「クラブ・メンタリティ(蟹の精神)」にご注意
■おはようございます。紀藤です。
本日は本年度一番の寒い日だそうです。
外出される時はくれぐれもお気を付け下さいね。
さて、今日もフィリピンのお話を引き続き。
明日で「フィリピン編」は一旦終了したいと思います。
本日のテーマは「フィリピンの良い所、悪い所」について。
■ちなみに、本題に入る前に、
フィリピンの英語学校の授業について
少しお伝えしたいと思います。
フィリピンの授業では
一般的な授業は一通りあるのですが、
私の言っていた学校では「特にスピーキングを伸ばす」
ことを重視していました。
(リスニングなどは、母国語がタガログ語なので、
先生によっては「タガリッシュ」という訛りのある発音の人もいるため、
あまり期待はできないと思いました)
ちなみに、スピーキングが上手にするためには、
「色々なことを話そうとすること」、
だそうです。
例えば、
「代理母(子供のできない夫婦の代わりに子供を産む)をどう思うか」
「もし自分が冤罪で捕まって、6歳の子供がいたとしたら、なんと伝えるか」
などなどが授業のディベートの内容に含まれていました。
難しいのですが、非常に勉強になります。
もし興味がある方がいれば、ぜひ考えてみて下さいね。
■と、前置きはここまでにして、
その授業の中で、担当の先生であるピーター先生に、
「フィリピン人の良いところ、悪いところは何だと思いますか?」
という質問をしてみました。
すると帰ってきた答えは、
「良いところは常に笑顔で、楽観的でいようとするところかな。
皆、笑顔でフレンドリーだから、すぐ仲良くなれるよ!」
そして、
「・・・ただ、悪いところは一部の人が
【クラブ・メンタリティ(蟹の精神)】を持っているところかなあ」
と言いました。
ピーター先生によると、
「クラブ・メンタリティ」とは
水槽にいる蟹が、同じ水槽にいるある蟹が外に出ようとするとき、
自分のハサミでその蟹を中に引き戻そうとするような精神、
だそうです。
つまり、誰かが抜きんでることを恐れ、
特にチャンスをつかもうとするとき、
良い方向に進もうとするとき、変化を恐れ、
それを引き留めたり、極端にいえば邪魔をしてしまう、
とピーター先生は言っていました。
(あくまでも、ピーター先生の意見なので、
フィリピン人が皆そうである、とは限りません。念のため。)
■とはいえ、このような精神は、
フィリピンだけでなく、実はどの国、場所でも存在しているように思います。
「7つの習慣」ではこれに似た表現で、
【豊かさマインド vs 欠乏マインド】
という言葉をご紹介しています。
人はより大きなことを成し遂げようとするのであれば、
「協力すること」が不可欠となってきます。
そんな時に「相手が前進することは、自分にもプラスであること」
と思えるかどうかが、協力の力を束ねるための鍵となります。
相手の幸せが、自分の幸せにつながると思えれば(=豊かさマインド)
協力する力も増大しますし、逆に、
相手が幸せになると、自分の取り分が減る(=欠乏マインド)
となれば協力することも、応援することもできません。
そして、「7つの習慣」では、
自分自身のためにも、周りの繁栄のためにも、
「豊かさマインド」が重要である、と伝えています。
しかしながら、ピーター先生が言っていた
「クラブ・メンタリティ」とは、ここでいう
「欠乏マインド」に非常に近い、そんなことを感じました。
■では、「欠乏マインド」から「豊かさマインド」になるためにはどうすればよいか。
そのためには、
【自分自身が自立をしなければならない】
と『7つの習慣』の著者・スティーブン・R・コヴィー氏は言います。
自立とはすなわち、
1、自分自身の人生に責任を持つこと(自分で選択する)
2、自分の人生の目的を知ること(自分のビジョンを持つ)
3、自分のビジョンを誠実に、実行すること(誠実に、実行し続ける)
ということです。
人は感情の生き物なので、
「嫉妬」「やきもち」などもひとつの自然な気持ちだと思います。
ですから完全に取り払うことは難しいかもしれません。
でも、その感情に振り回されて、
「外に出ようとする蟹」を中に戻そうと躍起になるより、
「自分も外に出よう」とか「中の蟹と楽しく仲良くやろう」などに、
意識を向けた方が、きっと人生も楽しいものでしょう。
「クラブ・メンタリティ」になっていないか、
日々気を付けたいものですね。
■今日のお話は、
・ピーター先生は言った。
(一部の)フィリピン人の悪いところは、
「クラブ・メンタリティ」を持っているところだ。
それは、他人が抜きんでること、前進することを恐れる精神。
・7つの習慣には「豊かさマインド」「欠乏マインド」というものがある。
そして、人がより大きく成長するためには、「豊かさマインド」が大切である。
人の成功に願えず、嫉妬・やきもちの感情にとらわれ過ぎてしまうことは
「欠乏マインド」であると言える。
・しかしながら、人の行動に気を取られていても、
自分の人生は良くなるわけではない。
であるならば、そのような「クラブ・メンタリティ」(≒欠乏マインド)
に力を注ぐよりも、自分も相手も幸せになれる考え方に力を注いだ方が、
よほど生産的なのではないか。
という内容でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。