今週の一冊『経営者に贈る5つの質問』
(本日のお話 2776字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
終日とある勉強会への参加でした。
研修をやるほうも、
受ける方もとても好きなので、
改めて「教育」というのは天職だな、、、
と感じております。
(ありがたや、ありがたや)
そういう意味でも、
より価値を与えられるよう、
もっと頑張ろう!と気持ちを新たにしております。
今週も頑張るぞー。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『経営者に贈る5つの質問』
P.F.ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478067562/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_07rsEbDNZKNJB
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です。
■本題に入る前に、私が思う、
「良い本との出会い方」について、
ちょっとだけシェアさせてください。
少し前にみた映画で、
『恋は雨上がりのように』
https://www.toho.co.jp/movie/lineup/koiame-movie.html
という青春ど真ん中ストライクの作品があります。
(すこぶる爽やかな気持ちなる、
個人的な大ヒット作品、超おすすめ!)
■その映画のワンシーンで、
大泉洋さん演じる、
45歳のファミレス店長(小説家志望)が、
小松菜奈さん演じる
17歳、諸々悩んでいる高校生に
図書館にて本の選び方について答える場面があります。
その際に、
『これだけ本があるんだ。
今、君に必要な本が、
きっとどこかで呼んでいるはずだよ』
という、なんとも
ロマンチックな回答をします。
■これ、この回答。
私もそんなに多読化ではないながら、
思うのですが、
『良書との出会い』
とは、こんな、
「ビビッと来る感覚を大切にするとよい」
と思っております。
(ちょっと古いかな、、、)
■私の場合、面白そう!と思ったら、
Amazonで”即ポチ”をするタチなので、
家には読めていない”積読本”が、
山のように積み重なっています。
その中で、
「今週の一冊何にしようかなー」
と手にとって本を読む、
ということを毎週するのですが、
面白いことに、
「たまたま手にとった一冊」が
今の自分に、クリーンヒットすることが実に多い。
本当に、びっくりするくらい多いのです。
げに不思議なものだなあ、と毎回感じますし、
ゆえに、
自分の心の琴線が震えそうな本を、
積ん読本として手元に置いておくだけでも、
理屈はないですが、
自分が求めているヒントをくれる仕組みになる。
そんなことを思ったのでした。
(、、、と「今週の一冊」と、
あんまり関係ないのですが、
どうしても共有したくなったので、
お伝えさせていただきました!)
■さて、ここから本題の、
今週の一冊のお話。
今週の一冊の、
『経営者に贈る5つの質問』は、
「これから何度も読み返すであろう一冊」
になったであろう、
という予感にあふれております。
■かの有名な、
「ドラッカーの5つの問い」
について、その意図を本人と、
また世界のリーダーから解説がされている
140ページ程度の、ごくごく短い本です。
※ちなみにドラッカー5つの問いとは、
以下の5つです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ドラッカー5つの問い>
質問1:われわれのミッションは何か?
質問2:われわれの顧客は誰か?
質問3:顧客にとっての価値は何か?
質問4:われわれの成果は何か?
質問5:われわれの計画は何か?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
故ピーター・ドラッカーが、
元々、非営利組織のための経営ツールとして開発した、
シンプルな5つの問いです。
■たったこれだけと言えば、これだけ。
しかし、この5つの質問と、
それにまつわる140ページの中に詰まっている言葉と質問達は、
まさに”結晶”のごとく、キラキラと洗練され、輝いています。
■とても有名なので、
ビジネス書などお好きな方は、
ご存知の方も多いかと思います。
現在も、
多くの企業においても活用されており、
”われわれが今行っていること、
行っている理由、行うべきこと”
を知り、そして
・成果を最大化するために
・行動を促すための計画を作るために
・意志決定の基準をつくるために
・自分たちの能力と意欲をどこに向ける
ことを知るための強力なツールとされています。
■私も、常々考えます。
「自分たちのミッションとは?」
「お客様にとっての価値とは?」
「自分の会社の強みとはなにか?」
、、、ただ、この本と共に、
ドラッカーの問いの補足とともに歩む時間は、
また密度が違って感じるのです。
読みながら、改めて考えていたら、
気づいたら3時間も経っていました。
■例えば、
「質問2:われわれの顧客とは誰か?」
を、この本とともに考えてみました。
以前も、考えたことはあったのです。
当然、自分の活動対象としてのお客様
(お仕事をいただくクライアント)のことだ、
と考えていたのですが、
ドラッカーは、こうも投げかけてきます。
”活動対象としての顧客だけが顧客ではない。
パートナーとしての顧客(委託先、ボランティアなど支援者)が
満足しなければ成果をあげることはできない。”
、、、と。
■つまり、「お客様」だけではなく、
”自分たちの仲間となる社内顧客”
(企業でいえば社員や協力会社など)
も満足しないと成果は出せない、という。
そりゃそうだ。
言われてみれば、そのとおり。
重ねて続けるように、
こうも言います。
”そこで、パートナーとしての顧客を
活動対象としての顧客と並置したくなる。
しかし、組織が成果をあげるには、
その焦点はあくまでも活動対象としての
顧客に絞らなければならない”
、、、と。
「活動対象の顧客」と、
「パートナーとしての顧客」の差について、
改めて明確にする必要性を指摘をしてくれる。
ああ、、、自分、
そこまで解像度高く考えてなかったな(汗)
と考えさせられるのでした。
■皆さまにとっては、
当たり前の原則かもしれません。
でも、こうやって明確に言葉にされ、
質問されると、ずしりと、腹に響きます。
ああ、そういった視点なかったなあ、、、
そこまで深く、考えてなかったなあ、、、
と、
「腹に来る深い一発」
を、ドラッカーの知的な問いにより、
読み進めながら、うっ、、、うっ、、、と、
つい立ち止まってしまうのでした。
■巻末のあとがきに、
このような訳者からのコメントがあります。
”ゲーテやダンテにも教師はいた。
しかし彼らは、教師がもちえたいかなるスペックをも超えて成長した。
そのような最高の教師がもちうる最高の手法が「質問」である。”
あるいは、
”ドラッカーの没後、
ドラッカーの教え子とクライアントたちを歴訪して、
彼らがドラッカーから教わったことを取材して回ったエリザベス・ハース・イーダスハイム博士によれば、
彼ら弟子たちに与えられた教えのすべてが、質問によるものだったという
(『P・F・ドラッカー理想企業を求めて』)。”
と書かれています。
■「質問」のもたらす価値。
この威力を、考えさせられます。
ただ読むだけなら、
30分もいらない本です。
しかし、人を率いる人にとって、
またそうでない人でも、
この本に書かれている内容を、
時折立ち止まって考えることは、
「自分たちが存在する理由」
「何に、どのように力を尽くすのか」
など、本質的なこと向き合い、
気づきを得るための、
大変よい機会になると思います。
とても、お勧めです。
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<今週の一冊>
『経営者に贈る5つの質問』
P.F.ドラッカー (著), 上田 惇生 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478067562/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_07rsEbDNZKNJB
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