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2581号 2021年3月15日

ドラッカーの語る「強みを活かす」の意義をまとめてみた

(本日のお話 2230字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は朝8:30から
某企業役員をお招きしての
月1回のプライベート勉強会の開催。

その中で

ピーター・ドラッカーの著書
『プロフェッショナルの条件』

についてお話がありました。

それをきっかけに
私も再度読んでみたのですが、

改めて

「さすがドラッカー先生…
いいこと言うなあ!」

と感銘を受けたのでした。

いい本は、いつ読んでも新鮮。

、、、ということで本日は、
ドラッカーの名著から、

「人の強みを活かす」

という項目から、
いくつかご紹介させていただきつつ、
思うところお伝えできればと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは、

【ドラッカーの語る「強みを活かす」の意義をまとめてみた】

それでは、どうぞ。

■「強み」を活かす。

この考え、
知っている人は知っている。

でも、

知らない人は全く知らない、
考えたこともない、

そんなテーマの一つです。

メルマガをお読み頂いている
皆さまであれば、

”強みを活かす”

というのは、
ごく普通のことかもしれませんが、

企業研修などでお伝えすると、

「「強みを活かす」という発想自体、
初めて聞きました!」

なんて人も少なくありません。

■確かに、”強みを生かす”というのは、
響きが良い言葉であり、

ポジティブなことも
彷彿させてくれます。

しかし一方、

「『強み』活かす」

ことは、どのような良い価値、
意義を組織にもたらしてくれるのか?

これは、現実的に気になること
ではないでしょうか。

■このことを、
ピーター・ドラッカーの

『プロフェッショナルの条件』
”第5章 人の強みを活かす”

で、10ページほどですが
まとめられておりました。

この中から、

・強みを活かす意義

についていくつか
ご紹介したいと思います。

実に、納得させられます。

(ここから)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ドラッカーの語る「強みを活かす」意義のまとめ>

◯強みに注目せよ

”成果をあげるためには、人の強みを生かさなければならない。
弱みを気にしすぎてはならない。

利用できる限りあらゆる強み、すなわち同僚の強み、
上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。

強みこそが機会である。
強みを活かすことは組織に特有の機能である”(P189)

◯強みを生かした人事

”人の弱みに配慮して人事を行えば、
うまくいったところで平凡な人事に終わる。

強みだけの人間、完全な人間、
完成した人間を探したとしても、

結局は平凡な組織を作ってしまう。”

”大きな強みを持つ人は、
ほとんど常に大きな弱みを持つ。

山があるところには谷がある。
しかもあらゆる分野で強みを持つ人はいない。”(P190)

◯人に成果をあげさせるために

”「何ができないか」を考えてもならない。
「何を非常によくできるか」を考えなければならない”

特に人事では、一つの重要な分野における
越性を求めなければならない。

人の卓越性は、一つの分野、
あるいはわずかの分野において実現されるのみである"(P191)

◯組織の利点

”組織とは、強みを成果に結びつけつつ、
弱みを中和し無害化するための道具である”

”われわれひとりでは、強みだけをもつわけにはいかない。
強みとともに、弱みがついている。

われわれは、そのような弱みを仕事や成果とは
関係ない個人的な欠点にしてしまえるよう

組織をつくらなければならない”

”リンカーンでさえ、強みをもとに人を選ぶまでに、
なぜ三回も弱みをもとに人事を行ったのか。

主たる理由は、目の前の人事が、人間の配置ではなく
仕事のための配置になっているからである”(P192)

◯「部下」の強みを生かす

”上司は部下の仕事に責任を持つ。
部下のキャリアを左右する。

したがって、強みを生かす人事は、
成果をあげるための必要条件であるだけでなく、

倫理的な至上命令、権力と地位に伴う責任である。

”弱みに焦点を合わせることは、間違っているだけでなく、
無責任である。

上司は、組織に対して、部下一人ひとりの強みを
可能な限り生かす責任がある。

何にもまして、部下に対して、
彼らの強みを最大限に活かす責任がある。” (P193)

◯「上司」の強みを生かす

”成果をあげるためには、
上司の強みも生かさなければならない。

「上司にどう対処するか」で悩まない者はいない。

答えは簡単である。
上司の強みを生かすことである。”

”上司の強みを強調し、
上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、

部下たる者も成果をあげられるようになる。

上司の弱みを強調したのでは、
部下の弱みを強調したときと同じように、

意欲と成長を妨げる”

”上司が得意でないことをあまり心配してはならない”(P194)

※引用『プロフェッショナルの条件』
”第5章 人の強みを活かす”より

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、いかがでしょうか。

部分的に抜粋するだけのつもりが、
気づいたら、長文になっておりました(汗)

だいぶピックアップしたのにこの有様。

ドラッカー先生の言葉、
実に考えさせられますね。

■ドラッカーは、

「知識労働者の人口の増加」

が1900年代後半から起こった
大いなる変化であり、

そして知識労働者が
成果を上げていくためには、

条件があるといいました。

そしてその一つが

「強みを活かす」

ことです。

■上記の”強みを活かす”ことを
実現するには、

”社会がこれからどうなっていくのか”
”組織が何のために存在するのか”
”自分が何によって覚えられたいか”

などを考えていく必要があります。

思うに、哲学がなければ、

「仕事はこれとこれがあるから、
いる人に割り振っとけ」

で終了してしまうでしょう。

だから、一人ひとりが
社会のこと、組織のこと、自分のことを
深く考えることが、

”強みを生かす”

ための重要な要素になるのでしょう。

■ドラッカーが語った内容は、
実に幅広く、著書も数十冊にわたります。

社会やマネジメントに広く関わる本も多数ある中で、
今回引用をさせていただいた

『プロフェッショナルの条件』

は、

”一人ひとりの人間が、
「自分を使ってどのように貢献をしたらよいか」に
答えを出そうとする一冊”

と紹介されています。
(あとがきより)

ドラッカーの著作10点、
そして、論文1点から抜粋した本書。

ドラッカーのエントリー本として
おすすめできる本。

私も改めて読み直したいな、
と思った一冊でございました。

上記の「強みを生かす」の詳細以外も、
実に濃厚な一冊でございます。

よろしければ、ぜひ本書
手にとってみて下さいね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

いくつかの芸を月並みにこなすより、
一芸に秀でるほうが良い。

小プリニウス(古代ローマの政治家/61-112)

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