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2501号 2020年12月26日

「ホーセン工場実験」から考える、”職場の人間関係”が大切な理由

(本日のお話 1992字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
ならびに研修の準備などでした。

本日26日から年末のお休みに
入られた方もいらっしゃるのでしょうか。

良い年末年始をお過ごしくださいね。



さて、本日のお話です。

先日より読み進めております、

『組織行動 ー組織の中の人間行動を探るー』
(著:鈴木竜太、服部泰宏)

という書籍がありますが、
その内容が大変学びになっております。


今日はその中の学びから、

「なぜ職場において人間関係が大事なのか?」

について、ある興味深いお話が
紹介されていました。

そのお話について皆さまに
ご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは、


【「ホーセン工場実験」から考える、”職場の人間関係”が大切な理由】


それでは、どうぞ。



■企業人事の方と
お仕事でお話させていただいていると、
よく耳にする話があります。

それは、人事の方の
こんな悩みです。


・コミュニケーションが苦手なマネージャーは
結構多い。

・ゆえに、「コーチング研修」など
提供しようと試みたりはする。

・ただ当のマネージャー本人の本音は

「何でコーチングとかやらなきゃいけないの?
成果を出せばいいんじゃないの」

「タスクも目標も明確にしているし、
給与や待遇も悪くない。
仕事だからやればいいでしょ」

「人間関係が大事とか
ただ甘えているだけじゃないの」

と感じているようす。

・”コーチング等を学んだりして、
部下の話を聞く必然性がわからない”と言われてしまう。

・というか、そもそも職場で
人間関係って本当に大事なのか?


、、、というような内容です。

上記の話は少し極端ですが、
仕事は仕事と割り切れる人。

目標は達成するためにあり、
タスク重視型のマネージャーに
多い考えのように思います。



■確かに、

・「仕事」で会社に来ている
「組織からの期待・成果」を出すために、
ここに集まって給与もらっている

・だから決められたタスクなど
各々やればいいんじゃない?

というのは、
一見シンプルな理屈なようです。


しかし、一方、

「そういった無機質な対応じゃ、
あまり上手くいかなそう」

という感覚も、
同時に覚えるのもあるのではないかと。


その大切さは、昨今の

「心理的安全性」や
「エンゲージメント」などの

キーワードに繋がっており、
あえて今声を大にして言う必要も
ないのかもしれません。



■、、、しかし、”そもそも”ですが、

「職場で人間関係が重要」という考えは、
いつから生まれたのか?

そんな中で、一つ、
興味深い実験があります。

最新の研究ではなく
もう90年以上前のハーバード大学の研究で、


『ホーソン工場実験』


と言われるものです。

これは、1927年から1932年、
アメリカのシカゴ、ウェスタン・エレクトリック社の
ホーソン工場で実施されました。

この実験は、途中からハーバード大学の
エルトン・メイヨー、フリッツ・レスリスバーガーらが
研究に加わりました。


その実験は、

「様々な状況下で、
生産性がどう変化するのか?」

という、「生産性を高める要素」を
見つけるための実験でした。



■そして、その
「ホーソン工場実験」の結果、
当初の予測と全く異なる
興味深い結果がでたのです。


まずわかったこと。

それは、

・作業所を暗くしたり、
・労働条件を変えてみたり、

さまざまな作業条件を
設定したにも関わらず、

実験対象に選ばれた女性たちのグループは
「高い生産性を保ち続けた」

ということ。

(つまり、作業条件では、
生産性は変わらなかった)

そして、作業条件を元に戻したところ、
過去最高の生産性を示しました。


■、、、はて、これは何だ?

作業条件を変えても
”生産性”は下がらない。

では、一体何が彼女たちの
「生産性」を高めているだろうのか?


結果、ハーバード大学の
メイヨーはじめ、結論付けたことは


「彼女たちの生産性を支えているのは、
作業条件の良好さではなく、
『職場の人間関係である』」


ということでした。


実験では、監督が高圧的に監視はせず、
女性工員は自由な雰囲気で仕事ができている、

作業条件の変更の際は女性工員に事前に相談がなされ、
工員たちが反対した変更が強行されることはなかった、

など、

実験対象の彼女たちへの配慮が
「働きやすい関係性」を構築し、
喜んで仕事をすることで生産性が上がったのでした。



■これが「ホーソン工場実験」の結果であり、

この実験の前までは

「疲労・報奨と罰のあり方」などの
作業条件で生産性が変わると考えられていましたが、


【「職場の人間関係」「監督者の態度」といった社会的条件が
”モチベーションを高め生産性に影響を与える”ことが示された】


と生産性に対する考え方が変わったのです。

そしてこれは、
「メイヨーの人間関係論」として
今につながっています。




■この実験を見ると、

90年前の過去から振り返ってみても、
仕事や産業が変わっても、


”人間関係が良好であることは、
生産性につながる”


ということが言える、
そもそもの実験結果かと思います。


そうすると、マネージャーが

「何で私が部下の話を
聞かなきゃいけないんだ?」

という疑問に対しての回答は


『それは生産的な職場を実現するために、
”人間関係を良好にすることが不可欠”だから』


と言えるのでしょう。



■人は機械と違います。

ゆえに、関係性の善し悪しは
良い生産性を保つ上でも
とても大事なことになるのでしょう。

ということで、

「職場の人間関係はやはり大事」

であるし、

「リーダー/マネージャーは、
職場の関係性を良好に保つことが
成果にも繋がる」

のだな、ということを
改めて学んだ次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>
私は声をあげて称賛し、
声を和らげてとがめる。

エカチェリーナ二世(ロシアの女帝/1729-1796)
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