「レジリエンス(=立ち直る力)」を高めるには、自分の弱さを認め、依存できる場所を持つこと
(本日のお話 2533字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
並びに1件のランチミーティングでした。
また夜は、最近流行の人材開発の用語の
『レジリエンス』について、セミナーに参加してきました。
*
さて、本日のお話です。
昨日のイベントが、
”DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
EI〈Emotional Intelligence〉感情的知性シリーズ最新刊『レジリエンス』発売記念イベント”
というものだったのですが、
ゲストに私が好きな一橋大学教授で、
『ストーリーとしての競争戦略』で有名な楠木建さんが登壇されるとのことで、
楽しみに参加してきました。
その中から色々と学びと気づきがありましたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「レジリエンス(=立ち直る力)」を高めるには、自分の弱さを認め、依存できる場所を持つこと】
それでは、どうぞ。
■レジリエンス。
何だかまた新しい横文字が出てきたな、、、
という気もしないでもない、
この良くわからないキーワード。
聞いたことがある方もいれば、
聞いたことがない方もいる、
まだ新しい「人材開発」関連の言葉かと思います。
ちなみにこの言葉は、
ハーバード大学が出しているマネジメント誌『ハーバードビジネスレビュー』でも
取り上げられたキーワードで、
<レジリエンス(再起力)>
・自分を立て直す力
・失敗から立ち直る力
・ストレスフルな環境で生き抜く力
というような定義がされています。
■あえて、”ような”と申し上げたのが、
実際『レジリエンス』の定義を本で調べても、
諸先生方により様々な定義があり、
なんともはっきりしません。
ただ、言われてみると、
・打たれても立ち上がれる、とか、
・凹んでも自分を立て直せる、とか
・何があってもへこたれない、
という人間の要素は、
今だけではなく、いつの世も必要なものでしょう。
ゆえに今日はシンプルに、
「レジリエンス」=「立ち直る力」
としてお話を進めたいと思います。
■ではこの『レジリエンス』なるもの。
どのように身に付ければ良いのでしょうか?
それに関して、登壇者の一人で、
書籍『レジリエンス』の前書きもかれている、
豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 岡田美智男教授が、
このように語っていました。
*
そのお話が、非常に納得、かつ多くの人にとって有用な
「レジリエンスを身につけるヒントになる」
と思ったのです。
それは、
『レジデンスは関係性の中に宿る』
という言葉です。
■はて、なんぞや、
と思われたかもしれませんが、
この『レジリエンス(立ち直る力)』とは、
「そもそも自分1人で完結するものでは無い」
ということ。
「レジリエンスを高める」と言うと、
基本、その人個人の中の、
何かしらの能力を高めるようなイメージを持ちます。
例えば、
・瞑想したり、
・自己内省のための日記を書いたり、
・運動したり、自己暗示をかけたり、
自分の心を鍛えよう、
コントロールしよう、みたいなもの。
実際それも有用なのでしょう。
しかしながら、繰り返しになりますが、
「レジリエンス(立ち直る力)とは、
そもそも自分1人で完結するものでは無い」
というのです。
■しかし考えてみれば、
人間、心を持っていれば誰しも、傷つくものです。
強そうに見せても、
本当に何をされてもびくともしないような心の持ち主と言うのは、
希少中の希少な、レアキャラ。
多分達観して人生の酸いも甘いも噛み分けた、
悟りを開いた老師のような方でなければ、
なかなか難しいのではなかろうか、と思うのです。
例えば、多くの人にとって、
・自分が大切にしている仕事で、
取り返しのつかない大きな失敗をしてしまったり、
・自分が大切な人を失ってしまったり、
・自分の健康に大きな不幸を背負ったときに、
何もなく平然としていられるかと言ったら、
それはなかなか難しいものです。
すぐに立ち直れるかといったら、
自分ひとりの精神の力だけで「立て直そう」とするほうが、
現実的でなかったりする。
■ゆえに、岡田教授が言う
『レジリエンスは関係性の中に宿る』というのは、
もう少し噛み砕いてお伝えすると、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、「自分の弱さ」を認めること
2、依存先を増やし、分散させて持つことで「自立」すること
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
によって、もたらされると言うわけです。
まず、
そもそも自分は弱いものであり、
あるいは、弱いところがあると認めること。
自分の能力もそうだし、
精神面においても、完璧なものでは無いと、
認めるところから始まります。
すると、誰かに「頼る(依存する)」という発想に、
いたることができます。
■そして、一つの人や環境に依存すると、
それはそれでリスクになりますので、
「2、依存先を増やし、分散することで自立する」
のです。
何かあったときに、
何か1つの人や環境にだけ頼るのではなく、
・話を聞いてくれる友人を持つ
・落ち込んだ時に励ましてくれるコミュニティーに所属する
・家族との関係を良好にして、
何かあった時も助けてもらえるようにする
・家族が危ない時も、相談できる親類を持つ
・職場での関係も1人だけに依存するのではなく、
何人かの親しい人を作っておく
、、、と言うように。
■結果的に、
「レジリエンス(立ち直る力)」があればいいのです。
自分一人では弱いと認めること。
その上で、依存先を持つこと。
分散させることにより、
結果的に立ち直ることができる環境を作るのです。
もちろん、自分自身がいろいろな経験をし、
歳を重ね、強くなることも必要でしょう。
ただ、
「人生、まぁいいこともあれば悪いこともあるさ」
という感覚のためには、年齢を重ねたり、
経験を経たりと時間がかかります。
ゆえに、レジリエンスを高める、
一つの汎用的な方法として、
【「レジリエンス(立ち直る力)」とは、弱さを認め、何かに依存する力である】
と認識し、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、「自分の弱さ」を認めること
2、依存先を増やし、分散させて持つことで「自立」すること
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
が効果的である、
そのように思う次第です。
皆様は、何かストレスフルなことがあったときに、
自分を立て直すために、依存できる関係を持っていますか?
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<本日の名言>
人生で何より消耗するのは、本心を隠すことだ。
だから社会生活がこれほど摩耗するのである。
アン・モロー・リンドバーグ(米国の飛行家・文筆家/1906-2001)
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