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2562号 2021年2月24日

「会議で誰も発言しない問題」の解決のためには、”氷山の水面下”に目を向けること

(本日のお話 2114字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は祝日・天皇誕生日でしたね。
皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。

私はお休みとのことで
ひたすら赤ちゃんと戯れたり、

Netflixをみたり、ゆるりとした
1日を過ごしておりました。
よき1日でした。



さて、本日のお話です。

大学院受験が終わって、
一息をついている中ですが、

色々な企業様からこのところ
よくご相談いただく内容が

「会議で誰も話さない問題」

があります。

、、、この現象、
実に多くの職場で起こっており、

かつ、我々が持つべき
大切な視点を教えてくれる

教訓的な話でもあると感じます。

今日は上記の問題について、
今日は”組織開発的な観点”から
紐解いてみたいと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【「会議で誰も発言しない問題」の解決のためには、
”氷山の水面下”に目を向けること】

それでは、どうぞ。

■「会議で、メンバーが
誰も発言しないんですよね。

オンラインでミーティングしていても
自分だけずっと喋って終わり、です。

メンバーの主体性が足りないんですかね」

、、、みたいなお話。

”リーダー/マネージャーだけが喋って
あとは聞いているだけ問題”

これ、多くの職場で起こっている
典型的な問題のように思います。

(こういう問題、結構ありますよね、、、)

■もちろん、この原因は、
様々な要素が複合されているため、

上記の情報だけで、

「主体性がないから」

と安易に片付けてしまうのは
あまりにも乱暴である、

というのはまあ、

考えてみれば当然といえば
当然の話かと思います。

■確かに、

”主体性のなさ”という
側面もあるかもしれませんが

その個人に問題にフォーカスをするのが
「人材開発」という領域だとすると、

”チームの関係性や構造・文化”

などにアプローチをするのは
「組織開発」という領域になります。

そして、

”組織開発=

「人」でなく「チーム/組織」自体の
効果性や健全性を高めるアプローチ”

とされており、この分野の注目度が
現在非常に高まっています。

■例えば、上記の

「会議で誰も発言をしない」

でいえば、

・メンバーの主体性がない

以外にも

・なんのために集まっているのか
理解もしていない

・リーダーが指示・命令ばかりで
発言しづらい

・発言をしても、これまで反論をされ
結局聞いてもらえなかった過去がある

・発言をしたら、責任を押し付けられる
空気があるから、言いたくない

・そもそもリーダーやチームを
信頼していない

、、、みたいな

様々な事が起こっていたりして、

それらが積み重なって、

「会議で誰も発言しない」

という選択を、
”皆が選んでいる”となっている
可能性が大いにあるのです。

、、、つまり、これらは

「発言しない」という氷山の水面下にある
膨大な見えない氷の塊のようなものです。

■そして、大切なのは、

”実は、当人も意識していない
(当人にとっては)ほんの些細な言動が、

信頼や関係性に影響を与えている”

ことがままある、

ということ。

■例えば、

会議で意見を言った
メンバーがいたとします。

そのときに、その時のリーダーが

「今、その話題じゃないから。」

で話をピシャリと
終わらせたとして、

そのメンバーの中に

受け取られなかった、
モヤモヤしたものが残った、

としたら、

現実として、また発言しよう
とはならないかもしれません。

そのリーダーには全く悪意はなく、
会議を前に進行させる役割を

全うしようと思っていたとしても
”些細なこと”が尾を引くことは

やはりあるものです。

■「いや、何ぬるいこといっているの?
仕事でしょ?」

という感覚を持つ方も
もしかするといるかもしれませんが、

時代が変わり、必ずしも一社に
所属し続ける必然性がなくなっているとき

このような

小さな”感情のほころび”が、
段々と大きくなり、

組織を硬直化させたり
組織からの退出(離職)に繋がったり、
メンバーを依存傾向にしたり

等はかなり起っています。

■では、どうすればよいか?

、、、その答えは、

『その隠れた氷山の水面下の問題を
”見える化”して”語ること”』

です。

例えば、

「実は私はあなたの強圧的なやり方に
発言がしづらいと思っています」

という”見える化”をする等、
ダイレクトな方法もあれば、

(かなり勇気がいりますが)

あるいは、

「サーベイなどを使って
見えない声を見える化する」

という方法もあります。

そこでメンバーが想像以上に
ストレスを抱えているという

”氷山の頭”が見えたときに、
その水面下にある問題は、

一体何なのだろうか?

■そのことを考える視点を持つ。

そして、見つめてみる。

そうしてこそ、
短期的な成果ではなく、
長期継続的な成果を生み出す、

『組織の”効果性と健全性”』
(=信頼関係がある、
忌憚なく物事が言い合える関係がある
学び合う文化がある
お互いの助け合いの文化がある、
権力によって抑圧されていない状態、
皆が目標を受け入れている状態である、など)

を高めることができるのです。

■サンテグジュペリの
名著『星の王子さま』で

「大切なものは目に見えないんだよ」

という言葉がありますが、

現実レベルの仕事、ビジネスの話でも
それは全く同じだと思います。

目に見えていないものを大切にすること。

青臭い話ではなく、
現実問題として、それこそが、

「会議で誰も発言しない問題」を解決するための
”氷山の水面下”に目を向ける

という解決策になります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

私たちの一人ひとりが、
自分の周りに垣根を築き上げるためでなく、
垣根を取り外すためにエネルギーを費やせば、
世界はもっと平和な場所になるでしょう。

ジェラルド・G・ジャンポルスキー(米国の精神医学者/1925-)

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