「トリムタブ」になった格安航空機のお兄さん
■おはようございます。紀藤です。
昨日は韓国フルマラソンのエピソードをお伝えいたしましたが、
メールをお送りしている皆さまの中で、
同じように走られている方もいらっしゃり、嬉しい共有などを頂きました。
些細なことでもメッセージや、ご感想、ご共有などを頂けると、
私自身大変刺激になります。
この場を借りて改めて、御礼申し上げます。
ありがとうございます!
■さて本日も、韓国の旅路での気付きを共有致します。
私はLCC(格安航空)で韓国・釜山に往復でいったのですが、
(なんと往復チケットで1万6000円でした 驚)
その復路の乗務員のお兄さんから、感銘を受けた出来事がありました。
乗務員のお兄さんは、恐らく年齢は30歳位でしょうか。
髪の毛は金髪で、髪型はかなり個性的なソフトモヒカンのようなスタイル。
日本語も英語も流暢で、恐らく韓国の方だと思います。
パッと見でも、日本の航空会社の乗務員とは違ったスタイルでした。
若いようでしたが役職は「チーフ」として、
他4名のCAの女性スタッフを束ねているように見えました。
■乗客が席につき、飛行機が動き始めました。
そして、よくある「フライトの注意点」が
チーフのお兄さんより読み始められました。
「ようこそ、皆様。
私たちの航空機をお選びいただき、誠にありがとうございます。
今回の空の旅は、一風変わった私たち4名が皆様の御供いたします。
まず、後方をご覧ください。
彼女は〇〇さん。見た目はキレイなのですが、
休日は一人でビールを飲むのが大好きです。
その際のおつまみは「さきイカ」派です。
真ん中に控えるのは、九州出身の△△さん。
性格は九州男児のような、とても頼もしい彼女です。
頼られると喜ぶので、お困りの際はどしどしお声かけください。」
■何か今までの飛行機と違うぞ・・・と、
普通と大分違った様子を帯びてきました。
皆、クスクス笑っています。
でも、何となく暖かい雰囲気です。
「・・・(中略)
お気に入りの乗務員がいらっしゃった際は、
ぜひその者を名指しでご指名ください。喜んで参ります。
ただ、「直接声をかけるのは恥ずかしい・・・」
そんな方のために朗報があります。
頭上をご覧くださいませ。
「乗務員呼び出しボタン」がございます。
ちょうどお気に入りの乗務員が通ったタイミングで、
さりげなく押して頂ければ、最寄りの乗務員が飛んでまいります。
このような一風変わった乗務員ですが、
皆さまの快適な旅のために精一杯、力を尽くしてまいります。
ぜひ広い心で見守って頂ければ幸いです。
それでは、約2時間の空の旅を楽しんで下さい。
よろしくお願いいたします。」
■一通り、チーフのお兄さんが話し終わると、拍手がおこりました。
飛行機に乗っていて、乗務員のお話で拍手がおこるのを聞くのは初めてです。
そして、2時間後、降りる前のアナウンスで、
次のような内容を、チーフのお兄さんは話しました。
「皆さま、お疲れ様でした。
フライトはいかがでしたでしょうか。
さて、私共は到着から1時間後、折り返しソウルへ向けて、
新しいお客様をお迎えして飛び立ちます。
そこでお願いがございます。
前の座席のシート、または足元にあるゴミはそのままにせず、
入口付近におります乗務員にお渡し頂けませんでしょうか。
もしそうしていただけるのであれば、私共は大変嬉しいです。
最後までありがとうございました。」
周りを見渡したところ、皆ゴミを拾って、
入口の乗務員のお姉さんに渡しているようでした。
■これを聞いて、『トリムタブ』というキーワードを思い出しました。
※トリムタブとは、
船舶工学の専門用語で、「小さな舵」を意味します。
とても小さな舵が少し動くことで、
大きな流れの変化を作り、それが巨大な船舶を動かします。
その意を受けて、コヴィー博士は、
一人の起こした小さなことが、大きな影響を与えることを
「トリムタブになる」と言っています。
■往路も同じ会社の飛行機に乗りましたが、
このようなサービスは、帰りの飛行機だけでした。
こうした「一風変わった」サービスが、誰が発案なのかはわかりません。
しかし、楽しそうに、気持ちを込めて呼んでいる姿を見ると、
きっとチーフのお兄さん自身が、自ら考えて行動したように思えます。
恐らく、出発前と帰りの一言は「小さなこと」かもしれません。
普通にやっていても、乗客は特に不満はないと思います。
むしろ、今までのやり方を変えることは
「勇気」が必要と言えるかもしれません。
そんな中で、「楽しいフライトを提供したい」という思いで、
このようなコミカルで、拍手が起こるような親しみが起こるトークを考えた人は、
小さな工夫から、お客様の新鮮な体験と、拍手いう感動、
(そしてお客さんが自らゴミを片づける関係)という結果を生み出しました。
そして、この事実を私のような人が口コミで伝えたら、
顧客満足度が上がり、大きく利益があがるかもしれません。
または、新しいサービスの基準になり、航空業界のイノベーションに繋がるかもしれません。
(このあたりは、私の勝手なイメージですが、可能性はあるかもしれません)
そうなる可能性を秘めたお兄さんの行動は、
『トリムタブ』になった、と言えるのではないでしょうか。
■こうしたチャンスは、私たちの仕事・私生活においても多々あるように感じます。
7つの習慣において、
「第一の習慣 主体性を発揮する」でも語られるように、
自分が影響を与えられる「影響の輪」に集中することで、
大きなプラスの影響を作り出していけたら素晴らしいですね。
(私も一日ひとつ、頑張りたいと思います)
皆さまのご参考になれば幸いです。
今日も皆さまにとって良い一日になりますように。