注文住宅企業に学ぶ「信頼性」 ~意図~
■おはようございます。紀藤です。
4月は季節の変わり目であり、一つの節目。
そんなこともあり、私は来月引っ越しをすることになりました。
(今のアパートは、上の人のいびきが聞こえるほど壁が薄いのです・・・)
賃貸ではありますが、新しい環境は楽しみです。
そんな中、先日「家」に関するエピソードで
とても感銘を受けた出来事がありましたので、
本日はそのお話を共有させて頂きます。
■先日とある注文住宅を手がけている企業様に伺いました。
「7つの習慣」を研修として導入頂いている企業様です。
企業理念を、
「家を買うことでなく、家を通じて幸せになること」と明言されており、
仕事以外の地域活動も含め、とても素晴らしい考え・行動をされていらっしゃる企業様。
人事の担当者様に、会社の歴史を伺ったのですが、
社長様のポリシーに、私は強く感銘を受けました。
その社長様は今まで4社ほどの会社を経験されてきたそうです。
その中で見た現実は、
・ゴネた人が安くなる、
・お客様から頂いた利益が必要以上の広告費などに使われている、
・いい人が損をする、
など、多くの矛盾に溢れたものだったそうです。
ですから、
「いい人が損をしない家づくりをしたい。皆が公平で満足頂ける家を創りたい」
という強い想いを持ち、
会社を立ち上げられたとのことでした。
■社長のポリシーは以下のように続きます。
「家は出来るだけ安くして、ローンも少なくしてほしい。
そのお金で、かわりに想い出を作って欲しい」
そんな想いで、業者さんに月一の仕入れの価格交渉。
豪華なチラシも作らず、お金がかかるショールームにも展示をしない。
社長自身、接待のゴルフには決して行かず、細かい経費も全て自腹で払う。
数十円単位まで切り捨てず、振込手数料もお客様に負担頂く。
営業も、買って頂いたお客様に集中するため、無駄な訪問はしない。
その浮いたコストで、一円でも安く、最高の注文住宅を提供する。
そして、利益は将来のお客様のためだけに使う。
また最初の注文住宅は、社長自身の自宅。
結果、家の寸法など全くダメで、とても満足できる家でないものが出来上がってしまったときも、
「自分の家でよかった。自分の家は住めれば何でもよいし、悪いところがわかった。
お客様だったら、取り返しがつかなかった。」
と仰られたとのことです。
(私だったら自分の家が「失敗でよい」とはとても言えないです・・・)
■企業にはたくさんの思いや考えがあるため、
正解の数もそれだけあり、全てがこうあるべきとは思いません。
しかし、私は社長自身の真っ直ぐで、
いい家を提供したいという、誠実な意図が
担当者様のお話を通じて十分に伝わってきました。
そして、そのDNAを受け継がれている社風も、お話をしていて感じました。
ショールームを見たわけではありませんし、
商品の細かい説明を聞いたわけでもありません。
でも、もし家を買う機会があるのであれば「ぜひ相談したい」と思いました。
私はこの企業様を、担当者様の会社のお話を通して、
1時間弱で「信頼」していました。
■信頼についての書籍、
米ベストセラー「スピード・オブ・トラスト」においても、
『信頼性』とは「誠実さ」「意図」「結果」「力量」の4つの核でできていると述べています。
「結果」「力量」は、実績やスキルという目に見える部分。
そして「誠実さ」「意図」は、どんな思惑、動機で行動をしているのかという目に見えない部分です。
上記のエピソードでいえば、信頼を形作るものは、
「どんな家を作ることができるか(結果・力量)」だけでなく、
「どんな想いで家を作っているのか(意図・結果)」も重要だということ。
なぜパンフレットを作らないのか、
なぜ顧客訪問はせず、ショールームへ来て頂くのか、
なぜ最初の家が社長だったのか。
その「意図」は、お客様により喜んでもらいたい、
という純粋なものでした。
私はきっと、その「意図」に心動かされ、
この企業様のことを短い時間で好きになってしまったのかもしれません。
この企業様への注文は、口コミを通じてがとても多いそうです。
社員や大工さんも、こちらの自分たちの会社で契約をされるとのこと。
それくらい、自分たちの商品に誇りを持っているのです。
(ギリギリの価格である、と社員の方自身が理解しているため、
社割という制度はありません。それでも一番良いと皆が自負されているそうです)
「信頼」とは目に見えないものですが、確かにあるもの。
思惑や動機も、目に見えませんが、確かに伝わるものです。
何を目的として行動するのか、
決して忘れてはいけないキーワードだと改めて感じさせられました。
私も、つい目先の欲に負けてしまいそうになりますが、
初心を大切に、純粋な気持ちで頑張りたいと思った所存です。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。