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1932号 2019年6月2日

今週の一冊『昭和天皇物語』

(本日のお話 1856字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日より岡山に来ております。

コーチングの勉強をするためですが、
コミュニケーションの奥深さを改めて感じている次第。
この分野はもっともっと洗練させていこうと思います。



さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『昭和天皇物語』

能條 純一 (著), 半藤 一利 (原著), 永福 一成 (Writer)


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です。

■時代が令和に変わり、早いもので1ヶ月が経ちました。

年号が変わるというのは、
日本全体にとって一大ニュースでした。
ですから1ヶ月前は、多くのメディアで、

・天皇とは何か?
・令和で何代目で、ルーツはどこにあるのか?
・皇族とは何か?
・そもそも日本の歴史とは?
・三種の神器とは?

という、普段語られないようなテーマにも、
スポットが当てられていたように思います。



■しかしながら、1ヶ月経つと、
日々のお仕事や、目の前のことに忙しくなり、

「国は何か?
「天皇とは何か?」

そのような”問い”は、
あっという間に過去のイベントとして通り過ぎようとしており、
結局何なのかよくわかっていない、そんな人も多く存在する気もします。


とはいえ、思うことがあります。
それは、やはり「国」や「天皇」などのルーツを知ろうとすることは、
とても重要なことではなかろうか、ということ。

何故かと言うと、

『自分の「ルーツ」を知ると、「自分が何者か?」を知る一助になる』

と思うからです。

例えば、

・自分の”家族”のルーツ(どんな家系だったのか)

を知ること、父母の考えのベース、
祖父母の考えのベースは、教育に表れ、自分にも影響を与えています。

同様に、

・自分の”地元”のルーツ(どんな言葉、文化、特色を持っていたのか)

も、知らず知らずに自分に影響を与えていたりする。
そして、広く見れば、

・自分の”国”のルーツ(日本は他の国と何が違うのか)

も、多くの人種、価値観がある中では、
私達に大きな影響を与えているものです。

「自分が依って立つ場所」に、
私達は考え方も、言葉も、行動も影響されており、
「自分」というものが成り立っていることは間違いない、と思うのです。

ただ、近すぎて、当たり前だから、

”気づいていない”あるいは、
”普段考えることがない”だけ、

なのです。


■しかし、来年にはオリンピックが行われ、
その時にはきっと、また改めて、

「日本(我々の)の独自性」

に目を向けることになるのでしょう。

ゆえに、そんな中だからこそ、
皆さまにお勧めしたいと思うのが、今週の一冊です。



『昭和天皇物語』。

この本は、ビックコミックで今も連載中の漫画です。

日本の大きな転換期となった、
太平洋戦争を含む、大正・昭和期の時代について、
「昭和天皇」の生涯にスポットをあて、描いた作品です。

『昭和史』の著者でもあり、
近現代史、昭和の時代に特筆すべき知見を持つ、
半藤一利氏が原著としてストーリーに関わり、「史実」を元に描かれるこの作品。


天皇陛下、皇室というと、
どうしても縁遠い存在に感じてしまうかもしれません。

でも、「一人の人間」として描かれると、
急に身近なものに感じられます。

・どのような幼少期の教育を受けてこられたのか?
・誰が養育係を務められたか?
・どのように養育者、教師は決められるのか?
・母とのやりとりはどのようなご様子か?
・政治と皇室の関係は、当時どのようなものだったのか?

…など、

一人の「昭和天皇」という人間を中心とした、
感情を伴う、共感できるストーリーで描かれることで、
「天皇」という存在をより身近に感じられるものになり、

それに付随する形で、「日本とは?」「国とは?」を、
天皇の視点で考えることができる、稀有な作品なのです。


■昭和天皇は、今上天皇の祖父にあたる方。

私達も、父母に影響を受け、
そして祖父母に影響を受け、
そして今があるように、
それは、今上天皇であろうが同じであろう、と思います。

今上天皇の「個」としてのルーツを感じることは、
日本という文化の核を知ることであり、

それはすなわち、
自分が依って立つ場所を知ることに繋がり、
そして、私達自身を理解する一助になる、

私はそう感じます。

オリンピックを控える今だからこそ、
「日本」が注目される今だからこそオススメしたい、

そんな一冊でございます。


■以下、著書の冒頭からの引用です。

場面は、日本が敗戦後、
GHQの最高司令官 ダグラス・マッカーサーと、
昭和天皇が初めて面会をした時のシーン。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ダグラス・マッカーサーは後に述懐する。

天皇裕仁はあの日”命乞い”の為、
私を訪ねたのではなかった…と。

かつて世界の歴史上にいたであろうか、
自分の命と引き換えに、自国民を救おうとした国王が…‼!

私は知りたいと思った。

天皇裕仁はどのような人生を―
どのような数奇な運命を辿ってきたのか。

私は知りたいと…思った。

引用:『昭和天皇物語(1)』より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この冒頭シーンから、物語は始まり、続いてきます。

歴史を知る一つのきっかけとしても、
とても有益な一冊。

まだ完結していないので、すごく続きが気になりますが、
ご興味がある方はぜひ手に取られてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。

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<今週の一冊>

『昭和天皇物語』
能條 純一 (著), 半藤 一利 (原著), 永福 一成 (Writer)


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