リーダーシップ理論を紐解こう!(後編) ~パーソナリティ・ベース・リーダーシップってなんだ?~
(本日のお話 3358字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は『7つの習慣フォロー研修』の
オンライン研修の実施でした。
また、大学院入学願書の提出など。
どれくらいの作り込めたのかはわかりませんが、
今自分ができる精一杯のことは出来たかな
、、、と思います。
あと1ヶ月、受験勉強も進めてまいります。
学んでマイナスになることはない!ということで。
*
さて、本日のお話です。
一昨日より、
『リーダーシップ理論を紐解こう!』
と題して、
代表的なリーダーシップ理論、
前編:コンティンジェンシー・アプローチ編
中編:カリスマ型・変革型アプローチ編
後編:パーソナリティ・ベース・リーダーシップ編
を前編・中編とお伝えしてまいりました。
今日は最後の後編、
『パーソナリティ・ベース・リーダーシップ』について
お伝えしてまいりたいと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【リーダーシップ理論を紐解こう!(後編)
~パーソナリティ・ベース・リーダーシップってなんだ?~】
それでは、どうぞ。
■リーダーシップ研究は、
実に幅広いです。
こんなにあるんだー、、、
と私も学びながら
唖然としておりました(汗)。
*
その中でも代表的な3つがあり、
まず1つ目が、前編でご紹介した、
「コンティンジェンシー・アプローチ」。
”ワン・ベスト・ウェイ”
(これさえやっときゃ大丈夫!)
みたいなアプローチ方法はなく、
状況に応じて変えましょう!
というリーダーシップアプローチです。
状況に応じて、
・タスク型・人間関係型上手く使いわけて
リーダーシップ行動をするのが望ましいよね
(=フィードラー理論)
とか、
・メンバーのスキルレベル、
モチベーションレベルに応じて
リーダーシップ行動を使い分けて行くことが望ましい
(=SL理論)
とか、
・リーダーシップの4つのスタイル(指示・支援・目標・参加型)と
フォロワーの状況(能力観・権限への影響等)、
良い組み合わせがあるのだ
(=パス・ゴール理論)
などなど。
「いったい何パターンあるんや、、、?」
と思ってしまいそうですし、
「状況に応じてカメレオンのように
行動を変えることが果たして出来るのだろうか?」
あるいは、
「、、、てか、メンバー20人もいたら
その状況把握をするのがそもそも無理じゃね?」
なんて意見も出たりするのが、
このコンティンジェンシーアプローチの難しいところ。
、、、うーん、その気持も
もっともな意見にも思えます。
■では、2つ目の代表的な
リーダーシップアプローチ。
中編でご紹介した、
「カリスマ型・変革型アプローチ」
はどうでしょうか?
これも昨日の定義で、
その行動を因数分解してみました。
<「カリスマ型」を認識させる5つのリーダー行動>
(Conger&Kanungo 1988)
1,新しくて魅力的なビジョンの提示
2,感情が高ぶるようなビジョンの提示
3,並外れた行動力
4,自己犠牲
5,自信と楽観的思考
と提示しました。
しかし、
「いやー、ビジョン大事なのわかるけど、
”新しくて魅力的なビジョン”とか
”感情が高ぶるビジョン”とか
やっぱり自分、苦手だなあ…」
とか
「正直、ビジョンよりも
現実的な分析とかのが得意なんですよね」
とか
「ビジョンより、メンバーが皆楽しく
快適で働きやすい雰囲気を作ることを
意識したほうが自分は上手くいくんです」
みたいな意見もあるわけです。
そして、それは
決して否定するわけではなく、
その人なりの勝ちパターンで
リーダーシップを発揮してきたわけです。
それを無理やり
「カリスマ型・変革型アプローチ」にするのが
正しいわけでもない。
むしろ、カリスマ型・変革型アプローチは
”暗黒面”があるとも言われていますし、
これまた正解というわけではないのです。
■、、、では何が正しいのか?
これは、これまでも
お伝えしてまいりましたが、
”「リーダーシップ」=職場の目標の達成に向けて他人に与える影響力”
ですから、別に
・「コンティンジェンシー・アプローチ」でも
・「カリスマ型・変革型アプローチ」でもなく
別のアプローチもあって良いのです。
そんな中、新しく注目されている
3つ目のリーダーシップアプローチ。
それが今日ご紹介する、
『パーソナリティ・ベース・リーダーシップ』
なのでございます。
(、、、と復習&前置きがだいぶ
長くなっていまいました。でも復習大事ですよね!)
■さて、ではこの
「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」とは、
一体何なのでしょうか?
