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今週の一冊 『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』

今週の一冊 『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』

2307号 2020年6月14日

(本日のお話 3354字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
月1回で参加している勉強会への参加。

間に1件のアポイントを挟んで
夜からはドラッカーマネジメントの勉強会の参加。

勉強会だらけの一日でございました。
思考を整理する良い時間になりました。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は
お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』
ピョートル・フェリクス・グジバチ(著)

https://www.amazon.co.jp/dp/4023317284/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_avB5Eb12MZ7VD via @amazonJP

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です。

■リモートワークが
一般的になった今、

「マネージャーの役割とは一体何か?」

が見直されているようです。

自分自身が明確な担当業務を持たず
戦略をチームに落としていく管理職が

これまでチームに
何を生み出してきたのか

その存在によって
本当に価値を生み出していたのか
改めて問われている、

そんなディスカッションが
NewsPicksのWeekly OCHIAIにて
語られていたような。

(「そんな管理職、不要っすよ!」みたいに
言われていたような気が、、、、)

■ちなみに、

リモートになって顕になった
”よろしくない管理職”には2種類ある、

といったゲストの話が
非常に興味を持ちました。

それは、

1,メンバーのことが信頼しきれず
今日は何やったの?ちゃんと働いているのか?
とマイクロマネジメント化する管理職

2,「どうぞ勝手にやって」とタスクだけ投げて
メンバーを完全放置になるパターン

この2パターンが
実は結構あるのでは、、、
という話です。

きっと組織内のどこそこで
起こっているのかもしれません。。。

■昨日私が参加した
ドラッカーの勉強会でも、

「マネジメントは”管理職”と訳されるが、実は違う。

ドラッカーの言うマネジメントの中で
「管理(=コントロール)」とは
マネージャーの役割のごく一部に過ぎない。

”管理職”というのは厳密には
誤解を招く訳ではないか」

という話が出ていました。

■また1on1、コーチング
色々なマネジメントの考えも出てきて、

管理型のマネジメントの強みも見直され、

かつ、このリモートワークの流れ。

ますますマネージャーの役割は
考えさせられているように見えます。

では、そんな中で

「マネージャー(管理職)の役割とは
一体何なのか?」

このことは気になるテーマでは
ないでしょうか?

■、、、と前置きが
長くなってしまいました。

上記の話に、興味・関心、共感
あるいは疑問をお持ちの方にオススメしたいのが
まさしく、今日ご紹介する一冊です。

『世界最高のチーム
グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』。

この本はGoogleの人事責任者であった
ピョートル氏が書いた

”成果を上げるチームの作り方”

をまとめた本です。

結論、

・めちゃくちゃわかりやすく読みやすい
・マネージャーの役割の全体像が理解できる

という意味で、
大変おすすめの本です。

平易な言葉、本も短い、データもある、
具体的なアクションも明確なので、
2時間位で読めて、お得。

■ではこの本、具体的に
何が書かれているのでしょうか?

少し見ていきましょう。



さて、著書のピョードル氏は
Googleの人事をしていた方なので、

Googleの優秀な働き方を参考に
私達に情報を伝えてくれています。

まず当たり前ですが、
Googleは超優秀な人たちの集団。

しかし、ピョートル氏曰く、

『Google の一番の魅力とは
チームを大事にするところである』

と語ります。

頭がいい人が集まっているから
Googleはすごいのではなく、
(もちろんそれはありますが)

何よりもその人達の才能を最大化させるための
チームづくりのアプローチがすごい、
というわけ。

■かつ「さすがGoogle!」です。

良いチームを作るための
マネージャーの役割についても
抽象的な、ざっくりした話ではなく、

・定量的な調査・分析が必須
・”事実やエビデンスベース”に落として
・根本まで因数分解して、再現性がある

レベルまで落とし込んで
「成果を上げるマネージャーの役割」を定義づけるのです。

それもそのはず、
Google のカルチャーは

そもそもエンジニアリングの会社で
博士号を持っている社員の割合はNASA よりも多い
そんな会社ですから、
雰囲気や根性論は許されません。

■そんな背景で

「マネージャーの役割や仕事」に関する
1万人の大規模社内調査を行いました。

まず最初に行われたのが
『Project oxygen(2009年)』。
(プロジェクト・オキシジェン=酸素)

このプロジェクトでわかったことは

【マネージャーの言動が、
チームのパフォーマンスに最も関係している】

ということでした。

そして、

”優秀なマネージャーは8つの特徴がある”

ことが判明します。

(以下内容です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<優秀なマネージャーの8つの特徴> byプロジェクト・オキシジェン

