「はだしのゲン」が見せてくれた人格主義
■おはようございます。紀藤です。
最近、太平洋戦争時のことがやたらと目につくこの頃。
先日、「風立ちぬ」を見てきましたが、
これも零戦の開発者のストーリーです。
こんな世の中だからこそ、
自分たちの歴史を振り返りたくなるのかもしれません。
■そんな折、書店で
「はだしのゲン」が売っていました。
小学校の頃読んだことがありますが、
何だかすごく生々しかったという記憶があるだけで
正直良く覚えていません。
そんなわけで、久しぶりに読んでみることにしました。
結果、当時わからなかったことも含めて、
多々考えさせられることがありましたので、
今日はそのお話を共有したいと思います。
■ちなみにご存知かと思いますが、
「はだしのゲン」は、広島原爆の話を描いた有名な漫画です。
原爆のすさまじさが生々しく描かれることはもとより、
その当時の日本がどんな環境だったのかということにも、
ストーリーを通じて語られていきます。
「はだしのゲン」の冒頭は、
ゲンのお父さんと、ゲンが「非国民」と
呼ばれているところから始まります。
お父さんが戦争に反対して警察に捕まり、
そんな時、ゲンに言います。
”ゲン、いまに父ちゃんがいったことが
正しいとわかるときがくる。
戦争で何もかも押さえつけられるこんな暗い世の中は
もう終わりにしなきゃいけんのだ・・・”
■その後、ピカドン(原爆)により、
家族を亡くしたゲンに待ち受ける様々な苦難。
原爆症に、食事もとれず栄養失調でなくなる人々。
そんな状況で、人々は自分のことだけで精一杯になり、
裏切り、嘘、不親切、争いなど、
人間の嫌な部分をたくさん見ることになります。
原爆前には慕われていたある家庭のおじさんが、
被爆で重傷を負って、ひどい姿になり、
その家族がひどい仕打ちをして見捨てようとする際に、
”お、おどれらどこまでつめたいんじゃ!
どうして最後の願いすら聞いてやれないんじゃ。
だから誠治は、死んでも死にきれないんじゃ。
わ、わしゃ、おまえらには がまんできんわい・・・
あきれてものもいえんわい・・・”
と、その家族からもらっている
自分の仕事がなくなることもいとわず、
ゲンは厳しい一言を言い放ちます。
■ゲンは、お金がなくても、ひもじい状況でも、
常に目の前に起こることに対して、
「自分の中にある正しい答え」
に従って、行動を選択していました。
困った人がいたら、助ける。
受けた恩は忘れない。
見た目や国籍で判断しない。
父が言った言葉、
”ゲン、自分が正しいと思ったことは、
決して安っぽくまげちゃいけんぞ!”
というメッセージを受け止め、
自分の中の答えに従うゲン。
それは、当時の警察や政府が何と言おうと、
絶対に変わらない強いものでした。
そんな姿に、私はとても感銘をうけました。
(はだしのゲンが、こんなに素晴らしい人物だったとは…)
■今までも歴史が変わり、
時の権力者が変わるとそれに従い、
今まで「当たり前」と言われてきたことが
どんどん変わっていきました。
士農工商の階級制度しかり、
戦争時の自国に対しての見方もしかり。
「はだしのゲン」を始め、
当時の話で語られていることによると、
戦争中に教えられていたことは、
戦争が終わると「それは間違いだった」と
一遍して伝えられたと言われたそうです。
昨日まで正しかったことが、
正しいことでなくなる。
私は当時を想像することしかできませんが、
とてもショックな出来事だったと思います。
■今でも、
当たり前と言われていることは、
たくさんたくさんあります。
しかしながら、
歴史が変わり、環境が変わっていく中で、
その都度、答えが変わるようなものは、
私は本質的な事ではないように感じます。
そう考えると、ゲンが貫き通した、
・人への優しさ、
・思いやり、
・正義の心
・勇気
というものこそ、
いつの時代も、国を超えて人の心を動かし、
誰もが素晴らしいと思える物だと思いますし、
そんな「人格」の強さこそ、普遍的な真実なのではないかと思います。
■8月30日に、17年ぶりに、
『7つの習慣』が21世紀版の完訳として出版をされます。
よりコヴィー博士が書かれた原文に忠実に、
その魅力を余すことなく伝えるべく、改めて訳されたものです。
そして、そのタイトルは、
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
と命名されています。
先ほどお伝えしたように、
いつの時代も変わらない大切なことは確かにあると思いますし、
それこそが「人格」にあるのではないでしょうか。
今のような恵まれた時代だからこそ
「人格」と呼ばれる本質が何なのか、
今一度向き合ってみることが、
価値があることなのではないかと思う次第です。
まだまだ未熟な私も改めて、
自分を振り返ろうと思った夏の一日でした。
■今日のお話は、
・人は、過酷な環境になると裏切り、不親切、嘘など
エゴと言われる部分が出がちである。
・そんな中、はだしのゲンは自分の信じる道を貫いた。
・それは当時言われていた他の国を倒す、ということでなく、
目の前の人に親切にする、勇気を持つ、信念を持つ、など
いつの時代も共通すること。
・歴史では、常に言われていることは変わり続けるが、
変わるということは、本質ではないのではないか。
・逆に、時代を超えて美しいと思えるゲンの心のような
「人格」こそ、大切にすべきものではないだろうか。
・そして「人格」をテーマにした、人生哲学の金字塔
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』 が8月30日に発売。
という内容でした。
本日も皆様にとって良い一週間になりますように。