人に寛容になるためには、「色んな人生」を丸ごと好きになる努力をすること
(本日のお話 2036字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
ただいま徳之島に来ております。
鹿児島県と奄美大島の間に位置するこの島。
明日、この島にてトライアスロンの大会の参加です。
しかしながら天気は大雨。。。
危険な香りがします。
とにもかくにも、ベストを尽くそうと思います。
*
さて、早速ですが本日の話です。
昨晩から徳之島に入り、ホテルにあるテレビを見ていました。
(我が家はテレビを廃棄してしまったため、普段テレビは見られないのです)
その中で、『SWITCH』と言う、
有名人がインタビューをし合うという番組をやっていたのですが、
そこで俳優の堤真一さんと、小説家の重松清さんがお話をしていた内容が、
大変印象的、かつ学びに溢れたものでした。
本日はその内容と、そこから思った気づきを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【 人に寛容になるためには、「色んな人生」を丸ごと好きになる努力をすること】
それでは、どうぞ。
■数々の名作の小説を生み出して重松清さん。
私も読んだ小説はたくさんありますし、
涙した本、えぐられるような気持ちになった作品も、
いくつもあったと記憶しています。
重松さんの小説の特徴は、
”人の心の深い部分を秀逸に描ききる”
という、その視点の深さと、
多くの人が共感できるその表現力にあると私は感じています。
(ちなみに、私のお勧めの一番の小説は『とんび』です。
父と息子の関係を描いた、本当に涙なくしては読めない小説。
まだの方は、ぜひ読んでみてください)
その他にも、『流星ワゴン』、『ナイフ』、『その日のまえに』などなど、
私(紀藤)の本棚を、彩ってくれている作品たちです。
そして、私だけでなく、
多くの方の心を掴むからこそ、
その小説が長年に渡って支持され、数多の賞も授与されているのでしょう。
■そんな、日本を代表する小説家の重松清さん。
俳優の堤真一さんが、TV番組の『SWITCH』にて、
こんな質問をしていました。
「誰でも”1つは小説を書くことができる”と思うんです。
だって、その人自身の人生を書けばそれは1つの小説になるから。
しかしながら、重松さんにお伺いしたいのが、
どうしてあのように、多様な人生を、
いくつもいくつも描くことができるのでしょうか?」
、、、そんな質問をされていました。
確かに、重松清さんは、
同じテーマではなく、本当にいくつもの人物の人生、
価値観、考え方が乗り移っているかの如く、
登場人物のカラフルに描かれたリアルさを持ち、描くのです。
すると、重松さんはこのように答えました。
「それは、フリーライターをやっていた経験だと思います。
女性雑誌で、「〇〇な人を紹介する」と言うような企画があったのですが、
その企画で、”いろいろな人生”を2ページから4ページで書く、ということを
かなりの10年以上やっていました。
そこで、何百人もの人にインタビューをして、
人の人生のストックがそこで溜まったのです。」
「また、その企画で短いページで、
”その人の人生”を魅力的に伝える必要があります。
すると、その人の人生が自分の好みであろうがなかろうが、
『その人の人生を強制的に好きになる』
という気持ちで書かないと、伝わないのです」
、、、
そのようなお話をされていました。
(私のうろ覚えの記憶なので、雰囲気だけご参考にされてください)
■そしてこのことを聞いたときに、
・人に対して寛容である
・誰かに対して優しくある
・誰かに対して常に謙虚でいる
ための、とても大切なエッセンスが含まれているな、と思ったのです。
「人に対する器の大きさ」と言うのは、
重松さんの「その人の人生を好きになろうとする」、
そんなスタンスから生まれてくるのではなかろうか、
と思ったのです。
思うのですが、人は、
”自分が正しいと思った瞬間に、その視野が狭くなり、
誰かを否定したり、自分の正しさを主張しようとする”
と感じるのです。
ですから、自分以外にもたくさんの人生があり、
正解と言うのは自分が考える1つだけではない。
人生にも考え方にも、いくつものパターンがあり、
それがそれぞれ素晴らしいものだ、
こういったスタンスを忘れなければ、
きっと人は常に謙虚でいられるし
独善的になることも少ない、、、
と私は思うのです。
■そんな事を考えてみると、
たとえ、重松さんのように何百人と会い、
”人生を聞く事”
はできないとしても、
身近な人を深く知ろうとする事から始め、
できるだけたくさんの人に会い、多くの人生を知り、
多くの価値観を知り、その人達が何を大切に生きているのかを
「とにかく聞く」
「とにかくインタビューする」
そして、
「その人生を丸ごと好きになろうと努力する」。
そんなつもりで人と対峙する事は、
人に対して寛容になるための、
極めて重要な方法の一つではなかろうか
と思ったのでした。
、、、色々な価値観、人生観に敏感になること。
たくさんの人生のストックを得ることで、
きっと、奥深く、理解がある、
優しさをたたえた人になれるのではないだろうか、
そんなこと思った次第です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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<本日の名言>
画竜点睛といってね。
結婚も確かに点睛の一つだよ。
夫を持ったり、子どもを持ったりする度に、
人間の心の眼は開けてゆくものだよ。
川端康成
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