1,よいコーチである
2,チームを勢い付けて、マイクロマネジメント(チームメンバーに対する過度の監督・干渉)はしない
3,チームメンバーが健康に過ごすこと、成果を上げることに強い関心を持っている
4,生産的で成果主義である
5,チーム内の良き聞き手であり、メンバーと活発にコミュニケーションしている
6,メンバーのキャリアを形成を手助けしている
7,チームのためのはっきりしたビジョンや戦略を持っている
8,チームメンバーにアドバイスできる専門的技術知識を持っている
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして特にマネージャーにとって
一番大事なのは「1、よいコーチである」とのこと。

■そして続く2012年。

「生産性の高いチームの特性」

を明らかにするため、
『プロジェクト・アリストテレス』が発足しました。

エンジニアリングの115チームとセールスの65チームを対象に
生産性の高いチームと生産性の低いチームを比べて
どんな違いがあるのかを調査・分析する、というもの。

結果、わかったこと。

それは、「生産性の高いチーム」とは
5つの特徴を持つことがわかったのです。

(以下内容です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<生産性の高いチームがもつ5つの特徴> byプロジェクト・アリストテレス

1,チームの「心理的安全性」が高いこと
2,チームに対する「信頼性」が高いこと
3,チームの「構造が明瞭」であること
4,チームの仕事に「意味」を見出していること
5,チームの仕事が社会に対して「影響」をもたらすと考えていること

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■さて、この
プロジェクトオキシジェンと
プロジェクト・アリストテレスをみて、
どのようにお感じでしょうか?

私はこの話を見て、
とあるエピソードを思い出しました。

■それは、
しばしば研修に携わっている中で、
たまに人事や参加される管理職から
聞こえてくるコメントです。

最近は聞こえなくなりましたが
数年前までは本当に頻繁に聞いていました。

「メンバー自身の
ミッションや何を学びたいのかまで
面倒を見るのが会社の仕事なのか?」

「そういった自己啓発みたいなものは
会社ではなく、本人が考えるものではないか?」

という話。

■確かに、一理あるかもしれません。

給料をもらい、
仕事という”外的な役割”を軸に、

組織に集まっているのだから
「成果を上げる機能」のみ、
マネジメントすればいいんじゃない?

という、その人の人間性や
深い部分に踏み込むのが苦手だったり、

そのあたりを面倒くさいと考える方に
なんだか多いように見えます。

■ただ、もしその
「機能としてのメンバー」にのみ
フォーカスしていたら、先はありません。

『経営とは何をすべきか』
(著:ゲイリー・ハメル氏)

で語られる「能力のピラミッド」において

レベル1 従順
レベル2 勤勉
レベル3 専門性

という
「与えられた仕事や役割の枠」だけで
仕事をするまではいけるでしょう。

しかし、

レベル4 主体性
レベル5 創造性
レベル6 情熱

という更に上の段階まで
突破していくためには

「機能としての人」で見ても
決して突き抜けることはできない。

限界があるのです。

上述の、同書の中でこのように語られています。

”企業が繁栄するかどうかは、
あらゆる階層の社員の主体性、
想像力、情熱を引き出せるかにかかっている。

そしてそのためには、全員が自分の仕事、
勤務先やその使命と精神面で
強く繋がっていることが欠かせない”

、、、と。

■「人間」というのは
時にめんどくさいです。

家庭の状況や健康
趣味、将来の不安、、、

生身の生き物が関わり、
やりがいやそれに伴い
パフォーマンスも上がり下がりする。

Googleで働けるような
自立した社員ばかりではないほうが
むしろ普通の会社は多いのでしょう。

ゆえに,

・規律を守る
・成果を出せない社員に対して責任をもたせる
・成果へのコミットを果たす

等の当たり前を徹底させるところから始まり、
(これだけでも大変)

その上で、

・よいコーチである
・チームの信頼性を高める
・ビジョン/戦略を示す

と更にレベルの高いことも求める。

一体どこまでやればよいのか、、、
というマネージャーの気持ちも分かります。
むしろ職人芸ともいえるレベルなのかもしれません。

■しかしながら幸いにも、
今回のご紹介した本のように

「マネージャーが持つべき役割」

が組織開発、人材開発の知見が
公開されることで、明確にされてきています。

ゆえにこのような著書を通じて

・今のマネージャーとして
自分自身に足りないものは何なのか

・自社のマネージャーに
足りないものは何なのか

について、
足りないピースを考えるように
自覚的になるヒント得られるはず。

■ もちろん、実践をするためには
数多のチャレンジが必要でしょう。
しかしまず全体像を見る上で
非常に読みやすく
噛み砕いて伝えてくれている良書です。

マネジメントに携わる方で
ご興味がある方はぜひ。

お役に立つはずです。

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<今週の一冊>

『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』
ピョートル・フェリクス・グジバチ(著)



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