メールマガジン バックナンバー

1930号 2019年5月31日

売れる営業は「ヒアリング」ではなく「◯◯◯◯◯」をする

(本日のお話 2053字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
ならびに夜はストレングス・ファインダーのコーチの仲間と、
人材開発の責任者の方と共に会食でした。
(Mさん、Kさん、昨日はありがとうございました!)

同じ志を持つ方々と、ざっくばらんに語り合うことは、
本当に学びになります。事実は論文より説得力があります。

人事交流会、異業種交流会と、
1対複数での会合が最近は多かったですが、
もっと少人数でのディープな語らいを増やしていこう
と強く思いました。

皆さま、また個別にお声掛けさせてくださいませ。



さて、本日のお話です。

先日、私の前職時代の上司であり、
現在人材採用コンサルティングの社長をされている方から、
「対話」にまつわる、興味深いお話を聞きました。

本日はその学びについて、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【売れる営業は「ヒアリング」ではなく「◯◯◯◯◯」をする】


それではどうぞ。


■「言葉」というのは、とても大切です。

自分の思考を切り取り、
そして表出させた表現が「言葉」。

自分の感覚の比喩(メタファー)でもあるため、

「どんな言葉を使うのか?」

は、自分の思考にも、行動にも、
無意識に影響を与えている、と言えるでしょう。


■例えば、
「クライアント」のことを“どう呼ぶのか”もそう。


「客」と呼ぶとしたら。

その言葉からは、
”ただの仕事の相手”というような、
無機質かつ、やや横柄な雰囲気が漂います。

「お客さま」と呼ぶとしたら。

その言葉からは、
”奉仕する相手、大切な相手”という、
丁寧な気持ちが伝わります。

否、「パートナー」と呼ぶとしたら。

その言葉から
”こちらと向こうではない関係”という、
同士、仲間という、より緊密な関係を表す。

そんなイメージ、雰囲気が伝わるかと思います。


ゆえに

「どんな”言葉”を使うのか?」

は、その人の考え、行動の方向性を決める上で、
大変重要なことである、と言えるのでしょう。


■そして、一つ、ビジネスパーソンとして(特に営業や、部下を持つ方には)
重要なスキルとして


『ヒアリング』


と呼ばれるスキルがあります。

特に営業の経験がある方は、
馴染みがある言葉かと思います。

「お客様のニーズをヒアリングしましょう」
「ヒアリング内容に基づいて、提案しました」
「まずヒアリングしてこいー」

そんな風に使われ、その言葉通り、

「相手の情報を”きく(=hear)”」

ことを表します。


■しかし、こと「きく」にも、
先述のクライアントのように、
色々な「種類」があるのです。

英語で「きく」を調べてると、
以下のような言葉がずらっと出てきました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(日本語)きく
(英語)listen, hear, ask, question, inquire, query
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

英語を日本語に翻訳しなおすであれば、それぞれ、

「聞く」「聴く」「(軽く)尋ねる」「質問する」
「(深く)尋ねる、問う」「疑問を投げかける」

というような違いでしょうか。

同じ「きく」でもニュアンスより、
かなり違ってくるのです。


■では、この「きく」の最上級は何か?

営業とクライアントが一緒にいて、
最も深く、そして意義があるやりとりをするとき、
どのような「言葉」が使われるのか?

、、、

そのことについて元上司より、
以下のような話を聞いたのでした。

それが、


【売れる営業は「ヒアリング」ではなく、『インタビュー』をする】


という話。


■「ヒアリング」。

まず、この言葉の意味は何か。
漢字にすれば”聴く”です。

「耳と目と心」という文字が含まれるように、
この語も、十分に相手のことを「理解しよう」というスタンスは伝わります。

ただ、やっぱり、

”相手と自分”であり、
その間には”距離”がある言葉なのです。

つまり、本当の意味では、
まだまだ相手に寄り添えていない。



一方、『インタビュー』。

この言葉を日本語にすると”対談・取材”になります。
しかし、英語の言葉を分解すると、
「inter」+「view」となります。

すなわち、

・相手の中に入る、あるいは、
 相手と自分が同一と見なすその空間から(=inter)、

・完全なる相手の立場、
 自分と相手を限りなく重ね合わせる視点を持つ(=view)

という姿勢と言えます。

つまり、相手と自分がわかれていない。
極めて重なり合っている状態なのです。


■これも、もちろん言葉の解釈。

しかし、同じような行動でも、

「ヒアリング」or「インタビュー」

どちらの言葉を使うのかは、

「相手と自分を分けて考える」or「相手と自分を重ねて考える」

という内的世界のどちらを優先するのか、
という表明になりえます。

ゆえに、いずれの「言葉」を大切にするかは、
会話の質にも影響をし、そして結果にも変化を及ぼすと思うのです。


■繰り返しますが、「言葉」というのは、大切です。

「言葉」で考える限り、その小さな違いが、
自分の考え、行動、そして”あり方”さえ定義します。


本当に素晴らしい営業というのは、

”真にクライアントの痛みも、悩みも、
期待も、志も、まるごと自分ごとして感じ、受け止める”

そんな姿勢を持つと感じます。

そしてその売れる営業(もはや営業とも呼べない存在)は、
きっと、相手と自分を分けるのではなく、

『インタビュー』

なる内的な言葉を持つのかもしれません。

ということで、

【売れる営業は「ヒアリング」ではなく、『インタビュー』をする】

同様に、

【寄り添い、部下の信頼を獲得し、力を引き出す上司も、
「ヒアリング」ではなく『インタビュー』をする】

のでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

本日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。

==================================
<本日の名言>

愛とは、互いに見つめ合うことではない。
ふたりが同じ方向を見つめることである。

サン=デグジュペリ(フランスの作家)
===================================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す