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2112号 2019年12月2日

「悩ましい問題」には、ルービックキューブを解くごとく向き合うこと

(本日のお話 3093字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、某グローバル企業の、
人事役員の方を招いて行った人事勉強会

”現役人事役員から学ぶ「人事の✕✕」~会社で聞けない人事の話~

の開催でした。

「人事」については、
誰もが反対しようと思えば反対しうると言う仕事であり、

(例えば、給与改定や、福利厚生の変更、
 研修の実施をする or しない等、、、
 確かに必ず反対する人いますね)

その中でどのようにして人を巻き込んで、
施策を打ち立て、進めていくのか。。。

具体的な事例と、
参加者の皆様同士の対話が溢れた時間でございました。

ご参加いただきました皆様、
有り難うございました!




さて、本日のお話です。

先日読んだ『U理論』が、
印象に残っており頭から離れません。

今日は本から学んだ話より
1つ印象に残ったお話を引用しながら、
皆様に気づきを共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【 「悩ましい問題」には、ルービックキューブを解くごとく向き合うこと 】


それでは、どうぞ。


■世の中には、
「悩ましい問題」が多々あるものです。

悩ましい問題と行っても色々ありますが、
その一つは、

人間関係、組織の問題、
社会問題などなど、

”人の心”が関わるようなものが多いかと。

悩ましさの原因は、

「どっちの立場もわかる」
「だから、どうしたらいいか断ずることができない」

となり、ゆえに

・どちらか一方の権力による決定や、
 感情的な行動、法律に訴えかけた強制力等々により、
 問題を力ずくで終わらせる、

とか、あるいは

・解決しないから、問題と思いつつ、
 向き合うことがなく鈍い痛みを抱えたまま先送りする

ということになりがちです。

(後者のほうが多いかもしれませんね、、、)


■例えば、皆さまの周りの、
身近なチームや組織でもそうかもしれません。

よくあるのが、

”「営業」✕「開発」のすれ違い”

などもそう。

・営業= 「売れない商品を作る”開発”が悪いんだ」
・開発= 「きちんとお客様に価値を伝えられない”営業”が悪いんだ」

というように、双方一理あり
どらの話もわかる話ではある。

なんとも解決策が見つけづらい。


あるいは、夫婦間の問題や、
家族の問題、友人関係の問題なども、

どちらが悪いとも言えず、
状況を聞くとどちらの思う気持ちもわかる、

、、、なる話もあるものです。


■いずれにせよ、

「悩ましい問題」

とは、見渡してみると実に多く転がっています。

そして、その多くは、その悩ましさゆえ、
明確な解決策がないまま、ずっと継続する、

、、、というこれまた”悩ましい”状況が、
ままあるものです。


■そんな中、先日読んだ著書、
『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』にて、
面白いお話が紹介されていました。

話としては、

「問題には2種類あり、その2種類を分けて考えること」

という説です。

内容を要約すると以下のようなお話。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

問題には、

「ジグソーパズル型問題」と「ルービックキューブ型問題」

の2種類がある。


「ジグソーパズル型問題」は、”煩雑(はんざつ)な問題”。

ジグゾーバズルには、たくさんのピースがある。
しかし、一つ一つのピースを専門家がきちんとした工程で、
きちんとした場所に配置し、繰り返していくことで完成に近づいていく。


例えば、「月にロケットを飛ばす」ということも、
ジグゾーパズル型問題、と言えるだろう。

物理学者や、工学博士や、設計のプロ、
エンジニア、宇宙飛行士、、、

関わる「ピース」は多いものの、

目標達成のための一つ一つのピースを、
一つずつ埋めていき、PDCAを回すことにより、
感性には近づいていく。

加えて、一度そのプロセスを完成させてしまえば、
自戒からも同じプロセスで問題解決、目標達成ができる。


そのような”煩雑(はんざつ)な問題”を
「ジグソーパズル型の問題」としている。



一方、別のタイプの問題がある。

それは『ルービックキューブ型の問題』である。

この問題の特徴は、”複雑(ふくざつ)な問題である”ということ。

その複雑さの原因は、

”自分の行った一手が、自分の想像を超えた形で
 他に影響を与えるから”

