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2434号 2020年10月20日

「昼には語られない本音」が人の内側にはある

(本日のお話 2453字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、生産性向上の『5つの選択』の
研修実施立ち会い。

ならびに新潟県のワイナリーにて
システムコーチング(チームコーチング)の実施でした。

オンラインで全6回開催でしたので、
始めてクライアントと対面でお会いしましたが、

やはり実際に対面で会ってみると
意見が活発になるし、違うなあ、、、
と思いました。

やはり、対面の影響は大きいですね!



さて、本日のお話です。

昨日、新潟のチームコーチングの
全6回の振り返りの後、
皆で懇親会にてワインやらビールやらを飲んで

昼の振り返りとは別に

「夜の振り返り」ということで
ざっくばらんに
「チームコーチングどうだった?」

と話をしておりました。


その中での私の体験や、耳にしたご意見から
学んだこと、気づいたことについて
皆様にご共有させていただければと思います。


タイトルは、


【「昼には語られない本音」が人の内側にはある 】


それでは、どうぞ。



■私(カレッジ)が
提供しているサービスに

”チームコーチング”

というものがあります。

営業部とか、生産部とか
経営チームなどの「部署」において、
あるいは「組織全体」において

コーチングの技法を使いつつ

社員全体の思いや願い、
あるいは不満や葛藤を、
見えるようにする。


「実はこう思っていた」とか
「本当はその意見には反対だった」とか
「この戦略には、前から納得できていなかった」

など

プラス、マイナスの声も含めて、
まだ見えていない声が場に出てくると、

不思議なもので、

場の中で、納得感、反発感、
エネルギーの高まり、
エネルギーの低下など、
いろいろな動きが現れて、皆がその事実に気づくのです。



■そんな、いわゆる

”ガチ対話”

がコーチングという技法を通じて
行われることによって

コーチが解決策を提示せずとも、
クライアントのチームや組織全体が

「みんな、願いは同じだったのだ」
「本当はこうしたほうがいいんだ」
「大変だけどやっていこう」

と自然と方向性が決まる
(可能性が高まる)

というのが、
チームコーチングでございます。

実に面白いです。



■と、少し説明が長くなりましたが、

そんなチームコーチングの手法を
3ヶ月合計6回にわたって実施して、

「実際どうだったのか?」

を諸々振り返りも含めて、
新潟のワイナリーの経営幹部の皆様と、
お話をしてみたのでした。


お昼の振り返りでも、
最後だから…ということで


「対話は大事だと思った」

「絵にすることで見えるものもあった」

「こういう場があったから、
経営幹部の定例会も始まった」

「とはいっても、難しいこともあった」

「ああいう手法より、他のものも
効果的だったのではないか?」

などなど、意見が出てきます。

忌憚ない意見を場、とまでは言わずとも、
本音に近い意見は、出てきたように感じました。


他に、待っても特に出る気配はないので
振り返りは終了として、その続きは懇親会で、、、

ということで夜はワインを片手に
懇親会会場へ。



■そして、興味深いことは
やはり懇親会の場で起こります。

お酒の力は、
とても強力です。


お昼の振り返りでは、

「対話は大事だと思う」

「とはいっても、
我々には難しいものもあった」

という”大人な意見”でした。


でも、お酒が入ってくると
「ガチ本音」が出てくるのです。



「いやね、我々みたいな年代の
純粋にやれないタヌキみたいな人は
コーチングみたいな質問されても、
心動きませんよ!」

とか

「いい雰囲気を作りたい、って言いましたけど
それは、自分がしょぼい会社で働いているって
言いたくない、思われたくないからですよ。

だから会社を成長させようっていうのも、
自分の虚栄心みたいなものですよ」

とか、社員同士で

「君はああいったけど、俺はそうは思わないよ」

とか、実に生々しい
「ああ、これぞ本音!」と言える
リアルな話が”夜の振り返り”では
繰り広げられて、

「やっぱり人は、口に出さないだけで
色んなことを思っているんだなあ。
感じていたんだなあ」


という内面の奥深さを
改めて知らしめられた気がしたのでした。



■そして、この一連の体験を経て、
思ったことが2つ、ありました。


まず1つ目、それは


『聞いても出てこない本音を
人は内側に持っているもの』


ということ。


一応、私ともう1名、
合計2名のコーチはプロとして
やっております。

昼の振り返りにて

「チームコーチングどうでしたか?」

と投げかけて、

何も否定しない、
受け止めるという感覚で
十分に時間をとるように意識をしました。

ゆえに、
だいぶ意見も出てきたと感じましたが、
それでもなお、

「誰々がいたから、、、」
「あの場では言えなかったけど、、、」
「ぶっちゃけ言うと、、、」

という想いがやっぱりある、ということ。

■もちろん私の力量不足もありますが、
安心な場を心がけたとしても


『言葉で語られることだけが全てではない』


ということを、
十二分に理解をしておく必要がある、

人は色んなことを感じ、思っている。
ただ、出ていないだけ、、、

そんなことを痛感したのでした。


そしてそれは、今回の私の
コーチ・クライアントという関係だけではなく
・上司・部下という関係もそうだし、
・親と子/夫婦という関係もそうだし、
・友人同士、

もそうです。


やはり、

”言葉には出されない本音がある”

ものであると、
前提として知っておかないと、

相手との人間関係、お互いの理解が
実に浅いもので終わってしまう、

そしてお互いの深い部分で
繋がることができない…

そんな事になるのだろう、と思ったのでした。



■そしてもう1つ思うこと。

結構当たり前のことなのですが、

『お酒が入ると本音が出やすい』


ということです。


昼間の振り返りでも、

「どうでしたか?
ぜひ率直な意見を聞かせてください」

と問うたとき、待てども待てども出てこない。
何か言いたいそうな雰囲気はある。

言いたいことがありそうな雰囲気は
どこかでサインとして表出しているけれど、
ここでは出せない。


しかし、夜の飲み会の席だと、
お酒の勢いだけでなく、独特の空気が
それを許してくれるようにも思いました。


ただ、それは「あれは酔っていたからね」で
終わらせてしまいがちなのですが、


そういった話を、普段からもし
ざっくばらんにできたとしたら、

それは

”より深い信頼関係の醸成”

に繋がっているといえるでしょうし、

またチームや組織において
違うステージに上がることも
できるのかもしれない、

そんな事も思った次第でございます。


ということで、


1)『言葉で語られることだけが全てではなく
聞いても出てこない本音を人は持っているもの』

2)『夜の懇親会のように、本音を語り会える場を
昼も持つことができたら、より深い信頼関係の場ができる』


のではなかろうか、
そんなお話でございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

人々が孤独なのは、
橋を架ける代わりに
壁を築いているからである。

ジョセフ・フォート・ニュートン(米国の牧師/1876-1950)

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