「お金のためだけ」の人生にしてしまうと、
必ずしも充実した人生になるとは限らない。
このことについて『7つの習慣』の著者
スティーブン・R・コヴィー博士も述べています。
・家族 ・仕事 ・遊び
・友人 ・お金 ・宗教
などなど、人生には色々な視点がありますが、
コヴィー博士は
「原則を中心にした人生にすること」
が自分の安定性を高め、
冷静な判断力と日々の安定性、
充実した人生をもたらしてくれる、
と述べています。
【商いの原則】が「お客様のためになることをする」、
「利益だけを追求すると上手くいかない」
「人をだましてはいけない」などのように
【人生の原則】とは「自分の人生に責任を持つこと」
「自分の価値観に従うこと」「人と協力すること」
などの、ごく当たり前だけど大切なことを言います。
■少し抽象的な話にはなりましたが、
先ほどの国岡鐡造の言葉、
またコヴィー博士の言葉から強く思うのが、
【そもそもの、自分の人生の目的は何なのか】
という「自分の軸」を考え、
目の前の部分的なことに縛られ過ぎないこと、
言い換えれば、バランスを考えることが大切なのではないか、
と強く思うのです。
私たちの多くは、そんなに強くありません。
だからどうしても目の前の利益や、
短期的な事象に流されて、
つい大切なことを見失いがちになってしまうこともあります。
だからこそ、国岡氏が
「黄金の奴隷たるなかれ」
という言葉のように、自分の中に確固たる信念を掲げ、
それに則った生き方をする「軸」を考えることで
荒波のような現代を、安定して生きるヒントになるのでは、
と思う次第です。
■今日のお話は、
・『海賊とよばれた男』の中で主人公:国岡鐡造はこう語った。
「黄金の奴隷たるなかれ」。
・お金は物凄く大切だが、お金のためだけに仕事をしてはならぬ。
商いの原則に従い、事業を目標として仕事をしなければならない。
・このことは人の人生にも同じことが当てはまるのではないか。
「お金」「遊び」「友人」「宗教」、様々な要素があるが、
部分的なことにフォーカスをして、大切なことを見失ってしまうと、
バランスを欠いてしまい、充実した人生にはならないのでは。
・充実した人生を送るためには「原則」に則った生き方の中心を持つことが大切。
それは「自分の価値観」を見直したり、
「自分の軸となる信念(ミッション)」を持つことであると言える。
・そうすることで、安定性を持ったぶれない生き方のヒントになるのではないか。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。