端的に言えば、このような説明になります。
”『パーソナリティ・ベース・リーダーシップ』=
自分に向いたリーダーシップ、すなわち、
自分の性格や能力上の強みを活かしたリーダーシップ”
です。
■私達は、意識的・無意識的関わらず、
「自分の性格や能力、強み」を
仕事や人間関係に用い成果を出してきています。
つまり、自分の強みを活用したほうが
”効果的な影響力を発揮“することができる。
、、、ということ。
■たとえば、本人が自覚している、
していないは置いておいても、
・きめ細かいメンバーへのフォローで
信頼関係を築き、影響力を発揮している
というパターンもあれば
・分析的かつ説得力のあるアドバイスで
メンバーへの影響力を与えている
というパターンもあれば
・「とにかくやってみようぜ!」という
チャレンジ精神を使って、影響力を発揮している
というパターンもあり、
”自分の勝ちパターンでのリーダーシップの発揮”
(=職場の目標の達成に向けて、性格や強みを使う)
を少なからずやっていたりします。
ただ、その認識が
明示的か(はっきりわかっている)
暗黙的か(何となくわかっているか)
という違いがあるだけなのです。
■、、、なんてことをいうと、
こんなことを言われることがあります。
「いやいや、自分には”強み”なんてないです」
「どっちかって言うとこの性格だから
困ることのほうが多いし、、、」
というようなお声です。
しかしながら、
理屈っぽく反論させていただくと
・組織行動論の分野において、
良い性格/悪い性格という分類の仕方はしない
ものであり、その理由は
・良い悪いは何を基準にするかによって異なる
からです。
■例えば、性格特性で
「自己監視性」
(=自らの行動を客観的にみる傾向が強いかどうか)
というものがあります。
特徴をまとめると、
<自己監視性の高い人>は
・場の空気を読んで自らの行動を変えることができる
・一方、行動に一貫性がないと見られることもある
<自己監視性の低い人>は
・状況によって行動を変化させない。
一貫性に対する信頼感を得られやすい
・一方、空気が読めない
マイペースな人と捉えられることもある。
となります。
、、、では自己監視性が高い・低い、
どっちが良いの?
と言われると、結局
「良し悪しはない」わけです。
それはコインの両面のようなもので、
基準によって、良いものにも悪いものにもなりえるのです。
■しかし、人は「弱み(悪い側面)」に
注目しすぎる傾向があります。
ただ弱みばかり見るのは正しくない。
なぜなら、弱みの克服ばかり考えると、
強みの発揮ができなくなるからです。
私の場合、「活発性(ストレングス・ファインダー)」という
特徴を持っていますが、
「とにかく行動だ!」という資質で
チャンスを掴むというのがパターンです。
しかし行動だ!ということで
浅慮により数多のミスを生み出し、
たくさん叱責されてきました。
後者に注目してばかりいると、
自分の持ち味が活かせなくなるのです。
ゆえに、
・弱みが明らかに足を引っ張っているとき
・特徴的な性格が弱みになっているとき
(強みが出すぎて弱み化しているとき)
はコントロールする必要がありますが、
あくまでも、ベースは、
”『パーソナリティ・ベース・リーダーシップ』”
(=自分の性格や能力上の強みを活かしたリーダーシップ)
が有効なのです。
■このパーソナリティ・ベース・リーダーシップを磨くには
・職場の目標を達成するために他人に影響を与える
自分の性格や能力は何だろうか?
を内省することです。
例えば、
・性格分析で信頼性の高い『ビック5(※)』でも
・強みを分析するツール『ストレングス・ファインダー』でも、
・ユングの心理学を基にした『MBTI』でも、
・対人関係の傾向を見つける『DiSC』
でも、様々な、「自分の性格や強み」を
見つけるツールを活用する。
そして”自分の強みや性格は何か?”を
自分自身で内省をし、磨きを欠けていく。
そうすることで、自分なりの
「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」が
確立されていくはずです。
■、、、ということで、
全3回に亘ってお届けした
「リーダーシップ理論を紐解こう!」シリーズ
いかがでしたでしょうか?
理論は、自分の参照枠を拡げたり、
あるいは持論をより強固にする上で
大変役に立つものです。
少しでも参考になったのであれば
私も嬉しく思います。
これから、役職ではなく
1人1人がリーダーシップを発揮することが
益々求められています。
ぜひリーダーシップ、発揮していきたいものですね!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
Leadership is a choice, not a position.
(リーダーシップとは肩書ではなく、選択である)
スティーブン・R・コヴィー
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