本を読むと、争いがなくなる論
■おはようございます。紀藤です。
先日、弊社から新しい書籍が出版されたとお伝え致しました。
(「戦略を実行できる組織、出来ない組織」)
私は、本を読むのが比較的好きなのですが、
仕事でお付き合いのある本屋を経営している社長さんから、
本についての、興味深い話を聞きました。
それは「本屋がある意義」についてです。
今日はそのお話を共有いたします。
■その社長曰く、
「本が発達していないコミュニティでは、争いが起こり続ける」
そうです。
むしろ、極論を言ってしまえば「本があることで争いがなくなる」(!?)
というのが彼の説でした。
(ちなみにここでは特に、「文明が発達していない村」を想定して話をしていました)
■理由は、「過去のあやまちを学ぶことができるから」。
文明が未発達なコミュニティにおいて、
長老から代々引き継がれている逸話、
例えば「隣村の〇〇族は悪魔の民だ」などという事実かどうか分からない理由で
戦争を繰り返してきた民族は、少なからず存在していたそうです。
しかし、「長老がいったから」といっても、
人づての話は明確な理由がなく、事実は何世代もへることによって
婉曲して伝わってしまうことがどうしても起こります。
■そんな中、本が出来るとどうなるか。
それは、「歴史を記す」ことになります。
「何故その争いが起きたのか」
「そこから学ぶことは何なのか」
ということを、
同じ戦争をせずとも、学ぶことができるようになります。
「本」があることで、歴史を学べる。
すなわち、歴史を知れば、過ちを繰りかえさずに済む、いわゆる
『愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ』
by オットー・フォン・ビスマルク(初代ドイツ帝国宰相)
と、言われることです。
■そして、本屋の社長は続けます。
「より多くの人が歴史を学び、多くの真実を知る機会を作ることが争いを失くす。
つまり、それは本を普及させること。「本屋」が身近にあることである」
加えて、
「本屋に行って、「何気なく手に取る」という偶然の出会いが、人の関心を広げ、
より人生を豊かにする。それはネットではできない。
だから、リアル書店は必要なのだ」
と熱く語っていました。
(現在、本屋の現状は大型店を含め、決して明るいとは言えないそうです。
ネットの普及によって小規模の本屋はどんどん潰れているという事実を
先に述べたお話と絡めて、憂いていました。)
■本が、実際にどこまで戦争と関係があるのかはわかりません。
どちらにせよ、私はこの話に深く共感しました。
本は、小説であれば別の人生を想像する機会になりますし、
ビジネス書であれば、ある人が一生かけて蓄積したノウハウを
1000円程度で学ぶことができます。
弊社もキングベアー出版という、出版部門を持っており、
『7つの習慣』を始めとした数々の書籍を提供しています。
『7つの習慣』という書籍は、コヴィー博士がアメリカの建国200年記念に、
過去の偉人、賢人の自伝や人生を数百冊にわたって分析し、
「仕事、プライベートなど人生全般の全てにおいて成果を残すために、何を大切にしてきたのか」
をまとめあげた書籍です。
それを読むということは言わば、前人が培ってきた
「歴史や知恵を学ぶこと」とも、言えるのではないかと思うのです。
■ちなみに、「新しい知識を学ぶ大切さ」について補足ですが、
『7つの習慣』では、人生をより良いものにするために、
最も大切な習慣「第一の習慣 主体性を発揮する」において、
「関心を持つこと」(興味を持つ=本屋で何気なく手に取る)の意味についても触れています。
効果的な人生を送るために大切なことは、
自分が影響を与えられる「影響の輪」に集中することが何より大切です。
そして、「影響の輪」(影響できること)は
「関心の輪」(関心を持っていること)の中にあります。
自分の影響力を高めるためには、
「自分が影響できることに集中すること」が最も重要なことは先に述べたとおり。
ですが、それは同時に「自分が関心を持っていること」にも関係しています。
■『7つの習慣』を始めとしたいくつかの書籍(特に良書)はボリュームが多く、
「読み切るのはハードルが高い」と耳にすることがあります。
しかし、本屋を歩いていて見つけた良さそうな本や、
誰かに進められて気になった本、
または気になったイベントや映画なども含めて、
「いいかもしれない」
と思ったことは、積極的に触れていき自分自身の「関心の輪」も広げていくと、
視野も広がり、その結果「影響の輪」が及ぼす範囲も広がり、
人生の選択肢もより多くなるかもしれません。
■色々と話題が広がりましたが、要約すると、
・身の回りのあらゆることに関心を持つこと。
・歴史など、今までの人が経験したことを学ぶのに本は最も適している。
・歴史や知恵を学ぶと、賢くなり、成長することはもとより、あやまちを繰り返さなくなる。
・結果、争いもなくなるのでは。
というお話でした。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。