メールマガジン バックナンバー

2438号 2020年10月24日

「コーチングができている」と思っている人ほど要注意、というお話

(本日のお話 2353字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は引き続きお休みをいただき、
都内のホテルにて、

”家族のミッションを作る合宿”

でした。

合計A4の紙、4枚にわたる
「家族で大事にしたいこと」の
文章が出来上がりました。


やっているときは、
正直重たいのですが、

「大切なこと」を言語化すると
共通認識が生まれ、そこに
引力のようなものがが発生するように
感じます。

そして数年後に振り返ってみると、
多大な影響をもたらすと経験上感じます。

ということで、いずれにしても充実した
良い時間だったな、と思っております。
(大変だったけど)

また、加えて昨日は、初めての
「歌舞伎」を見に行きました。

結構アクロバティックな動きも合って、
大変おもしろかったです。

そして、夜はキックボクシングのジムへ。





さて、本日のお話です。

昨日、
「コーチングが今、重要と言われている理由とは?」
というテーマで
メルマガをお伝えさせていただきましたが、

本日も引き続き、コーチングの話題について
お話させていただければと思います。


タイトルは、


【「コーチングができている」と思っている人ほど要注意、というお話】


それでは、どうぞ。




■コーチングの基礎は、


”傾聴と質問”


です。

言ってしまえば、
「聞くこと」なので、
日常からやっているといえばやっていること。

ゆえに、

「うん、気をつけてるよ」
「色々メンバーの話は聞くようにしてる」

という管理職の方、
たくさんいらっしゃいます。

そして、実際、
皆様とても苦労されて、
頑張っている用に見えます。



■しかし、現実を見てみると、

聞くって、何が正解なのかわからない。

正解が自分はわかっていると感じるのに
「君はどうしたいのか?」なんて、

明確な指示・指導がないマネジメントは
「なんだか生ぬるい」と感じて、

あまり肯定的に思っていない管理職の方も
多数いる、というのも事実のようです。


■ちなみに、少し前の
ハーバード・ビジネス・レビューによると

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

パフォーマンス上の諸問題に、
指示を与えることでずっと対応してきた
リーダーは、コーチングの手法を
「生ぬるい」と感じやすい。

さらに、心理的に落ち着かない
気持ちになることもある。

なぜなら、権限の行使という
最も馴染みある手段を奪われるからだ。

したがって彼らはコーチングに抵抗し、
放っておけばそれを試そうともしない可能性がある。

「忙しい」
「こんなことに時間を使いたくない」
「私が抱えている部下はコーチ不可能」

ーーそんな言い分である


ロンドンビジネススクール教授 ハーミニア・イバーラ
『リーダーのコーチング能力を高める方法』(2020年7月号)より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

とのこと。


そして確かにこれは、

実際に企業で私も
管理職の方から聞く声でもある、

と感じております。



■そんな中もう少し読み進めると、
また、面白い話がありました。


上記のようなマネージャー、
「コーチングは生ぬるい」という人ほど、

「自分はコーチングが得意」

と思っているということ。

しかし、現実はそう甘くないようです。



ある調査で、3761人の経営幹部に
自身のコーチングスキルを自己評価してもらい、

それを同僚による評価と比較したところ、
双方の評価にギャップがあったそう。

経営幹部の24%が
「自分のコーチング能力は平均以上だ」
と答えたことに対して、

同僚からの評価では、そう答えた人は、
(残念ながら)下位3分の1に属していた…

という調査結果の話です。


自分では、
できているつもりでも、
実際は、できていない

これは、

「自分のことは見えない」

ということ典型的な例でしょう。



■ちなみに、私自身の経験ですが、

以前、ある上司・部下を含めたチームの方と、
研修後に懇親会を一緒にさせていただきました。

ちなみに、その上司の方は、

「うちのチームはエンゲージメントが高く、
私も、コーチングを導入している。

ただ、部下が指示待ちだし、主体性がないし
なかなか成果がでなくて困っている」

と言っていました。


なるほど、コーチング的に関わっているのか。
でも、部下はなかなか主体的に発言できない、
難しいものだよな、、、

などと思いつつ、
そのコーチングを取り入れているという
上司の方の会話を聞くと、

上司の方は

「なんでいつも提出物出さないんだよ。
いつもいってるじゃん。なんで?」

「全然頼りないんだよなあ。
お前ルール守らないし。
なあ、どうしたらいいと思う?」

というような会話で、

部下は、

「そうですね、すいません(苦笑)」

というような
なんとも本音を言えていない感、
お茶を濁した感じのやりとりが
繰り広げられていました。

おそらく、ですが、
きっと会議やミーティングの際も、

このような空気感は
少なからずあるのだろうな…

と推察したのでした。



■「聞くこと」「話すこと」は
普段、できているようなことなので、

そのレベルや効果は、
あまり注目されることが少ないかもしれません。

しかし、聞くことでも、
”質問風の形”をとっていても、

実際はその「なんで?」の背景に、

「非難や指示」

という意味を持った会話になっている、
本人も意識せずにそうしている、

ということはままあるものです。

だからこそ、

【「コーチングができている」と思っている人ほど危ない(できていない)】

と思うわけです。




”自分で自分のことが見ることができない”

ゆえに、

「やっているつもりでできていない」

ということが、
ままあるのだろうな…

そんなことを思ったのでした。



■先程の、3761人のマネージャーの調査で、
経営幹部はできていると思っているのに


”できていると思っている人ほど、
実際はできていない”


このことは私達も
重々承知しておく必要がありそうだな、

そんなことを思います。


■私自身、

「自分は比較的、”思いやり”がある人間」
(結構、傾聴意識してるし)

などと、思っていたのですが
先日妻と話をしていたときに、

「もっと思いやりを持ってほしい、、、」

と言われて愕然とした事も含め、
自戒を込めて思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

間違っていましたと認めることを恥じる必要はない。
それは、今日は昨日より賢くなったということなのだから。

アレキサンダー・ポープ(イギリスの詩人/1688-1744)

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