今週の一冊 『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
(本日のお話 2322字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、読書。
また川沿いを散歩しながら、英語の学習。
ならびに年明けの計画などでした。
良い感じにスイッチが、
切り替わってきています。
明日からが楽しみ(な気がする!)。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、オススメの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
エリック・バーカー (著), 橘玲 (監修, 翻訳),
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です。
■世の中には、数多の
「自己啓発本」
と呼ばれる類のものが、
たくさん出版されていますね。
そして、それらの本には、
いわゆる”成功”のためには、
・他者にはまず与えることから始めよう、
・継続は力なり、とにかく諦めないこと
・相手を信じ続けよ
・色んな人との繋がり、ご縁を大切にせよ、
などなど、
数多くの「成功のための考え方」が
紹介されています。
■自己啓発本、ビジネス本、
その境目は曖昧ですが、
”自分をより良くしていく、より高めていく、
そして成功を求める系の本”
では、同じような話が
手を変え品を変え、何度も登場します。
これらの本を手に取られたことがある方であれば
おそらく、ご認識の通りかと。
■「自己啓発本」の特徴とは、
”一見、否定のしようがなさそうな書いてある”
ところにあります。
例えば、
「人を信じる」
というのもその一つでしょう。
”人を信じ、人間性を磨く。
その行為によって、人から信頼され
巡り巡って、望ましい結果が手に入るものだ”
その意見とともに、
「成功のエピソード」がここぞとばかりに語られたら、
「信じるって大事なんだ!」
となって然るべきかと思います。
(そして、実際、私も大事だと思います)
■しかし、よくよく考えると、
ある疑問が浮かぶのです。
現実、本当にそうなのか。
本当に、信じれば、成功するのか?
例えば、周りの環境が、
したたかに出し抜いてやろう、と思う集団だったとしても?
その「人を信じる」は、通用するのか?
、、、と。
これらのそれぞれについて、
殆どの場合の実験をしていないのです。
データの正確さを見極める、
「二重盲検法」とか「ランダム化対照実験」
みたいな話はされず、
「世の原則です」
で終わることも、多くなってしまう。
そして、自己啓発本は
(これが悪いと言っているわけではないのですが)
傾向として、科学的に証明できないことの集合体になりがちで、
よって、その”自己啓発”という、
ちょっと胡散臭さを感じる人もいる状況を、
払拭できないのであろう、とも思うのです。
■そんな状況に対して、今回ご紹介の、
『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
の一冊。
これは、その状況に、
”一矢報いた”一冊である、
私はそう感じております。
■それは、なぜか。
例えば、上記に紹介した、
「人を信じる」
という行為において、
1,「人を信じ続けたほう」がよいのか
2,「人を疑ってかかったほう」がよいのか
3,「信じる&疑う」のミックスがよいのか。
そのバランスはどれくらいがベストか
のそれぞれの選択肢において、
『どのチョイスが実験から、
もっとも成功確率が高いのか』
を、大学教授の研究、社会学の実験のデータ等々を駆使し、
説得力のある答えを導き出しています。
数多くあるエビデンス。
しかし、散らばっているものを、
うまく統合させて、一つにまとめたイメージ。
■科学できない”意見”に見える、
自己啓発的な見解を、データを駆使して、
”成功の確率を高める最も有用な行動はなにか”
を示していく。
ここが著書の最大の特徴であり、
お勧めポイントです。
(ちなみに、「人を信じるかどうか」の、
実験結果による結論は、
『しっぺ返し戦略』
が”「人生というゲーム」では、
最も有効であるとのこと。
ステップは、
1,最初は、「人を信じる」から始める
2,もし相手が裏切ってきたなら、自分もやり返す(=しっぺ返し)
相手が信じてきたら、自分も信じる
3,以降、繰り返す
という戦略が、シミュレーションによると、
もっとも得る結果の総和が大きくなる、とのこと。
続きの話もあるので、
詳しくは著書を読んでみてくださいね!)
■本は400ページ超と分厚いのですが、
アメリカで30万人の読者を誇る人気ブログ、
『Barking Up the Wrong Tree』
(※意味:間違った人やものに注意や努力を向けること)
が元になっており、ブログの中でも
特に反響が高かった記事を書籍化したとのこと。
ゆえに、全部面白いです。
かつ、エビデンス付きで、
分厚いのに、密度が高い話ばかり。
私(紀藤)がこの数年間で
読んできた本の諸々の法則が、
ものの見事に集約されていました。
エビデンスの実験の根拠など気になる方には、
少し薄い内容と感じられるかもしれませんが、
贅沢な本だと感じました。
以下、本の内容紹介です。
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世の中のありとあらゆる「成功ルール」を検証した全米ベストセラー。
あなたがこのままではダメになる理由とこれからうまくいく方法、
ぜんぶ最新の証拠(エビデンス)をつけて教えます!
◎あなたは成功者の実像を間違えていませんか?
・成功者は優秀?――NO! アメリカの大富豪の大学での成績はよくない
・成功者は社交的?―― NO! 第一線の専門家やトップアスリートの9割は、「内向的」
・成功者は健康?―― NO! シリコンバレーの成功者の多くは精神疾患スレスレ
◎最先端の「成功サイエンス」を知っていますか?
・世界を変えるのは、あなたの「長所」ではなく「欠点」
・自信より大切な「自分への感情」とは?
・10年前には存在しなかった新しい「巨大ストレス」と予防法
アダム・グラント、ダニエル・ピンク・・・有名作家がこぞって絶賛!
「ニューヨーク・タイムズ」や「ウォール・ストリート・ジャーナル」で
何度も記事が引用されている「米最重要ブロガー」衝撃のデビュー作!
2017年上半期、米アマゾンが選ぶ「ベストビジネス書」の1冊にも選定!
※『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
Amazon 内容紹介より引用
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「成功法則」系の本が好きな人は、
ぜひ、読んで損はない一冊。
お勧めです。
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<今週の一冊>
『残酷すぎる成功法則 ー9割まちがえる「その常識」を科学するー』
エリック・バーカー (著), 橘玲 (監修, 翻訳),
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