「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの 〜悩みを解決する宝石のごとき理論たち〜
(本日のお話 3300字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
システムコーチングの師匠と
セッションのフィードバックタイムでした。
ならびに、
【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA
のための準備と実施でした。
ご参加いただきました皆さま、
改めてありがとうございました!
*
さて本日のお話です。
今、来年の大学院受験に
フォーカスをするために、
”人材開発/組織開発に
関する読みづらそうな本”
をひたすら読みふけっております。
その中で思うこと、
学びや気づきがありましたので、
本日はそのお話を、
皆さまにご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの 〜悩みを解決する宝石のごとき理論たち〜】
それでは、どうぞ。
■私の直近のテーマが、
「大学院受験のために
ひたすら本を読みまくる!」
です。
これから大きく環境も変わりそうですし、
「今しかできない!」
ということで
年末年始も関係なく、
ひたすら書の世界に、
没頭しようと思っております。
■そのプロセスの一環で、
昨晩も実施させていただいていた、
【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA
を行っています。
その勉強でお話する内容をまとめるために、
『組織行動』
『組織行動のマネジメント』
『組織開発の探求』
『経営学習論』
などを読んでいる、
という今日この頃。
■上記の書籍のタイトル、
見るからに、
・漢字が多くて重たそう
・タイトルもあんまり面白そうじゃない
・なぜか皆、分厚い
と三拍子揃った本だな
、、、と感じます。
(著者の方、スミマセン)
ゆえに、読み進めるのが
億劫な自分は確かにいたのでした。
ゆえに、本棚の肥やしに
なっておりました。。。
■ですが、
「本を読んで勉強会やる」
と言ってしまった手前、
結局読まざるを得ないのですが、
なんだかんだで
実際に読んでみると、
『想像以上に面白い』
ことに気づき、驚いています。
■ちなみに、よくある
ビジネス書とは違う面白さ。
何が面白いかと言うと、
”実証研究に基づいた理論が
わんさか詰まっている”
ことかと。
ちょっといい感じに(?)言い換えると、
”悩みや課題を解決する
宝石の原石のごとき理論と研究が、
どっしり詰まっている”
イメージ。
読みながら、
「ああ、7つの習慣で言われていたのも、
この理論が背景にあったのか」
「人間関係が大事なのは、
こういった実験の背景からだったのか」
「やる気が出るメカニズムとは、
こういう要因で作られているのだ」
と気付かされ、
ただ、その存在を知らなかった自分に
悔やまれる思いを持ちつつ、
ひたすら目からウロコ、
気づきの連続…
という日々です。
■例えば、先日の題材本で
『組織行動』という本がありました。
この本では、
”内発的動機づけ”
(=内発的モチベーション)
という言葉が紹介されています。
聞いたことがある人も、
きっといらっしゃると思いますが、
あんまりこの言葉、探求したことがある方も同時に、
少ないのではないでしょうか。
”内発的動機づけ”とは、要するに、
「(仕事など)そのものを面白い!」
と感じる動機づけのことをいいます。
■この”内発的動機づけ”が
メラメラと燃え盛っていると、
別にお金や報酬があるからやるのではなく、
「ただそのこと(仕事など)が面白いから
没頭してやり続ける」
となります。
当然、成果も出ますね。
■では、この
”内発的動機づけ”すごいじゃん!
いいよね。
どうやったら高まるの?
