今週の一冊(番外編)『こころ』
(本日のお話 1854字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに夕方からはカフェで読書など。
夏目漱石の『こころ』を初めて読んだのですが、
衝撃を受けており、未だ興奮覚めません。
ぜひ皆様にもこの本の魅力を分かち合いたい、
と思いましたので、本日はいつも日曜日に書いている「今週の一冊」を、
夏休み特別編として、ご共有させていただきたいと思います。
ということで、
今週の一冊(夏休み特別編)は、
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『こころ』(著:夏目 漱石)
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です。
◼︎「夏目漱石」。
誰もが知る、
日本を代表する小説家ですね。
しかしながら、皆様も
小学生、中学生のときに国語の授業で一部読んだきり。
それから特に興味を持つことなく、今に至る、、、
という方も、実は少なくないかもしれません。
(私がそうでした、、、)
しかし、いざ大人になった今、
夏目漱石の著書を読んでみると、
そのすごさに思わず、溜息を漏らすほどでした。
ただただ、すごいんです。
◼︎そんな、夏目漱石の代表作『こころ』。
1914年、今から100年以上前に書かれた小説です。
時代背景は、明治が終わるころ。
たしかに今とは様子が違えど、全く色褪せません。
100年以上前、というと、
なんだか言葉も違うような印象があるかもしれませんが、
そんなことは全くありません。
小難しい表現もなく、さらさら読めます。
その中で、中心となる登場人物は基本2人。
大変少ない人数で物語は進みます。
「私」と「先生」です。
大学生の「私」と、
どこか陰のある「先生」。
その2人が、ふと繋がるところから
ストーリーは始まります。
■ちなみに、小説内で起こる出来事は、
衝撃的なドラマが起こる、というようなものでは、
全くありません。
ごく日常の風景。
でも、そんな単調な日常の中にある、
人の「こころ」の機微を、見事に、
病的なほど繊細に描いているのです。
*
たとえば、こんな話があります。
(少しだけネタバレを含みます)
「先生」が若き頃、父親を亡くしたときの話。
その時に起こる、
今の時代でもおこる遺産相続の話。
先日まで味方をしてくれていた人が、
実は自分を騙していた、と知る。
その時に感じる「こころ」の動き。
その人だけでなく、あらゆるものが、
騙そうとしているように見えたり、
純粋で無垢だった世界が、
全く違って見えたり。。
*
あるいは「私」が、ある女性に恋をした。
でも、それを言おうと思うけれど、言えない。
相手がどう受け止めるか恐いという、
そんな単純な話だけではなく、
自分の信念、誇り、戸惑い、狡さ、、、
色々なものが混じり合う感覚。
そして無駄に思い悩む。
同じことを繰り返す。
タイミングを伺っては失い、悶々とする。
、、、
ぱっと見、何の変化もないような人の「こころ」は、
実は、何十色と混ざったような複雑なもの。
それは、100年前だろうが、
2018年の今ではあろうが、同じです。
いつの時代も複雑で、
自分でもよくわからない、
矛盾も抱えている人の「こころ」を、
色鮮やかに、見事な素晴らしい表現で書き表した作品である、
と、そんなふうに感じたのです。
(あくまでも、私の感想です)
◼︎読み終えた後、得たことは、
「人は複雑な”こころ”を持ち
本当の本当の本心は、本人しかわからない」
ということを、身体感覚として
新たに思い知ったこと。
何もないように見えても、
内面で激しい葛藤が起こっている。
それが「人」だと思うのです。
だから、安易に人を
「こういう人だ」とか
「間違っている」などと断ずる愚かさにも、
気付かされる作品でもある、
そのように思います。
(以下、内容の紹介です)
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『こころ』(著:夏目漱石)
<内容紹介>
「自分は寂しい人間だ」「恋は罪悪だ」。
断片的な言葉の羅列にとまどいながらも、
奇妙な友情で結ばれている「先生」と私。
ある日、先生から私に遺書が届いた。
「あなただけに私の過去を書きたいのです…。」
遺書で初めて明かされる先生の過去とは?
エゴイズムと罪の意識の狭間で苦しむ先生の姿が克明に描かれた、
時代をこえて読み継がれる夏目漱石の最高傑作。
※引用:Amazon 内容(「BOOK」データベースより)
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ちなみに、なんとKindleで0円で買えますので、
スマートフォンを持っている方なら、
誰でも【0円】で読めます。
よろしければ是非。
面白いです。
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<今週の一冊>
『こころ』(著:夏目 漱石)
http://amzn.asia/jjgXBfS
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