礼法のストーリー ~物の受け渡し編~
(本日のお話 1815字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は「ストレングス・ファインダー」研修の実施でした。
対象が研修会社の方でしたので、
若干緊張してしまいましたが、楽しい時間でした。
「強み」というテーマは、やっぱりポジティブになりますね
また夜は、ストレングス・コーチの仲間とお食事。
フィードバックが勉強になりました。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
週末の話ですが、「礼法」を学びにいきました。
その際に、「受け渡しの作法」について学んだのですが、
その考え方が、当たり前だけど気づいていなかった、
大切な内容だなと感じたのでした。
本日はその学びを皆さまにご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【礼法のストーリー ~物の受け渡し編~】
それでは、どうぞ。
■新入社員が入社して学ぶのが、
「マナー」です。
・電話のとり方
・挨拶の仕方
・入室の仕方
・名刺の受け渡し方、
などでしょう。
なんとなくやっているとロボットのようですが、
段々慣れてくると、スムーズにできるようになり、
その所作が板についてくると「一人前感」が出てきます。
そして、その慣れた仕草は、
洗練されてくるととても美しいものであり、
一つの動作で、その人の”人となり”も見えたりするものです。
ゆえに、「マナー等の所作」は、
思った以上に大事なことではなかろうか、と思います。
■「名刺の受け渡し」や「電話」であれば、
実践する機会がたくさんあるでしょう。
しかし、その他のマナーはどうか。
例えば、
「法事の際のご焼香」
「卒業証書の授与式」
「客人を招き、品を受け渡しする」
など。
あまりその機会がないゆえ、
なんとなく、これでいいのだろうか…
と思いつつ、チラチラと横目で、
他の人の作法をみて、そして真似をしたり、
ネットで調べ他作を一生懸命
頭の中で反芻して思い出したり、、、
そんな人もいるのではないでしょうか。
(私と同じように…)
■しかし、これらのことは、
「なぜそういう作法になったのか?」という
『礼法のストーリー』を学ぶことで、
途端にクリアになるものなのです。
そのことを先日学び、
「へー、そういうことだったんだ!」
と、はっとさせられたのでした。
*
例えば、「法事のご焼香」。
その作法をネットで調べると、
「抹香(粉状のお香)を、
右手でつまみ、
額におしいただく。」
とあります。
この一文にある、
1、「右手」でつまみ、
2、 額に「おしいただく」
ここに、「礼法のストーリー」が込められています。
あるいは、「卒業証書の授与式」もそう。
校長先生の前で、
・おじぎをして
・まず右手から証書をつかみ
・そして証書を持った手を上にあげる
という行為をすることがあります。
ここにも、ご焼香と共通する、
「礼法のストーリー」があるのです。
■礼法の先生曰く、
もともと日本の家も、扉も、
すべて”右利き用”に作られています。
右利きがスタンダードな社会。皆右利きが前提である。
そして「右」で持ったほうが、利き手なので安定感がある、
ということになります。
ゆえに、大切なものを受け取るとき、
大切なものを渡す時は必ず、
『右手から取る』
(=絶対に落とさないという意志の現れ)
という意味を表すのです。
*
「おしいただく」というのもそう。
ご焼香で、とった抹香を額に近づけることを、
”おしいただく”と言います。
卒業式で、もらった証書を頭の上に掲げることも、
”おしいただく”と言います。
あるいは、お客様や大切なひとから、
何か頂いた時に、ありがとうございます、といいつつ、
なにげなく「頂いた品を持った手を上に挙げる」動作も、
”おしいただく”となります。
これも、相手から頂いたもの、手にとったものが、
『極めて大切なものである』
と意を示すため、”自分より高い位置に挙げる動作”をするのです。
それが、ご焼香のときにお香を額に近づけたり、
頂いたものを上に掲げる、という行為に繋がります。
そして、それが一つ一つの作法の動作を統合するものであり、
『礼法のストーリー』
となる、そんな話を聞いたのでした。
■「具体と抽象」という言葉があります。
「具体」は、本当に一つ一つの”言動”です。
非常にアクショナブルなこと。
「抽象」は、その言葉通り”概念”であり、
具体を統合する考え方、思想です。
アクショナブルではないものです。
しかし、「抽象」を理解すると、世界が変わって見えることがあります。
個々の”具体的な作法”を一つ一つ覚えようとすると、
キリがなくなってしまうもの。
覚えるのも大変です。
しかし、本日ご紹介したような、
”抽象”としての礼法の概念、すなわち、
「”右手”から受け渡しする意味」
「”おしいただく”という行為に秘められた意味」
という『礼法のストーリー』を知ることにより、
それらの今まで知らなかった意味が、
一気につながってきたりします。
ゆえに、”「具体と抽象」を同時に学ぶこと”は
極めて重要であろうと思いましたし、
同時に、マナーなどの作法に関する”抽象”とは、
【礼法のストーリー】
であろう、そんなことを思った次第。
人の学びの全ては「具体と抽象の往復運動」、これにつきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。
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<本日の名言>
私はものごとをとことん突き詰めるのが好きなんだ。
そうすれば、たいてい良い結果がでるから。
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
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