「チラシが多すぎるんすよ!」などと相手の意見に激昂しては、変化変容は見込めない
(本日のお話 2132字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は朝8:30からお昼まで、
某企業の役員の方をゲストとした勉強会を開催。
三連休の中日に、16名もの方にお集まりいただきました。
(ご参加頂いた皆さま、ありがとうございます!)
また午後からは、妻とともにシェアオフィスにて
10月に実施をする研修の企画でした。
私はどうやら研修に慣れすぎているようで、
「一般的な受講者の感覚」がわからなくなることがあります。
そんな時「このワークをしたらどんな感覚になるか」を
妻に聞いてみる、ということをやっております。
他者の視点とは、多くの気付きになりますし、
何より、身内が協力的で本当にありがたい限り。
*
さて、本日のお話です。
そんな研修の企画をしている中で、
妻と盛り上がった話が、
「変われる人と、変われない人を決める分岐点」
についてでした。
夫婦でどんな話で盛り上がっているのか…
と思わないでもないですが、その中で
妻から聞いたあるエピソードが興味深く、
上記の「変われる人と変われない人」のテーマのヒントとなる話なのでした。
今日はそのお話について、
またそこからの学びと気付きについて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「チラシが多すぎるんすよ!」などと相手の意見に激昂しては、変化変容は見込めない】
それでは、どうぞ。
◼人は、「自分の思考の癖」に、
なかなか気づきづらいものであります。
本人にとっては、数十年来の普通の感覚。
それが「当たり前すぎて疑いもしない考え」でも、
一歩引いて周りから見ると、
「ああ、これはイタい」
と思える「思考の悪癖」というものは、
あるものです。
その悪癖の代表的な例は、
『他責思考』
でしょう。
”自分は悪くない。
周り(=上司、会社、お客さん、社会)が悪いのだ”
その思考に囚われているうちは、
一歩も踏み出せないことは、
読者の皆様には、
今更お伝えすることもないかと思われるほど、
採算お伝えしている話でございます。
■加えて、もう一つの大切な「思考の習慣」は、
『人の意見を受け止められるかどうか』
です。
このことは、本人が、
「変われるか変われないか」に、
大きく影響を与えているだろう、と思われます。
もし「人の意見を受け止める」器があれば、
『他責思考』からも逃れられうる、
逆に、受けとめられなければ
「自分の枠」から出られず変わり得ない。
そんな大事な思考習慣でしょう。
■このことについて、妻が以前の職場で一緒だった
「松本さん(仮名)」という人のエピソードから、
とても考えさせられる話を聞きました。
(反面教師的な意味で、なので、
少し内容を変更してお届けいたします)
*
彼は、髪が長く、大柄の体格。
「あついっすねー」が口癖で、
ガリガリ君(アイス)が好きな男性。
こだわりの強い方だったそうで、
スキルは高く、プログラマとしては優秀だった様子。
明くる日、
何気ない会話の中で「松本さんの不満」について、
話し始めたそうです。
松本さん曰く、
「ポストに広告のチラシが届きすぎて、
ドバっと捨てたら、大切な書類を一緒に捨ててしまった。
大変困っている」
とのこと。
対して、妻が何気なく、
「広告、イヤですよね。でも届いているモノ、
確認すればよかったんじゃないですかー?」
と、聞いたところ
『チラシが多すぎるからですよ!!
どうすればいいんっすか!
とにかくチラシが多いんっすよ!!!!』
と、急に激昂した、、、
という出来事があったそう。
■その時に妻は思ったのでした。
「突然過ぎてビックリした」
そして同時に、
「ダメだこりゃ」
、、、と。
すなわち、
「ああ、めんどくさい。
もう松本さんに、何か意見を言うのはやめよう」
と、心から思ったそうです。
■この話から思うのは、
松本さんの人柄そのものがどうこう、という話ではなく、
「人が変わることを難しくする要素」として、
『他人の意見を受け止められない』
(=感情的に拒否する)
この反応をする「癖」を持っていると、
その人の変化変容は難しくなるのでは、
と思ったのでした。
それは、「自分の悪癖」に気づかせてくれるチャンスを、
考えなしに切り捨てることに他ならないからです。
■おそらく、松本さんのように、
”激昂して相手の意見を断ずる”
という事は少ないでしょう。
しかし、相手が自分に対して
「望ましくない意見」を伝えた時に
『他人の意見を受け止めない』
というスタンスを、「自分の思考の癖」として、
持っていたならば。
例えば、
・何か言われたら嫌な顔をしてしまう、とか、
・お前は人のこと言えるのかよ!と無意識に反撃する、とか
・言い訳をし始める、
というように、
「素直に受け止めない」という仕草をした瞬間、
「ああ、めんどくさい。
彼/彼女に、善意でも、何かを言うのはやめておこう」
となり、
・少しずつ「周りから善意の意見を言われること」もなくなり、
・「自分の思考の枠」から出ることも不可能になり、
・思考や行動にネガティブな結果をもたらしうる
「思考のバグ」があったとしても改善されなくなる
そして、延々と同じネガティブなパターンを繰り返し続ける、、、
となってしまうのかもしれません。
■そして、ちょっと視点を変えてみると、
実はこの状況、
「年齢を重ねて偉い立場にいる人」
こそ、「松本さんと同じような状況」に
なっている可能性がある、と思うのです。
それは構造として、
「言っても仕方ない」
「言ったら何か返ってきそう」
と”思われてしまう”という意味では、
実は偉い人&歳を重ねた人は、
よほど謙虚にならないと、松本さんの状況に構造的に近くなってしまう、
とも捉えられるかもしれません。
■とすると、持つべきスタンスとは、
『他人の意見はご馳走である』
というスタンスであり、
もし自分に何か言ってくれたら、
「ありがとう!それは気づかなかった。
気づきの良い機会になりました」
「また何かあったら何でも言ってください!
ぜひ、お願いします」
くらいに受け止める姿勢を全開にして、
ちょうどよいくらいになるのかもしれません。
他人からの意見、
フィードバックとは時に怖いものですが
自らを変化変容させ続けていくためには
「受け止める勇気」
こそが大事なのであろう、
そのように思う次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
「垣根」は相手がつくっているのではなく、
自分がつくっている。
アリストテレス(古代ギリシャの哲学者/BC384-322)
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