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2155号 2020年1月15日

任せず、委ねず、最後は自分で決める

(本日のお話 2365字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は終日、フランクリン・コヴィーの
管理職向け『スピード・オブ・トラスト』の研修。

これは、
米国のCEOが選ぶNo1の本(2007年)に
選ばれた本をテーマにしたものでもあります。

「信頼」とは目に見えないものですが、

・信頼できる上司、
・信頼できるチーム、
・信頼できるお客様、

の間では、確かにパフォーマンスが高まる、
これは感覚的に何となくわかっていることかと。

敢えて、普段考えない

”意図して信頼を築く”

という方法を考える良い機会だなあ、
とお伝えする側ながら考えておりました。

皆さまに、良い気付きがあられたことを願いつつ。
(ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

先日読んだ本(とマンガ)の言葉が、
未だに私の中に残っています。

今日はその本の内容から、
大切だと思ったことについて、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【 任せず、委ねず、最後は自分で決める 】


それでは、どうぞ。


■先日読んだ本。

『僕は、死なない。』という、
がん闘病から復活した方のお話の中で、

著者が「逃げること」について
このように語っていました。

(以下、引用です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「逃げる」という選択は、

全てを医者任せ、病院任せにしてしまい、
治療と正面から向き合わないということ。

治療のことは知りたくない。
怖いことは知りたくない。

だから全て病院と医者に任せて、
病気のことはなるべく考えないようにする、という選択。

いいお医者さんもたくさんいることは事実だけれど、
医者は神ではない。

自分の命を全うさせられるのは、自分しかいない。

※引用:『僕は、死なない。』(著:刀根健)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■「逃げる」とは、すなわち

『全てを誰か、あるいは何かに任せ、正面から向き合わない』

こと。

なるほど、たしかにそうだよな、
と深く考えさせられました。


■もう一つ、先日読んだ本
(というかマンガ)。

『賭博黙示録 カイジ』

という作品があるのですが、
その中で、こんなストーリーがあります。

※ちなみに、どんな話かわからない方もいると思うので、
 簡単にお伝えすると、

 借金を負ってしまった主人公カイジが、
 ギャンブルでの成り上がりを目指す漫画です。

 社会において完全に「負け組」だったカイジが、
 戦いを通じて(ギャンブルですが)少しづつ希望の光を取り戻していく、
 というサクセス(?)ストーリー。

 マンガですが、人間存在を感じさせられる
 名言・格言がコレでもかというほど散りばめられ、面白いです。


■その中のある物語で、

”己の命をかけたギャンブルをやっている、
まさにその真っ只中”

というシーンがあります。

主人公カイジに、ある怪しげな男性が、
「一緒に組もう」「こうすれば勝てる」と誘われます。

一見、信頼できるその男。
そして、人生をかけた場面。
不安、誰かに頼りたい、そんな甘えが心に芽を出します。

結果、その説得にのってその男を信頼し、
結果、騙され、全てを奪われます。

その際に、主人公のカイジは、
涙を流しながら、こう言います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「なんであんな奴を信用しちまったんだ。

 この勝負は重要だと・・・
 大事な勝負だと・・・
 
 わかっていながら
 なぜ自分で考えなかった・・・?

 決めなかった・・・?

 なぜ他人に・・・
 その行末を委ねちまったんだ・・・・?」

※引用:『賭博黙示録 カイジ』より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

と。

■その中でカイジの言葉からは、
こんなメッセージが感じ取られる気がしました。

「真剣に戦わない」とは
すなわち「逃げておる」とは、


『大事なことを、他人に委ねてしまう』


ではないか。


■そして、これらの2つの本の話を、
私達の状況に置き換えるに、

このような「逃げる」or「戦う」の間にあること、
どこそこにあるのではないか、と思ったのです。



例えば、

「信頼している上司の◯◯さんが言っていたから」とか、

「師匠と仰いでいる△△さんが、こう言っていたから」とか、

「有名なその道の、権威の先生が語っていたから」

ということで、

「自分の思考を停止」し、
盲目的にその言葉を信じようとする。

自分で決めることを放棄し、委ねてしまう。
そして失敗しても、その権威の言葉に従ったから、
自分のせい、という感覚は薄れ、傷つかない。

それを心のどこかで期待し、
誰かに、何かに「答え」を求める、

というように。


■足を使って色々な人に相談に行ったり、
話を聞きに行ったりすることは、もちろん大事です。

でも最後の最後は、
いくら相談しても、悩んでも、
話を聞いて、選択肢が増え、決めることに躊躇しても、


【任せず、委ねず、最後は自分で決める】


という覚悟を、
”あらゆることに持つこと”が、
極めて重要だと思ったのです。


■そしてそれは、
「対個人」だけでなく、

「会社」に対しても、
「社会」に対しても同じ。


大人になった今、

”誰かが自分の人生の面倒を見てくれるということは、
 盲目的に期待してはいけない”

と私は感じるのです。


■先日1月13日の日経新聞の朝刊一面に、


『「黒字リストラ」拡大、昨年9100人
  デジタル化に先手』


という、見出しが大きく掲載されていました。

好業績のうちに人員削減策を打ち出す、
という考えで人員を整理している上場企業が増えた、

という内容でしたが、

歴史から見ても、
ひとたび景気が悪くなり、
企業が業績悪化をすれば、
組織は組織で、中長期的な生き残りをかけるために、

”貢献をしていなかった”とみなされる人員は、
当然ながら、整理されていきます。

そして、そういったタイミングが、
次いつ来るかはわからない。

そして、日本全体も、
その人口構造と産業から、
このままいけば、右肩下がりです。


■そんな時に、
「きっと誰かが、なんとかしてくれる」
と盲目的に信じ続けて、

特に自分の力量も磨かず、
外に言っても戦える力も身に付けず、
誰かに、何かに依存する事が、多いのだとしたら。

それは、気づいていてもいなくても、
「考えることを放棄している」だけで、
もしかすると、先述の本のように


『全てを任せ、正面から向き合わないこと』
『大事なことを、他人に委ねてしまう』


になっているかもしれない、
そのように思ったのでした。


■悲観的かもしれませんが、

何かあった時に生き残れる

と思えることは、
自分の心の安定を持つ上で、
強さを得続けるために、

とても大事だと私は思います。


■だからこそ、

仕事でも、体のことでも、
自分のキャリアのことでも、
人間関係のことでも、

向き合いたくない、
真剣に考えることは怖い、

と思ったことでも、


【任せず、委ねず、最後は自分で決める】


という覚悟が重要なのでしょう。
自戒を込めて。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまにとって、本日も素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

勇気とは、恐怖心を抱いていないことではなく、
恐怖心を抱いていても行動する度胸があることだ。

アレクサンダー・ロックハート(アメリカの作家)

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