リーダーシップ理論を紐解こう!(中編))~カリスマ型・変革型アプローチってなんだ?~
(本日のお話 3758字/読了時間5分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、1件のアポイント。
その他研修の企画、
また大学院受験の出願のための
「プロジェクト計画書」の作成など。
余談ですが「プロジェクト計画書」とは
A4 2枚で2年間で探求したいプロジェクトを書く、
というもの。
どうやって書けばいいのやら、、と悶々としつつ、
四苦八苦しながら書いております(汗)
今日が提出締切なので、
仕事の合間に出そうと思います。
*
さて、本日のお話です。
昨日は、
『リーダーシップ理論を紐解こう!(前編)
~コンティンジェンシー・アプローチってなんだ?~』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3736373/
というタイトルで、
リーダーシップ理論の代表的な3つの1つである、
「コンティンジェンシー・アプローチ」
(=状況に合わせてやり方を変える
リーダーシップのアプローチ)
についてお伝えしてまいりました。
今日は、
前編:コンティンジェンシー・アプローチ編
中編:カリスマ型・変革型アプローチ編
後編:パーソナリティ・ベース・リーダーシップ編
の「中編:カリスマ型・変革型アプローチ」について
皆様に学びをご共有させていただきたいと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【リーダーシップ理論を紐解こう!(中編)
~カリスマ型・変革型アプローチってなんだ?~】
それでは、どうそ。
■さて冒頭から、皆様に質問です。
「Q,リーダーと聞いて、思い浮かべる人は誰ですか?」
、、、
、、、
いかがでしょうか。
答えは様々かと思いますが
坂本龍馬
ガンジー
イチロー
マザー・テレサ
スティーブ・ジョブス
松下幸之助
キング牧師、、、
など
”世界を変えたリーダー”
が想起された方も
少なくないのではないでしょうか。
■確かに、上記の人は
”ザ・リーダー”の匂いがしますね。
そして、まさにこういった方が
今日取り上げる、
「カリスマ型リーダーシップ」
の代表的な存在です。
・高いビジョンを掲げ、
・信念を貫き、
・大胆な戦略で周りを巻き込み、
・周りと世界を変えていく、
そんなイメージのリーダー。
うーん、実にパワフルです。
■では、その
”カリスマ型リーダー”の
カリスマたる特徴とはどこにあるのか?
また、どのような行動で
成り立っているのだろうか?
我々はカリスマ型リーダーシップを
身につけることができるのか?
、、、こんな「カリスマ性」について、
皆様と一緒に考えていきたいと思うのです。
■まず、
「カリスマ型・変革型リーダーシップ」を
平たく説明するとこうなります。
”『カリスマ型・変革型リーダーシップ』
→ 目指すビジョンの重要性と価値の高さをフォロワーに感じさせる。
そしてフォロワーからの積極的な態度や行動を引き出すリーダーシップ”
と。
昨日、コンティんジェンシーアプローチ
(状況に合わせて対応を変える)の話をしましたが、
翌々考えてみると、
「リーダーが配慮してくれた、
役割やタスクを明確にしてくれた。
→ だから動機づけされた」
というパターンだけではなく、
そういったことがなくとも、
フォロワーがものすごく目標達成に燃えて、
全身全霊でコミットし、寝ずに働き、
時には人生、命まで投げ出そうとするような
自己利益を超えるような行動へと、
動機づけるリーダーが存在しています。
歴史上の、西郷隆信、
ジャンヌ・ダルク、坂本龍馬など、
まさしくそんなイメージでしょうか。
■では、そんな
「カリスマ型リーダーシップ」の
「カリスマ」
とは一体なんなのか?
まず、初期のカリスマ型リーダーシップ研究では
「カリスマ」をこのように定義しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「カリスマ」とは?…
・自分が有能であると示す行動。
フォロワーからリーダーへの献身や信頼、
盲信的な従属、忠誠心、コミットメント、同一化、
目標の達成への強い確信をもたらす影響力のこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とされています。
有能さ、盲信的な従属、、、
確かに、昨日ご紹介したリーダーシップより、
かなりパワフルな匂いがしますね。
■では、もう少し細かく
”「カリスマ型リーダー」を形づくる行動”
について、みてみると、
カリスマ型リーダーシップ理論としてまとめた、
コンガーとカヌンゴ(Conger&Kanungo 1988)は、
以下の5つの行動をこのように特定しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<「カリスマ型」を認識させる5つのリーダー行動>
(Conger&Kanungo 1988)
1,新しくて魅力的なビジョンの提示
2,感情が高ぶるようなビジョンの提示
3,並外れた行動力
4,自己犠牲
5,自信と楽観的思考
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
「ビジョンを示し、語る」
「行動力」
、、、
確かに、上記のような特徴を
高いレベルで持つリーダーがいて、
能力も人格も素晴らしい人であれば、
世界を変えていけそうな気がします。
「ついていきます!」
と思わず言ってしまいそうです。
■そして、そのカリスマ型リーダーシップは、
別の研究者によって、更に発展していきます。
カリスマ型リーダーシップ
↓
変革型リーダーシップ
というように出世魚(?)ではないですが
他の研究者によって、更に骨太の理論として
進化されていくのです。
それが、「変革型リーダーシップ理論」です。
この考えを理論化をしたバス(Bass 1985)は
効果的なリーダー行動を2つに分類しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<効果的なリーダー行動>(Bass 1985)
1,変革型リーダーシップ
・価値観やビジョン、それに基づいた高い目標設定などを通じて
フォロワーに自信とモチベーションを与え、フォロワーを動かす
*例:「こういう世界を一緒に作ろう!たとえ大変な道のりでも!」
2,交換型リーダーシップ
・フォロワーの欲求に応じた報酬に基づいて、フォロワーを動かす
(先日のコンティンジェンシー・アプローチ)
*例:「目標達成をしたら、ボーナスあがるよ(直接的報酬)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
そして、この
1,変革型リーダーシップ
2,交換型リーダーシップ
のミックスバージョンとして、
どちらの行動も包含するリーダーシップを
『フルレンジ・リーダーシップ』
と呼び、それぞれの行動要因は分類でき
また、学ぶこともできる!
