任せず、委ねず、最後は自分で決める
(本日のお話 2365字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は終日、フランクリン・コヴィーの
管理職向け『スピード・オブ・トラスト』の研修。
これは、
米国のCEOが選ぶNo1の本(2007年)に
選ばれた本をテーマにしたものでもあります。
「信頼」とは目に見えないものですが、
・信頼できる上司、
・信頼できるチーム、
・信頼できるお客様、
の間では、確かにパフォーマンスが高まる、
これは感覚的に何となくわかっていることかと。
敢えて、普段考えない
”意図して信頼を築く”
という方法を考える良い機会だなあ、
とお伝えする側ながら考えておりました。
皆さまに、良い気付きがあられたことを願いつつ。
(ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
先日読んだ本(とマンガ)の言葉が、
未だに私の中に残っています。
今日はその本の内容から、
大切だと思ったことについて、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【 任せず、委ねず、最後は自分で決める 】
それでは、どうぞ。
■先日読んだ本。
『僕は、死なない。』という、
がん闘病から復活した方のお話の中で、
著者が「逃げること」について
このように語っていました。
(以下、引用です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「逃げる」という選択は、
全てを医者任せ、病院任せにしてしまい、
治療と正面から向き合わないということ。
治療のことは知りたくない。
怖いことは知りたくない。
だから全て病院と医者に任せて、
病気のことはなるべく考えないようにする、という選択。
いいお医者さんもたくさんいることは事実だけれど、
医者は神ではない。
自分の命を全うさせられるのは、自分しかいない。
※引用:『僕は、死なない。』(著:刀根健)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■「逃げる」とは、すなわち
『全てを誰か、あるいは何かに任せ、正面から向き合わない』
こと。
なるほど、たしかにそうだよな、
と深く考えさせられました。
■もう一つ、先日読んだ本
(というかマンガ)。
『賭博黙示録 カイジ』
という作品があるのですが、
その中で、こんなストーリーがあります。
※ちなみに、どんな話かわからない方もいると思うので、
簡単にお伝えすると、
借金を負ってしまった主人公カイジが、
ギャンブルでの成り上がりを目指す漫画です。
社会において完全に「負け組」だったカイジが、
戦いを通じて(ギャンブルですが)少しづつ希望の光を取り戻していく、
というサクセス(?)ストーリー。
マンガですが、人間存在を感じさせられる
名言・格言がコレでもかというほど散りばめられ、面白いです。
■その中のある物語で、
”己の命をかけたギャンブルをやっている、
まさにその真っ只中”
というシーンがあります。
主人公カイジに、ある怪しげな男性が、
「一緒に組もう」「こうすれば勝てる」と誘われます。
一見、信頼できるその男。
そして、人生をかけた場面。
不安、誰かに頼りたい、そんな甘えが心に芽を出します。
結果、その説得にのってその男を信頼し、
結果、騙され、全てを奪われます。
その際に、主人公のカイジは、
涙を流しながら、こう言います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なんであんな奴を信用しちまったんだ。
この勝負は重要だと・・・
大事な勝負だと・・・
わかっていながら
なぜ自分で考えなかった・・・?
決めなかった・・・?
なぜ他人に・・・
その行末を委ねちまったんだ・・・・?」
※引用:『賭博黙示録 カイジ』より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と。
■その中でカイジの言葉からは、
こんなメッセージが感じ取られる気がしました。
「真剣に戦わない」とは
すなわち「逃げておる」とは、
『大事なことを、他人に委ねてしまう』
ではないか。
■そして、これらの2つの本の話を、
私達の状況に置き換えるに、
このような「逃げる」or「戦う」の間にあること、
どこそこにあるのではないか、と思ったのです。
*
例えば、
「信頼している上司の◯◯さんが言っていたから」とか、
「師匠と仰いでいる△△さんが、こう言っていたから」とか、
「有名なその道の、権威の先生が語っていたから」
ということで、
「自分の思考を停止」し、
盲目的にその言葉を信じようとする。
自分で決めることを放棄し、委ねてしまう。
そして失敗しても、その権威の言葉に従ったから、
自分のせい、という感覚は薄れ、傷つかない。
それを心のどこかで期待し、
誰かに、何かに「答え」を求める、
というように。
■足を使って色々な人に相談に行ったり、
話を聞きに行ったりすることは、もちろん大事です。
でも最後の最後は、
いくら相談しても、悩んでも、
話を聞いて、選択肢が増え、決めることに躊躇しても、
【任せず、委ねず、最後は自分で決める】
という覚悟を、
”あらゆることに持つこと”が、
極めて重要だと思ったのです。
■そしてそれは、
「対個人」だけでなく、
「会社」に対しても、
「社会」に対しても同じ。
大人になった今、
”誰かが自分の人生の面倒を見てくれるということは、
盲目的に期待してはいけない”
と私は感じるのです。
■先日1月13日の日経新聞の朝刊一面に、
『「黒字リストラ」拡大、昨年9100人
デジタル化に先手』
という、見出しが大きく掲載されていました。
好業績のうちに人員削減策を打ち出す、
という考えで人員を整理している上場企業が増えた、
という内容でしたが、
歴史から見ても、
ひとたび景気が悪くなり、
企業が業績悪化をすれば、
組織は組織で、中長期的な生き残りをかけるために、
”貢献をしていなかった”とみなされる人員は、
当然ながら、整理されていきます。
そして、そういったタイミングが、
次いつ来るかはわからない。
そして、日本全体も、
その人口構造と産業から、
このままいけば、右肩下がりです。
■そんな時に、
「きっと誰かが、なんとかしてくれる」
と盲目的に信じ続けて、
特に自分の力量も磨かず、
外に言っても戦える力も身に付けず、
誰かに、何かに依存する事が、多いのだとしたら。
それは、気づいていてもいなくても、
「考えることを放棄している」だけで、
もしかすると、先述の本のように
『全てを任せ、正面から向き合わないこと』
『大事なことを、他人に委ねてしまう』
になっているかもしれない、
そのように思ったのでした。
■悲観的かもしれませんが、
何かあった時に生き残れる
と思えることは、
自分の心の安定を持つ上で、
強さを得続けるために、
とても大事だと私は思います。
■だからこそ、
仕事でも、体のことでも、
自分のキャリアのことでも、
人間関係のことでも、
向き合いたくない、
真剣に考えることは怖い、
と思ったことでも、
【任せず、委ねず、最後は自分で決める】
という覚悟が重要なのでしょう。
自戒を込めて。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまにとって、本日も素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
勇気とは、恐怖心を抱いていないことではなく、
恐怖心を抱いていても行動する度胸があることだ。
アレクサンダー・ロックハート(アメリカの作家)
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