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2361号 2020年8月7日

100人シェアハウスの経営者が語る「就活シェアハウス」が上手く行かない理由と多様性の作り方

(本日のお話  2445字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
ならびに、1件のコーチング(受ける方)。
また、1件のシステムコーチングの実施でした。



さて、本日のお話です。

先日、私の友人で
シェアハウスの会社を経営している方から
ある興味深い話を聞きました。

テーマは「多様性」について、です。

今日はこのお話について
学びと気付きを皆さまに
お伝えさせていただければと思います。

タイトルは、

【100人シェアハウスの経営者が語る
「就活シェアハウス」が上手く行かない理由と多様性の作り方】

それでは、どうぞ。

■私の古い友人の
平岡雅史君(株式会社絆人 代表)という方が、
千葉の柏市にて

『HASH196』

というシェアハウスを
経営しています。

https://kizunaya-s.com/6920-2/

このシェアハウスは、
大型国際交流シェアハウスがコンセプトで、
100人住める、非常に大規模なシェアハウス。

最近は、「家族フロア」も出来たとのことで
7家族、8人の子供がいる(!)そうです。

■話を聞くと、まるで「村」。

男性、女性、
外国人、家族、子供、
年齢も様々で、まさに村、
否、ジャングルのようです。

子どもたちが共有フロアで
飛び跳ねている中、
そこにシェアハウスの住人が混ざって
くつろぐ様子の写真を見せられた時は

なんともいえぬ、
新しい時代の到来を予感しました。

■そんな彼と話をしていたときに、
興味深い話を聞きました。

それが

「就活シェアハウスとか、
シングルマザーシェアハウスって、
上手く行かない。それは何故か?」

という話でした。

ちなみに、皆さまは、
その理由は何だと思いますか?

、、、

■答えは、

『細かい比較が始まるから』

だそうです。

■例えば、「就活シェアハウス」。

元々の目的は、

「一緒に集まって、情報交換しながら、
就活の成功を目指そう!」

という共通の目的を、
共に歩むために集まったはずです。

しかし、いつからか、

就活が上手くいきシェアハウスを
離れる仲間などが出てくると、

「なんで彼だけ、、、」

という嫉妬が生まれる。

”境遇が近すぎるがゆえに比較が始まり、
それが嫉妬などにつながる”

という現象が起こるのだそう。

■あるいは
「シングルマザーシェアハウス」も
似たようなパターンがある。

そもそも

「お互いがそれぞれの状況が
わかるからこそ、助け合おう」

という共通の目的を持っていたものの

”彼女の実家は、ウチと違って
子供を預かってもらえていいな、、、”

とか、

”自分ばっかり預かってないだろうか?
いつも自分のほうが2日多く預かっている。
これは不平等では?”

という不満が出たりしやすい、
とのこと。

■つまり、ここから何が言えるのか?

一つは、

「同質性」

がもたらすデメリットでしょう。

近い境遇は、お互いの状況がわかり、
それによる焦りや向上心などの
メリットなどもあるのでしょうが、

ことコミュティの存続という意味では、

『細かい違いが目につき、
比較や優劣で負の感情が生まれやすい』

という負の側面がある、

ということかと。

■そして、平岡君はこの話の後に
このように続けました。

「シェアハウスの場合、

『3種類以上の全く違う人が集まる
コミュニティの方がうまくいく』

んだよね」

とのこと。

■例えば、100人いる。
シェアハウスに皆が住んでいる。

ただ、その中の人は、
実にバラバラ。

・アジア人、アフリカ人、欧米人
・17歳でお母さんになった人
・30歳のお母さん
・男性でシングルの人
・フリーター
・大学生
・社会人
・プロボクサー
・外資系企業で日本の代表を務める人
・デザイナー
・サラリーマン
・保育士

(※実際のHASHのイメージ)

みたいに、てんでバラバラな
バックグラウンドの人がいる。

すると、

「こんだけ違ってちゃ、
ちょっとした違いは気にならない」

という気持ちにもなるもの。

相手と自分の違いを、
どちらが良いかという比較ではなく、
「まあ、お互い状況が違うからね」

という”ただの違い”として
受け止められるようになる。

だから「コミュニティ」は
3種類以上のバラバラの背景の人が
いると、うまくいく

という話を聞いたのでした。

■これを聞いて、
なるほど、、、と思いました。

そして同時に
思い出すことがありました。



それは、私も2020年2月にカナダに
研修に参加しに旅をしたときのこと。

研修で出会ったブルガリア人の
ディミターさん(男性50歳)は、
こういっていました。

「ブルガリアは、共産主義で
そこで仲間とビジネスをしていたけれど、
お金のことで揉めて空中分解してしまった。

カナダは、3年住めば国籍が取得できるから
だから家族でカナダに移住しようと思った」

と語っていました。

■現在はカナダの大手、モントリオール銀行の
システム開発のプロジェクトマネージャーとして
活躍しており、

ここで働く6人のメンバーも、
色々ありカナダに来ていたそうで、
長く住む人もいれば、最近来た人もいて、
同じ国籍の人は一人もいませんでした。

ただ、

「あまりにも背景が違うから、
必ずランチはメンバーと意識的に取るし、

相手の違いを尊重して、
むしろ良質かつ深いコミュニケーションを取るように
している」

というのが、実に印象的でした。

■多様性が生みだすものは、
違いに対する寛容度もあるし、
「比較からの開放」もあるのかもしれません。

もし仮に、
シングルマザーシェアハウスの
メンバーが100人シェアハウスにいたとしたら、

「彼の親は、子供の面倒をみてくれるから、
いいよなあ…」

とはならないだろうし、

就活シェアアウスのメンバーが
その中にいたとして、

「彼女は就活成功したのに
自分はうまくいかない。なぜなんだ?」

という比較の気持ちも起こらないだろう、

と思うわけです。

■そんな事を踏まえて、
「多様な人や世界と触れることの価値」
と考えてみると、

”些末な比較を排除する”

というメリットがあるように思えます。

そして、今も経営のキーワードで
「多様性」というキーワードをよく耳にしますが、

このシェアハウスのように、
全く異質な人を、追加で2名
コミュニティにいれたとしたら、

それだけで今の組織・チームの文化も
ガラリと変わってくるのだろう、

と思います。

■日本の組織も同質性の弊害が
語られる事が多くありますが、

シェアハウスや、
モントリオール銀行のディミターさんの話から、
大いに学べることがあるよな、

そんな事を思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

妬みによって幸福になる人間はどこにもいない。

バルタザール・グラシアン(スペインの神学者/1601-1658)

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