「こんなのリーダーシップじゃない!」とフォロワーに思われる2大要素
(本日のお話 2552字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日はインタビューを含め、7件のアポイント。
夜からはコーチング(受ける方)でした。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
今月より、
【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA
を開催しております。
今日もその学びのプロセスの中で
印象に残ったお話を1つ、
皆さまにご共有させていただければと思います。
内容は「リーダーシップ」に関して
ある研究結果からのお話です。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【 「こんなのリーダーシップじゃない!」とフォロワーに思われる2大要素 】
それでは、どうぞ。
■『暗黙のリーダーシップ論』、
なる理論があります。
”フォロワーに焦点を当てたリーダーシップ論”
として研究をされてきた理論とのことで、
その内容は、以下定義されています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『暗黙のリーダーシップ論』とは…
フォロワーは「リーダーの言動そのもの」から
リーダーシップを認知するのではなく、
フォロワー自身が「暗黙的に抱いているリーダーシップ論」に影響を受けて、
リーダーの行動を認知する、という理論
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
平たく言えば
”「リーダーってこうあるべきだよね」という
フォロワー(メンバー・部下)の考え方”
がリーダーシップの認知に影響する
という話です。
■リーダーシップとは
・「上に対して物申す」ことである
・「明確なタスクや指示をする」ことである
・「丁寧に、耳を傾ける」ことである
・「指示・命令をし、チームを動かすこと」である
、、、それぞれ
「リーダーシップとは?」という問いで
思い浮かぶ行動が違います。
その、本人が思っている
「リーダーの行動」が取られていないと、
それは、「リーダーシップではない」と
見なされるわけです。
■例えば、私の過去の話で
ふと思い出したことがありました。
今から10年ほど前
チームリーダーをしていたときに
ある1人のメンバーが遅刻をしたときに、
別のメンバーから、こう言われました。
「紀藤さんは優しすぎるんです。
リーダーたるもの、時に
ガッツリ怒んなきゃダメですよ!」
、、、と。
このメンバーの発言を
一部分だけ切り取ると、
「リーダーたるもの、時に
ガッツリ怒ることが」
もしかすると当人が暗黙的に抱いている
リーダーシップのあり方、すなわち、
”暗黙のリーダーシップ論
だったのかもしれないな、、、と。
(あくまでも可能性ですけど)
■ここから示唆されることは、
”「リーダーってこうあるべきだよね」
というフォロワーの考え方”
にリーダーの行動が合致していないと、
「リーダーである自分は
頑張ってリーダーシップを発揮している」
と思っても、実際フォロワーからは
リーダーシップを発揮していると見なされないという
『リーダーシップの空振り』
が起こる可能性がある、
ということです。
一生懸命やっているのに、
こうなっては、実に勿体ないです。
■では、どうすればよいのか?
厳密なる結論を言えば、
”『暗黙のリーダーシップ論』は
フォロワーによって持っているもの違うので
それを見極め、合わせる必要がある”
といえます。
人は、その人の経験や立場で
考え方が変わるもの。
ゆえに、
「リーダーってこうあるべきだよね」という
”暗黙のリーダーシップ論”も、当然違うのです。
(※ちなみに、フォロワーの「暗黙のリーダーシップ論」は
1)国、文化の違い
2)組織的階層の違い(社長、役員、部長、課長、一般など)
3)個人のパーソナリティ(性格)
4)両親から受けた教育経験
によって影響を受けると言われています。
実に多様にならざるを得ない理由がわかりますね)
■、、、しかしながら、
「人によってそれぞれ違うので
リーダーの皆さん、頑張って下さい」
では、あまりも幅が広すぎて
何とも対策が打てない。
世のリーダーの皆さまも、
対応するのが大変になってしまいます。
■ゆえに、今日は、
ある研究結果をご紹介したいと思います。
これは、イギリスのリーダーシップ研究者
オルガ・エピトロパキ氏が
「フォロワーの頭の中にある理想的なリーダー像
(=暗黙的なリーダーシップ論)は何か?」
を調べた結果わかったことです。
すると、理想的なリーダー像には
4つの構成要素があることがわかりました。
以下、結果です。
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<フォロワーの頭の中にある
理想的なリーダー像の4つの構成要素>
(=フォロワーの頭の中にある、”暗黙的なリーダーシップ論”)
1) 感受性 …よく気がつく、親切である
2) 知性 …教養がある、賢い
3) 献身 …一生懸命、献身的である
4) 活力 …活発で活動的である
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この4つだそうです。
確かに、
・よく気がつく。親切。
・教養がある。賢い。
・一生懸命で、献身的。
・活発で活動的。
なんてリーダーがいたら、
理想的だな、と思ってしまいますね。
■では、逆に
「これは、リーダーシップではない!」
とフォロワーから感じられている要素についての
研究結果もあるのです。
この結果がまた、興味深い。
(以下内容です)
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<フォロワーが「リーダーシップ」と感じられないもの>
(=「こんなのリーダーシップじゃない!」とフォロワーに思われる2大要素 )
1)圧制… 傲慢、押しが強い
2)勇ましい…男性性の特徴のごときもの
(Epitopaki and Martin/2004)
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、、、いかがでしょう?
実に興味深いのは、
”一般的にリーダーシップと考えられていそうな、
「押しの強さ」、「勇ましさ」は、
実はリーダーシップ行動と考えられていない”
ところではないでしょうか?
■逆言えば、
「押しが強い」
「勇ましい」
という行動をもし
自分が多用しているのであれば、
フォロワーの期待するリーダーシップ行動を
実践できてない可能性が高く、
『リーダーシップの空振り』
が起こっている可能性がある、
とも言えるかもしれません。
■、、、さて、ここで
冒頭の私のお話に戻りますが、
私が当時メンバーから
「紀藤さんは優しすぎるんです。
リーダーたるもの、時に
ガッツリ怒んなきゃダメですよ!」
言われて、
「怒るべき、たしかにそうかも」
と思い、結果
「声を荒げて怒る」
ことを、慣れないながら
してみたのでした。
結果、効果があったかというと
その手応えはなく、
むしろその後、いくばくかして
その人が辞めてしまったことに、
後悔の念を抱いた記憶があります。
直接的・間接的その理由はわかりませんが、
あの行動は、本当に正しかったのだろうか、、、
と。
■リーダーシップ行動は、その他にも、
・組織上下の政治的な話
・市場環境への対応
・目標への進捗
など様々な要因が絡んでくるため
単純な話ではないと思います。
ただその中でも上記の
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<フォロワーの頭の中にある
理想的なリーダー像の4つの構成要素>
1) 感受性 …よく気がつく、親切である
2) 知性 …教養がある、賢い
3) 献身 …一生懸命、献身的である
4) 活力 …活発で活動的である
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、
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<フォロワーが「リーダーシップ」と感じられないもの>
(=「こんなのリーダーシップじゃない!」とフォロワーに思われる2大要素 )
1)圧制… 傲慢、押しが強い
2)勇ましい…男性性の特徴
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は、自分のリーダーシップスタイルを
一つ見つめるための良き参考情報にはなるのだろう、
と思います。
責任多きリーダーの皆さまの
一つの参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
来た道を振り返るという点で、
人は河と違う。
セルバンテス(スペインの小説家/1547-1616)
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