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1833号 2019年2月24日

タックマンモデルから学ぶ「衝突・対立・混乱」があるからこそ分かり合える、というお話

(本日のお話 2150字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、2件のアポイント。
また、本日土曜日は企業研修でした。

「セルフ・イノベーション研修」と題して、
次世代の会社を担うリーダーの皆様と、
半年にわたってリーダーシップについて学ぶ本プロジェクト。

いろいろなゲストを交えて行いつつ、
私自身、受講者の皆様と伴走させていただいております。

(ご参加いただいた皆様、本日もありがとうございました。
 次回も、引き続きよろしくお願いいたします!)



さて、本日のお話です。

研修の懇親会の中で、
参加者の方からとあるご質問をいただきました。それは、

「本音を言うと、相手が傷つくのではないかと思って、なかなか言えない」

というもの。

実はこの問い、特に”心優しい方”が感じる、
代表的な葛藤の1つではないかと私は思っています。

本日はこの話について、私の思うところを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【タックマンモデルから学ぶ「衝突・対立・混乱」があるからこそ分かり合える、というお話】


それでは、どうぞ。



■相手に、率直な一言をぶつけると、
ある種の”不均衡”が生まれます。

自分の意見と、相手の意見との対立。

あなたと私は違うという、価値観の拒否、反発。

起こりうる衝突と、それに対するデメリットを考えると、
結局、「言わないほうがいいかな、、、」と、言おうと思っても言えずに終わる、

人間関係において、そんな状況、
結構あるのではないでしょうか。


■もちろん、「自分がただ言いたいだけ」あるいは、
「相手より優位に立ちたいから」と言う、
”自分のエゴ”から出る指摘は論外です。

結局、その意図は相手に伝わりますから、
何も生み出すものはありません。

伝わらないどころか、ただ関係が悪化し、
信頼関係も損なうだけで、やるだけ損です。


しかし、基本的に、

”相手のことを思って伝えるメッセージ”

は、その根本の思いやり、愛情が伝われば、
(伝われば、というところがポイントです)

相手への成長のチャンス、お互いの関係の改善、向上のため、
本音をぶつけてしかるべきだと私は思うのです。

しかし、そのためにはやはり、
「勇気」がいるのです。


■では、どうすれば「本音を伝える」という、
”衝突のリスク”を恐れず、言葉に出すことができるのでしょうか。


その1つの考えとして、ある有名な、『チーム形成のモデル』を知ると、
そのヒントの1つになるのではないか、と思います。

そのモデルとは【タックマンモデル】と言われるものです。

簡単にご説明すると以下のような考え方です。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【タックマンモデル】

チームが真に成果を出すには、以下のプロセスを踏む。


1、チームが形成される

 ちょっと遠慮がち。緊張していて、気を遣っている。
 ゆえに外からは仲良く、和やかにみえる。

2、混乱がおこる

  慣れてくるがゆえ、意見や主義・主張のぶつかり合いが起きる。
  衝突・対立する。いざこざが起こる。

3、統一されていく

  ”混乱”を経たからこそ、お互いの考え、行動の特性を理解し合うことができる。
  お互いの役割を認識し始める。 

4、チームが成果を出す

  チームが機能して成果が生まれる。成功体験ができる。
  各役割に応じて、皆が自律的に動く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

というモデルです。


■タックマンモデルのポイントは、

「2,混乱が起こる」

というところ。

”混乱”というとネガティブなものに捉えられがちですが、
この考え方から言えば、

「混乱を乗り越えたからこそ、お互いの考えがわかり、理解しあえる。
 そして、成果が出る」

こと、ここが重要な点なのです。



多くの人は(特に日本人は)
意見の食い違い、人と違うことを恐れ、
衝突・混乱することを避けようとしてしまいます。

しかしながら、実はこの、

”お互いの違いをぶつけ合うからこそ、相手の大切にしていることがわかる”

というのは、1つの事実なのです。


もし、お互いが本気であるならば、
”自分が大切なこと”を強く伝えたくなるものです。

人が感情的になるのは、
「大切にしたいこだわりが伝わらないから」
ということも、多々あるのです。

それを、お互いに伝え合うことでぶつかり合ったとしても、それは

「健全な衝突」「創造的な対立」、
「未来を作り出すための必要な混乱」

とも言えるのかもしれない、
そのように思うのです。


■もちろん、立場の上下を意識したり、
(下の人はいいづらいもの)、

・相手に対して愛情を持っていっているかどうか、
(自分の保身、エゴが出ていないか)

などは、大切なポイントになってきます。

しかし、相手と自分の、より明るい未来を考えた上での
「腹を割った話合い」と言うのは、
きっと相手にも伝わると私は信じています。



私も、これまでに、
かつての上司、友人などと、
色々な衝突がありましたが、

より良くしたいという思いを持った上で、
本気の本気で、腹を割ってぶつけ合った場合、
往々にしてその後は、より深い「絆」が生まれていました。



■混乱、衝突、対立。

消して前向きな言葉では無いかもしれませんが、
”ぶつかり合うエネルギーが生み出す価値”は、
間違いなくあります。


「衝突」「対立」の価値を、
改めて見つめることで、気づくこともあるのだろう、

そんなことを思った次第です。


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<本日の名言>


人は喧嘩する時、双方とも悪いと感じている。

ゲーテ
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