としたのでした。
そんないいとこどりの
『フルレンジ・リーダーシップ』をまとめると
以下の7つになります。
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<フルレンジリーダーの7つの行動特性>
1,カリスマ:
→自分が有能であることを示すこと。
自他共認める有能さを示していなければ、
フォロワーはリーダーのビジョンや価値観に共鳴してくれない
2,理想化された影響:
→リーダーがビジョンのロールモデル
としての存在を体現していること。
3,鼓舞する動機づけ:
→価値やビジョンに強い動機づけをもたらす行動。
4,知的刺激:
→フォロワーにより挑戦的なことを求めること
(=知的刺激)
5,個別配慮:
→フォロワーの欲求や感情に配慮すること
6,業績に基づく報酬:
→フェアに報酬を与えることを通じて
納得した上でフォロワーの行動を促す
7,積極的な例外管理:
→行動と進捗が期待と異なったとき、
異なってしまいそうなとき、積極的に関与し、指導する。
(※参考:『組織行動』より)
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とのこと。
そしてこれらは、
「FRLP(Full Range Leadership Program)」という
変革型リーダーシップを育成するための
トレーニング・プログラム(by アボリオ&バス)
になっており、
1,MLQ(Multifactor Leadership Quetionnaire)
=変革型リーダーシップの測定尺度を用いる
2,リーダーシップスタイルの測定と、
不足しているものは何か?なぜ不足しているのか?
それによってどのような問題が生じるのか?を明らかにする
3,育成計画書を用いて、最終的な目標、
ならびに目標に至るまでの計画を作成
というプロセスで
一見天性のものとと思われる変革型リーダーシップも
訓練や経験で身につけることができる、
と言われております。
(どんな内容か詳しくは知りませんが、
なんだかスゴそうです)
■、、、と
「カリスマ型・変革型リーダーシップ」について
その定義や行動について、書かせていただきました。
なんだか教科書みたいに
なってしまいましたが(汗)
「カリスマ型リーダー」
という一つをとってみても、
非常に奥深く、様々な研究者が
探求をしているし、
その行動も特定されているし、
(ある程度は)身につけることもできる、
ということですね。
■また最後に付け足させていただくと、
今回のテーマの変革型リーダーですが、
『変革型アプローチには暗黒面がある』
ことが指摘もされているのでご注意を。
メンバーが受け身になってしまう、
盲信的になってしまう…などなど、
強力さゆえのネガティブ面もあることは
理解をしておく必要があるでしょう。
■そして、皆様の
職場や組織で求められるのも、
「必ずしも変革型リーダーシップが
求められているわけでもない」
という現状もあります。
リーダーシップとは
”職場の目標を達成するために他人に与える影響力”
ですので、
言ってしまえば色んなパターンがあるのです。
そして、昨日今日のお話、
・フォロワーに応じて色々対応を変えるのも大変
(=「コンティンジェンシー・アプローチ」は難しい…)
・カリスマ型の要素がわかるからと言って
そのように振る舞うのも自分らしいと思えない
(=「カリスマ型・変革型リーダーシップ」も難しい…)
としたときに、
どっちも厳しいよ、難しいよ、、
と思った方に朗報です。
リーダーシップの新しい研究として
自分の性格・強みを活かして、
他のメンバーに影響力を及ぼす
”性格や強みを元にした
『パーソナリティ・ベース・リーダーシップ』”
という考え方が注目されているのです。。
ということで、このお話は、
明日に続けたいと思います。
ぜひ、お楽しみに!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
物件を見に行くために
シカゴの混み合った通りを歩きながら、私はこういった。
「5年後ここにいる連中がみんな
スターバックスのコーヒーカップを手にして
歩くようになる」。
ハワード・シュルツ(スターバックス・コーポレーション最高経営責任者/1953-)
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