である。

例えば「あっちを立てればこっちが立たず」というように、
問題のパーツが相互依存的な関係になっている状態などがそう。

例えば、「新しい戦略」を実行しようとする役員。
でも、「現場の社員のモチベーション」が大事というマネージャー。
「お客様の気持ち」を見ていないという現場社員。

そして実は、そもそも経営が信頼できない、などという
「信頼関係」の問題がそこに重なってくる。

、、、どれもが”真なり”で、
どちらか1つだけみて解決しようとすると

まるでルービックキューブのように

「ある一面はきれいに色が揃えようとしても
 別の側面がバラバラである」

というように。



「ジグゾーパズル型」の問題が、
理論とPDCAをまわせて基本良いことに比べ、

”ルービックキューブ型”の問題は

「他人への信頼の問題」
「お互いの関係性の問題」
「その人自信の過去の辛い体験」

など、特にお互いの存在と関係性が、

まるで車のエンジンと、
ハンドルとアクセル、ブレーキの関係のような

「相互依存的システム」

となっているため、

どちらか1つだけ完璧にすれば良いと言うことはないのです。

全体を、
一つの生命体として健全にするためには、

”それぞれの役割そのもの”だけでなく
”連動するつながりの部分”を見ていかないと、

全体としての問題解決を測れない。

、、、それが「ルービックキューブ型問題」の特徴である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

というようなお話でした。


(上記、私の解釈を含め書いております)


■しかし、マネージャーが、メンバーを育成する際や、
あるいは組織の問題解決するときにやってしまいがちなのが、


【「ルービックキューブ型問題」なのに、
 「ジグソーパズル型問題」のように考えてしまう】


ということ。


もし「ジグゾーパズル」のように問題を捉えてしまうと、

”論理”だけ先行して
”感情”がついてこなかったり、

論理を動かせない
”みえない関係性”などの問題を、
無視することになります。


「いや、理屈で考えたらこうするしかないでしょ」

「問題を戦略的かつ分析的に考えたら、
 こうしかないでしょ。ちゃんとやってくださいよ」

といわれ、否定のしようはないものの、
面従腹背で、結局、事なかれ主義で物事が動かない、、、

というように。


■冷静に、「論理」を押し出しても、
一向に動かないのは、その問題の本質が


「ジグソーパズル型問題」ではなく、
「ルービックキューブ方問題」である


ことが原因かもしれません。


よくあるコンサルが「素晴らしい戦略」を描いても、
社内のいろいろな「わだかまり」と称される、
システム全体に課題があると、

いくら仕組みを導入しても前に進まない、
ということが起こりえます。


そんな時は、

”一つ一つのピースではなく、
 システム全体でその物事を直視し、
 問題に向き合う必要がある”

のでしょう。



■そしてルービックキューブ型の問題に切り込むには、

それぞれの自己開示や、
勇気を持つこと、
あるいはそれを言える安全な環境づくりなど、

様々な条件が求められます。

問題の認識の仕方を捉えたからといって、
すぐに変わるものではありませんが、

かといって、
問題の視点を変えなければ、
前に進まないことも一つの事実。

ゆえに、まずは問題の捉え方、
自分がどう捉えているかを見つめることが、
第一歩になることもあるのではないか、

そんなことを思う次第です。



皆様の周りには、どんな悩ましい問題がありますか?

その問題を「ジグゾーパズル型問題」、
あるいは「ルービックキューブ型」、
いずれの視点と認識されていましたか?


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<本日の名言>
人間は犬に似ている。
遠くで他の犬が吠えるのを聞いて、
自分も吠える。

ヴォルテール
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