成功体験が、あなたを失敗させる
■おはようございます。紀藤です。
先日、私にとっては少し驚きのニュースがありました。
皆さまもご存知かと思いますが、
「ANAがエアアジアとの提携を解消した」というニュースです。
(ANAは、自社のピーチというブランド以外に、
エアアジアとの提携でLCCの拡大に力を入れていました)
何が驚きかというと、
私は、エアアジアがとても好きで、
LCC(格安航空)の筆頭として、むしろ伸びているのでは、
くらいに思っていたからです。
(感覚だけで、調べてはいませんでしたが)
■何度か乗ったことがあるのですが、
格安航空ではあるものの、乗客を楽しませようとする工夫や、
ルールにとらわれない自由な空気が魅力でした。
そして、値段もなかなかのもの。
韓国まで片道8000円。
2泊3日の海外旅行が、宿代込みで3万円で収まりました。
私、個人としては満足していました。
■しかし、実際は違ったようです。
LCCの生命線とも言われる搭乗率は、
就航直後は84%で好調だったものの、
最近は約半分の50%台にまで落ち込んでいたそう。
顧客の評価も、私が先に述べていたことよりも、
「インターネット予約が使いづらい」
「チェック項目が多すぎてわかりづらい」
「電話で問い合わせても、英語のみで困る」
などの厳しい意見が多数あったようです。
元々、エアアジア自体は東南アジアでは成功をしており、
格安航空としては世界最大級の実績を誇る会社。
ですが、日本での結果は、
今回のニュースの通りです。
■「エアアジアの経営手法が良い、悪い」ということを
論じるつもりはありませんし、本当のところもわかりません。
ここで、私が強く思ったことは、
「人によって、見方が違う」
という事実があるということです。
そしてなぜだか、「他の人もそう思っているだろう」と、
当然のように思ってしまっていたことに小さなショックを受けました。
私に関していえば、使っていてインターネットの使い勝手の悪さはさほど気になりませんでしたし、
「むしろLCCは安くてナンボだろう」という視点で見ていました。
ですから、周りの人もそうだろう、と無意識に感じていました。
しかし、インターネットでつぶやいていたある方は、
「あんなに使いづらいサイトでは二度と利用しようと思わない」
とおっしゃっていました。きっとその方が大切にしていることは、私とは違っていたのでしょう。
■『7つの習慣』では、「パラダイム」という言葉が何度も登場します。
「パラダイム」とは、物の見方のこと。
人は、何かを判断するとき、決定するとき、感じる時、
様々なシーンで自分自身の「色眼鏡」をかけて物事を見ています。
パラダイムは、生い立ち、環境や経験などによって条件づけされます。
同じ経験や知識を持つ人は、自分以外存在しないので、
当然ながら同じパラダイムを持つ人はいません。
同じ景色を見ているつもりでも、
「自分」という窓から覗いている景色と、
「Aさん」という窓から除いた景色では、
見えるものが全く違っているということが、必然的に起こりうるのです。
意識をしなければ、そのことにすら、気付かないかもしれません。
■昨今のビジネス環境でも言われているように、
世の中は「多様化」がますます進んでいます。
そして、様々な価値観の中で働くこと求められています。
サービスや提供する商品、ミーティングのやり方まで、
今までも「当たり前」が通用しなくなってきている時代と言えそうです。
しかし、そんな中、もし自分の「パラダイム」は正しい、
と思い続けていると、どんなことが起こるのでしょうか。
「この地域で成功したから、こちらでもうまくいくはず」
「以前はこのやり方で成果が出た。だからちゃんと行動すれば結果がでるはずだ」
実は周りから求められているものは違うのに、
自分のやり方に固執してしまっていることで、上手くいかないということが起こっているのかもしれません。
もしかすると、あなた自身の「成功体験」によってできたパラダイムが、
あなたの今の成功の足かせになっている可能性があるのかもしれませんね。
■自分にとっての答えは、本当に皆にとっての真実か。
自分が良いと思うことは、本当に皆が求めていることなのか。
パラダイムが人によって違うことは、事実。
大切なことは、その存在を意識して、常に一歩立ち止まって考えてみること。
そうすることで違った見方ができ、より良い結果を生み出すきっかけになるかもしれませんね。
■今日のお話は、
・意識をしないでいると、自分の考えが正しいように思いがち。
・しかし、人によって物の見方が違う。大切にしていることも違う。
・このようにパラダイムが違うことは、事実として存在する。
・重要なことは「自分の見方が全て」と思いこまないこと。
・そうすることで成功体験にとらわれ、失敗を繰り返す、という事態にならないのでは。
という内容でした。
今日も皆様にとってよい一日なりますように。