、、、当然
ここに疑問を持つ学者がいます。
そして実証研究として
解き明かした人もまたいる。
こういう過去の研究者たちが作ってきた
宝石のような理論が、いわゆる
”読みづらい本”
には、わんさか書かれている。
世のビジネス書は、
それらを部分的に切り取って
要約しただけなのだろう…
と思えてきます。
■本質的な話は
実証研究や理論として語られるので
やっぱり説明が必要。
ゆえにちょっとだけ
読み解くのに時間がかかりますが、
実証研究などを含めて
きちんと整理しているので、
物凄く説得力がある。
ゆえに、
本質をついていて、
面白いのです。
事象の裏側のメカニズムがわかる…
そんな感じでしょうか。
■ちなみに、上記の
”内発的動機づけ”については
こんな理論が紹介されています
ちょっと小難しく感じるかもですが
紐解いて考えると、結構シンプルな話です。
(ここから)
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内発的動機づけを高める『職務特性モデル』
by 心理学者リチャード・ハックマン/グレッグ・オルダム
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<内発的動機を高める効果を持つ職務に共通する5つの特性>
1)技能の多様性(skill variety)… 職務を遂行する個人に求められる技能の多様さ
2)職務の完結性(task identity)… 仕事全体の始まりから終わりまでのすべての流れに関わる
3)職務の重要性(task siginificance)… 自分は重要な仕事をしている!感
4)自律性(autonomy)… ああしろ、こうしろと細かな指示をされない
5)フィードバック(feedback)… 自分がやった仕事の手応え
<内発的動機につながる、”重要な心理状態”>
・有意義感の実感(上記1〜3)
・責任の実感(上記4)
・結果についての理解(上記5)
↓
<わかったこと>
・上記の3つの重要な心理状態の「相乗効果」で
内発的動機づけなどの個人的成果が高まる。
・つまり「有意義感の実感(上記1〜3)」
「責任の実感(上記4)」「結果についての理解(上記5)」
”どれか1つでも0に近いものがあると内発的動機づけはされない”。
(例:
「有意義感と責任感を感じられるけど、フィードバックが全く無い」
「責任感とフィードバックはあるけど、有意義感が全く無い」
「有意義感とフィードバックはあるけど、責任の実感がない」
と感じると、内発的動機づけは高まらない
↓
<どう活かすか>
・上記の5つの特性を活かせるように、
「職務を再設計」すること。
(例:
・仕事を最初から最後までまとめて任せる
・メンバーに権限委譲する
・フィードバックする など)
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(ここまで)
とのこと。
一つずつ深ぼると実に面白いです。
■加えて言うと、
他の考え方も混ざってくるのです。
例えば、上記の
「職務特性モデル」は、
・成長意欲が高い人は、効果を発揮しやすい
・成長意欲が低い人は、効果を発揮しづらい
ことがわかっています。
つまり、
”人や状況によって違う”
(コンティンジェンシー理論、という)
という別の理論も組み合わさったりして
またまた奥行きが深くなる。
うーん、複雑。
ゆえに、面白い。
■本質とは抽象的です。
理論も言葉が難しいです。
理解するために頭を使います。
本質的な問題の解決のためには、
複雑なアプローチが必要です。
、、、でも、
それが現実なのです。
皆が頭を抱えている例えば
組織や人間関係の問題も、
”「これさえやっておけばOK!」
みたいなウルトラC的な超必殺技”
が仮にあったら、皆やってます。
■過去、数多の経営者、
人事、マネジメントが頭を悩ませて、
それでも解決しない問題だから、
今目の前にあるわけです。
そして、それを、
ちょっとそこにあった
情報・ヒントを活かして、
解決しようとして、できるのか?
、、、という話。
少なくとも私は、
「そんなうまい話はない」
と思います。
■だからこそ、
表面的ではなく、
根本的な変化を目指そうとするなら、
”本質的なこと”
を探求することが大事だと思いますし、
そうしてこそ、
語る言葉にも深みが出る、
と私は思います。
そしてその本質とは、
私が敬遠していた
「読みづらい本」にこそヒントが
沢山あることと感じます。
■ゆえに、
【「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの】
それは、
<悩みを解決する宝石のごとき理論たち>
です。
宝石のごとき理論を集めることで、
今起こっている事象の因果関係が、
ハッキリとわかる気がするのです。
ゆえに、
こうした読みづらいと思う本を
(でも本質的な事が書かれている本)
あえて時間をとって、
腰を据えて読んでみること、
学んでみることが、
”その道のプロとなる”
上でも、とても大切なことなのだろう、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、
それは果実だと誰もが答えるだろう。
しかし、実際は種なのだ。
フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者/1844-1900)
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