ペーシングの技術 〜どんな人からも「話しやすい人」と思ってもらう方法(前編)〜
(本日のお話 2185字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は朝から、某飲食業界の
上級管理職の皆様へのシステムコーチングの実施。
またオンライン研修開発の映像撮影3件、
ならびに2件の個別コーチング。
夜からはマーケティング講座の共催でした。
なかなか濃ゆい1日でございました。
とはいえしっかり寝られたので、
かなり朝から元気です。
睡眠は大事。
*
さて、本日のお話です。
先日より「コーチング」をテーマに、
メルマガを皆様にお届けしております。
まだまだいい足りないので
本日も(というか、これからしばらく)、
続けてまいりたいと思います。
今日のテーマは、
『ペーシング』
という技術について。
*
前フリですが、このペーシング。
本当に大事。
でも意外と知られていないのです。
しかし身につけると、
・どんな相手にも合わせるためのポイントが
理解できるようになる
・相手が心地よく、気持ちよく話してくれるようになる
・相手との間に信頼感、安心感が醸成され、
コミュニケーションが圧倒的に円滑になる
ということで
ものすごく役に立つスキル。
「ペーシングを知らない人は、
絶対に知っておいたほうが良い!」
と声を大にしてお伝えしたい、
そんなコーチングの代表的な技術です。
それでは早速参りましょう。
タイトルは、
【ペーシングの技術 〜どんな人からも「話しやすい人」と思ってもらう方法(前編)〜】
それでは、どうぞ。
■皆さまもこれまで、
「この人、話をしていて心地よいな」
「気づいたらあっという間に
1時間経ってしまっていた」
というご経験、あるのではないでしょうか?
そんな心地よい対話の時間。
一体何がそうさせたのか、
考えたことはありますでしょうか?
相手との相性なのか、
相手の人柄なのか、
その時の自分の気分だったのか…
それは1つに特定できないものですが
大きな要素として、
『相手の話の聴き方』
が影響をしていることは
ほぼ間違いないかと思います。
そして、この
「話の聴き方」を構成する
大きな要素が『ペーシング』です。
■このお話をする前に、まず、
私のお話ご紹介させてください。
(未だに忘れられない失敗談です。。。)
*
数年前、コーチングを
習い始めたばかりのときのこと。
コーチの先生と仲間と3人で
”コーチングのロープレ”を
していました。
私はコーチングは学び始めたばかりですが、
曲がりなりにも、長らく営業をやってきました。
そして、コミュニケーションは
割と自信がある(つもり)。
話しやすいって言われてきたし、
なんて自負もあります。
■そんな気持ちもありつつ、
私が”コーチ役”として、
クライアントの話を
聞くことになりました。
事前に心がけます。
「7つの習慣」で学んだ
”第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される”
だよな。うん、知ってる知ってる。
相手に興味関心を持って。
相手に心から耳を傾けて。
この場に、まるで2人しかいないような、
そんなイメージをして、そんな風に聞こう。
■そうして、全身全霊の
「聴く」を込めた、15分間のロープレが終わりました。
オブザーバー役の先生が、
振り返りとして私にまず、聞きます。
先生「コーチ役の紀藤さん、
やってみてどうでしたか?」
私「はい、結構できたのではないかと思います。
相手の話も繰り返しましたし、話の要約もできたと思うし。
相手もテンポよく答えてくれていたと感じました」
と、答えました。
先生「では、クライアント役の山口さん(仮)
受けてみてどうでしたか?」
クライアント役
「そうですね…
敢えて厳しい言い方をすると、
ちょっと”話しづらかった”です。」
!!
私の中に衝撃が走ります。
クライアント役
「かなり急かされている感じがしました。
一生懸命さは伝わってくるのですが
逆にそれがプレッシャーになりました。
早口だったのもあって、
気持ちが焦って、ゆっくり考えられませんでした」
とのこと。
■どきりと胸が大きく打つと同時に、
「!!」と「??」の疑問符が
交互に浮かびます。
あれ、
一生懸命聴いていたつもりなのに。
真剣に聴いていたつもりなのに。
相手も答えていたし、
上手に要約も繰り返しも
相槌もしていたのに。
何かいけなかったのだろうか、、、?
混乱しました。
■コーチングの勉強において
フィードバックはお互いの成長を願い、
率直に伝えるというルール。
「できている」と思っていたのに
「できていない」と急に突きつけられるのは、
やっぱり堪えます。
なかなかショックでした。
■オブザーバー役の先生が
凹んでいる風の私に、その状況を
こんな風に解説してくれました。
先生
「凄く一生懸命さは伝わってきて、
それは紀藤さんの武器ですよね。
良かったと思います。
ただ、スキルとして、特に
<ノンバーバル(非言語)の『ペーシング』>
ができていなかったように見えました」
「まず、山田さんはゆっくり話すタイプです。
また、じっくり考えたい雰囲気もあります。
そんな中で、紀藤さんはデフォルトで、
”会話のペースが早い”
のです。加えて、
”相槌のタイミングが早すぎる”
のもあります。
言い終わるか終わらないかで
「はい、そうですね!」を、
ハキハキ繰り返していました。
”相槌も、「はい、はい」と
はいを、2回、3回繰り返す”
というのがデフォルトの癖のようです。
これも、相手の基本ペースがゆっくりなので、
急かされている感じがするかもしれません。
相手と歩調を合わせて、
時に黙って頷いて聴いてもらったほうが、
居心地がよかったのではないかと思いますが
山田さん、いかがでしょうか?」
、、、とのこと。
クライアント役の山田さんも、
「確かにそんな気がします」と
先生のコメントを聞きながら、
頷いていました。
■ここで学んだことは何か?
一言で言えば、
【自分にとって心地よいことが、
必ずしも相手にとっても心地よいとは限らない】
ということです。
つまり、
「自分のペースでなく
相手にペースで話すこと」
こそが、
・相手との間に信頼感、安心感を作り
・心地よく話しやすい空気を生み出すこと
に繋がる、という気づきでした。
いくら一生懸命でも、
それが熱すぎたり、重すぎたりして
その思いが相手にとってプラスとは限らない、
ということなのです。
コーチングにおいては
「相手が主体」なのですから。。。
■では、どうすればよいのか?
そのためのコーチングの代表的なキーワードが、
『ペーシング』
なのです。
この言葉は、英語の
「Pacing(歩調合わせ)」
を語源とします。
■では、具体的に
どんな風に「歩調」を合わせたら
そして信頼感、安心感を醸成させ、
相手は話しやすくなるのでしょうか?
ポイントは、
【「言語」でのペーシングと
「非言語」でのペーシング】
の2種類です。
少し長くなりましたので、
続きは明日に続けます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
「垣根」は相手がつくっているのではなく、
自分がつくっている。
アリストテレス(古代ギリシャの哲学者/BC384-322)
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