「生み出すものが少ない達成感」は、生産性の黄色信号である
(本日のお話 2156字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、1件のアポイント。
並びに研修の準備、作成など。
夕方からは、愛知へ移動でした。
*
さて、本日の話です。
昨日研修の準備をする中で、
「達成感と虚しさを同時に味わう感覚」を、
ふと覚える作業がありました。
そんな中で、
「生産性とはなにか?」
「自分がフォーカスする仕事は何か?」
というテーマでふと考えることがありましたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「生み出すものが少ない達成感」は、生産性の黄色信号である】
それではどうぞ。
■こんな逸話を聞いたことがあります。
精神的な拷問の1つに、
「無意味なことを繰り返させる」
というものがあるそうです。
その内容とは、
・監督者が、捕虜など(拷問を受ける方)に、
「こちらのバケツにある水を、1滴もこぼさず、もう一つのバケツに移せ。
もしこぼしたらその場で処刑だ」という。
・拷問を受ける方は、死にたくないのでそれを忠実に実行する。
・そしてそれが終わると、
「今、移し終わった水を、また元のバケツに戻せ」
と監督者が命令する。
・そしてそれが終わると、
「また、もう一つのバケツに水を戻せ」と命令する。
・これを延々と繰り返させ続ける。
…というもの。
(朝から物騒な話ですみません汗)
そして、その結末でどうなることが多いかというと、
「殺されると分かっていても、
その作業に意味が見出せないと精神的にツラすぎてやめてしまう」
という選択を選んでしまう、と言う話でした。
(あくまでも、聞いた話ですが)
■この話から学ぶ事は、
”人は生み出すものがない無意味なコトに苦痛を感じる”
ということでしょう。
さすがに、普段こういう話はないと思いますが、
「この仕事どんな意味があるんだろう」と感じると、
確かにモチベーションが下がること、普段の仕事でもあるように思います。
■実は昨日、「研修の準備」とのことで、
”模造紙を5枚1組にしてたたむ”
ということをしておりました。
スタッフの妻も一緒に、丸まった模造紙を広げ、
たたみ、丸まらないように伸ばす。
これを2人がかりでやり、
合計80枚の模造紙を二人で約1時間かけて
折りたたんだのでした。
10枚、20枚、30枚とやるにつれ、
だんだんと効率が良くなっていき、
「こうやった超ほうが、より効率がいいね!」
なんて盛り上がっていたのですが
80枚たたみ終わり、2人が感じたことが、
『達成感と徒労感を同時に感じる』
という事が起こったのでした。
■その作業が終わった後、
2人で交わした会話が、
「この仕事、我々がやる必要があったのだろうか?」
と語り、沈黙しました。
というのも、私はその時のメインの役割は講師。
「どのように伝えるのか」という講師としての務めを、
工夫したほうが「波及効果」は高いだろうし、
妻は、デザイナー。
「模造紙折りたたむ作業」よりも、
ウェブデザイナーや、研修のテキスト等をより美しく、
見やすくすることに、彼女の能力がある。
すなわち、「生み出すものの価値」を考えたときに、
”模造紙を1時間かけて折りたたむ”
よりも、優先すべき事はあったのではなかろうか…
そんなことを考え、
「模造紙折りたたんで達成感があったけれども、
本当に必要な達成感だったんだろうか?」
と語り合ったのでした。
そもそも畳まれている模造紙を、
ちょっと高いけど買って、
その分、自分たちの仕事をしたほうが、よかったんじゃないだろうか、と。
■思うに、仕事には、
1,自分がより貢献できる力を入れる仕事、と
2,自分が極小化すべき仕事
があると思います。
もちろん、組織のルールや、役割の中で、
そのような作業(模造紙を折りたたむ)が生まれるのは仕方ないことですし、
全体最適のために必要なこともあるのは重々承知です。
しかしながら、意識の上では、
・営業なら営業として、
・事務の方であれば事務として、
・研究開発なら研究開発だし、
その「存在対効果」が最大になる役割や仕事に力を入れること
自分が軸足を置いているところで、
いかに価値を上げるかにこそ骨身を砕くこと。
それが、
『生産性』や『価値を生み出す達成感』
のために必要なことではなかろうか、
と思ったのでした。
■これからの「AIが仕事を奪う」といいますが、
・コピーを取る、とか、
・資料をホッチキスで止めるとか、
・模造紙を折りたたむ
人が創造性を発揮しなくても良い作業に関しては、
どんどん機械がやってくれる時代になっていくはずです。
そんな中で、先の例で言えば、
”模造紙を折りたたむ”
という行為は、
確かに達成感があるのだけれども、
【「生み出すものが少ない達成感」】
であるし、それはこと自分の時間対効果を考えたときに、
「極小化していくべし」
と思うのです。
■冒頭にお伝えした、
”水をもう一つのバケツに移し替える”
という作業は、明らかなる無駄な作業。
ですから、誰もやろうと思いませんし、
やっていて苦痛を感じます。
、、、しかしながら、です。
見落としがちなのは、
そして気をつけるべきは、
「ちょっとした達成感を感じてしまう(でも生み出すものが少ない)行為」
だと思うのです。
無駄ではないけれども、生み出すものが少ない。
そんな自分がフォーカスすべきではない仕事で、
達成感を得てしまってはいないだろうか…
このようなことにアンテナを立て、
生み出す価値の最大化を目指していくこと。
そのことが「AI時代」と言われる中での、
”重要な問い”ではなかろうか、
そんなこと思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
手っ取り早く、効果的に生産性を向上させる方法は、
何を行うべきかを明らかにすることである。
そして、行う必要のない仕事をやめることである。
ピーター・ドラッカー
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