「悩ましい問題」には、ルービックキューブを解くごとく向き合うこと
(本日のお話 3093字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、某グローバル企業の、
人事役員の方を招いて行った人事勉強会
”現役人事役員から学ぶ「人事の✕✕」~会社で聞けない人事の話~
の開催でした。
「人事」については、
誰もが反対しようと思えば反対しうると言う仕事であり、
(例えば、給与改定や、福利厚生の変更、
研修の実施をする or しない等、、、
確かに必ず反対する人いますね)
その中でどのようにして人を巻き込んで、
施策を打ち立て、進めていくのか。。。
具体的な事例と、
参加者の皆様同士の対話が溢れた時間でございました。
ご参加いただきました皆様、
有り難うございました!
*
さて、本日のお話です。
先日読んだ『U理論』が、
印象に残っており頭から離れません。
今日は本から学んだ話より
1つ印象に残ったお話を引用しながら、
皆様に気づきを共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【 「悩ましい問題」には、ルービックキューブを解くごとく向き合うこと 】
それでは、どうぞ。
■世の中には、
「悩ましい問題」が多々あるものです。
悩ましい問題と行っても色々ありますが、
その一つは、
人間関係、組織の問題、
社会問題などなど、
”人の心”が関わるようなものが多いかと。
悩ましさの原因は、
「どっちの立場もわかる」
「だから、どうしたらいいか断ずることができない」
となり、ゆえに
・どちらか一方の権力による決定や、
感情的な行動、法律に訴えかけた強制力等々により、
問題を力ずくで終わらせる、
とか、あるいは
・解決しないから、問題と思いつつ、
向き合うことがなく鈍い痛みを抱えたまま先送りする
ということになりがちです。
(後者のほうが多いかもしれませんね、、、)
■例えば、皆さまの周りの、
身近なチームや組織でもそうかもしれません。
よくあるのが、
”「営業」✕「開発」のすれ違い”
などもそう。
・営業= 「売れない商品を作る”開発”が悪いんだ」
・開発= 「きちんとお客様に価値を伝えられない”営業”が悪いんだ」
というように、双方一理あり
どらの話もわかる話ではある。
なんとも解決策が見つけづらい。
あるいは、夫婦間の問題や、
家族の問題、友人関係の問題なども、
どちらが悪いとも言えず、
状況を聞くとどちらの思う気持ちもわかる、
、、、なる話もあるものです。
■いずれにせよ、
「悩ましい問題」
とは、見渡してみると実に多く転がっています。
そして、その多くは、その悩ましさゆえ、
明確な解決策がないまま、ずっと継続する、
、、、というこれまた”悩ましい”状況が、
ままあるものです。
■そんな中、先日読んだ著書、
『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』にて、
面白いお話が紹介されていました。
話としては、
「問題には2種類あり、その2種類を分けて考えること」
という説です。
内容を要約すると以下のようなお話。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
問題には、
「ジグソーパズル型問題」と「ルービックキューブ型問題」
の2種類がある。
「ジグソーパズル型問題」は、”煩雑(はんざつ)な問題”。
ジグゾーバズルには、たくさんのピースがある。
しかし、一つ一つのピースを専門家がきちんとした工程で、
きちんとした場所に配置し、繰り返していくことで完成に近づいていく。
例えば、「月にロケットを飛ばす」ということも、
ジグゾーパズル型問題、と言えるだろう。
物理学者や、工学博士や、設計のプロ、
エンジニア、宇宙飛行士、、、
関わる「ピース」は多いものの、
目標達成のための一つ一つのピースを、
一つずつ埋めていき、PDCAを回すことにより、
感性には近づいていく。
加えて、一度そのプロセスを完成させてしまえば、
自戒からも同じプロセスで問題解決、目標達成ができる。
そのような”煩雑(はんざつ)な問題”を
「ジグソーパズル型の問題」としている。
*
一方、別のタイプの問題がある。
それは『ルービックキューブ型の問題』である。
この問題の特徴は、”複雑(ふくざつ)な問題である”ということ。
その複雑さの原因は、
”自分の行った一手が、自分の想像を超えた形で
他に影響を与えるから”
である。
例えば「あっちを立てればこっちが立たず」というように、
問題のパーツが相互依存的な関係になっている状態などがそう。
例えば、「新しい戦略」を実行しようとする役員。
でも、「現場の社員のモチベーション」が大事というマネージャー。
「お客様の気持ち」を見ていないという現場社員。
そして実は、そもそも経営が信頼できない、などという
「信頼関係」の問題がそこに重なってくる。
、、、どれもが”真なり”で、
どちらか1つだけみて解決しようとすると
まるでルービックキューブのように
「ある一面はきれいに色が揃えようとしても
別の側面がバラバラである」
というように。
*
「ジグゾーパズル型」の問題が、
理論とPDCAをまわせて基本良いことに比べ、
”ルービックキューブ型”の問題は
「他人への信頼の問題」
「お互いの関係性の問題」
「その人自信の過去の辛い体験」
など、特にお互いの存在と関係性が、
まるで車のエンジンと、
ハンドルとアクセル、ブレーキの関係のような
「相互依存的システム」
となっているため、
どちらか1つだけ完璧にすれば良いと言うことはないのです。
全体を、
一つの生命体として健全にするためには、
”それぞれの役割そのもの”だけでなく
”連動するつながりの部分”を見ていかないと、
全体としての問題解決を測れない。
、、、それが「ルービックキューブ型問題」の特徴である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というようなお話でした。
(上記、私の解釈を含め書いております)
■しかし、マネージャーが、メンバーを育成する際や、
あるいは組織の問題解決するときにやってしまいがちなのが、
【「ルービックキューブ型問題」なのに、
「ジグソーパズル型問題」のように考えてしまう】
ということ。
もし「ジグゾーパズル」のように問題を捉えてしまうと、
”論理”だけ先行して
”感情”がついてこなかったり、
論理を動かせない
”みえない関係性”などの問題を、
無視することになります。
「いや、理屈で考えたらこうするしかないでしょ」
「問題を戦略的かつ分析的に考えたら、
こうしかないでしょ。ちゃんとやってくださいよ」
といわれ、否定のしようはないものの、
面従腹背で、結局、事なかれ主義で物事が動かない、、、
というように。
■冷静に、「論理」を押し出しても、
一向に動かないのは、その問題の本質が
「ジグソーパズル型問題」ではなく、
「ルービックキューブ方問題」である
ことが原因かもしれません。
よくあるコンサルが「素晴らしい戦略」を描いても、
社内のいろいろな「わだかまり」と称される、
システム全体に課題があると、
いくら仕組みを導入しても前に進まない、
ということが起こりえます。
そんな時は、
”一つ一つのピースではなく、
システム全体でその物事を直視し、
問題に向き合う必要がある”
のでしょう。
■そしてルービックキューブ型の問題に切り込むには、
それぞれの自己開示や、
勇気を持つこと、
あるいはそれを言える安全な環境づくりなど、
様々な条件が求められます。
問題の認識の仕方を捉えたからといって、
すぐに変わるものではありませんが、
かといって、
問題の視点を変えなければ、
前に進まないことも一つの事実。
ゆえに、まずは問題の捉え方、
自分がどう捉えているかを見つめることが、
第一歩になることもあるのではないか、
そんなことを思う次第です。
皆様の周りには、どんな悩ましい問題がありますか?
その問題を「ジグゾーパズル型問題」、
あるいは「ルービックキューブ型」、
いずれの視点と認識されていましたか?
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<本日の名言>
人間は犬に似ている。
遠くで他の犬が吠えるのを聞いて、
自分も吠える。
ヴォルテール
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