ドラッカーの語る「強みを活かす」の意義をまとめてみた
(本日のお話 2230字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は朝8:30から
某企業役員をお招きしての
月1回のプライベート勉強会の開催。
その中で
ピーター・ドラッカーの著書
『プロフェッショナルの条件』
についてお話がありました。
それをきっかけに
私も再度読んでみたのですが、
改めて
「さすがドラッカー先生…
いいこと言うなあ!」
と感銘を受けたのでした。
いい本は、いつ読んでも新鮮。
、、、ということで本日は、
ドラッカーの名著から、
「人の強みを活かす」
という項目から、
いくつかご紹介させていただきつつ、
思うところお伝えできればと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【ドラッカーの語る「強みを活かす」の意義をまとめてみた】
それでは、どうぞ。
■「強み」を活かす。
この考え、
知っている人は知っている。
でも、
知らない人は全く知らない、
考えたこともない、
そんなテーマの一つです。
メルマガをお読み頂いている
皆さまであれば、
”強みを活かす”
というのは、
ごく普通のことかもしれませんが、
企業研修などでお伝えすると、
「「強みを活かす」という発想自体、
初めて聞きました!」
なんて人も少なくありません。
■確かに、”強みを生かす”というのは、
響きが良い言葉であり、
ポジティブなことも
彷彿させてくれます。
しかし一方、
「『強み』活かす」
ことは、どのような良い価値、
意義を組織にもたらしてくれるのか?
これは、現実的に気になること
ではないでしょうか。
■このことを、
ピーター・ドラッカーの
『プロフェッショナルの条件』
”第5章 人の強みを活かす”
で、10ページほどですが
まとめられておりました。
この中から、
・強みを活かす意義
についていくつか
ご紹介したいと思います。
実に、納得させられます。
(ここから)
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<ドラッカーの語る「強みを活かす」意義のまとめ>
◯強みに注目せよ
”成果をあげるためには、人の強みを生かさなければならない。
弱みを気にしすぎてはならない。
利用できる限りあらゆる強み、すなわち同僚の強み、
上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。
強みこそが機会である。
強みを活かすことは組織に特有の機能である”(P189)
◯強みを生かした人事
”人の弱みに配慮して人事を行えば、
うまくいったところで平凡な人事に終わる。
強みだけの人間、完全な人間、
完成した人間を探したとしても、
結局は平凡な組織を作ってしまう。”
”大きな強みを持つ人は、
ほとんど常に大きな弱みを持つ。
山があるところには谷がある。
しかもあらゆる分野で強みを持つ人はいない。”(P190)
◯人に成果をあげさせるために
”「何ができないか」を考えてもならない。
「何を非常によくできるか」を考えなければならない”
特に人事では、一つの重要な分野における
越性を求めなければならない。
人の卓越性は、一つの分野、
あるいはわずかの分野において実現されるのみである"(P191)
◯組織の利点
”組織とは、強みを成果に結びつけつつ、
弱みを中和し無害化するための道具である”
”われわれひとりでは、強みだけをもつわけにはいかない。
強みとともに、弱みがついている。
われわれは、そのような弱みを仕事や成果とは
関係ない個人的な欠点にしてしまえるよう
組織をつくらなければならない”
”リンカーンでさえ、強みをもとに人を選ぶまでに、
なぜ三回も弱みをもとに人事を行ったのか。
主たる理由は、目の前の人事が、人間の配置ではなく
仕事のための配置になっているからである”(P192)
◯「部下」の強みを生かす
”上司は部下の仕事に責任を持つ。
部下のキャリアを左右する。
したがって、強みを生かす人事は、
成果をあげるための必要条件であるだけでなく、
倫理的な至上命令、権力と地位に伴う責任である。
”弱みに焦点を合わせることは、間違っているだけでなく、
無責任である。
上司は、組織に対して、部下一人ひとりの強みを
可能な限り生かす責任がある。
何にもまして、部下に対して、
彼らの強みを最大限に活かす責任がある。” (P193)
◯「上司」の強みを生かす
”成果をあげるためには、
上司の強みも生かさなければならない。
「上司にどう対処するか」で悩まない者はいない。
答えは簡単である。
上司の強みを生かすことである。”
”上司の強みを強調し、
上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、
部下たる者も成果をあげられるようになる。
上司の弱みを強調したのでは、
部下の弱みを強調したときと同じように、
意欲と成長を妨げる”
”上司が得意でないことをあまり心配してはならない”(P194)
※引用『プロフェッショナルの条件』
”第5章 人の強みを活かす”より
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さて、いかがでしょうか。
部分的に抜粋するだけのつもりが、
気づいたら、長文になっておりました(汗)
だいぶピックアップしたのにこの有様。
ドラッカー先生の言葉、
実に考えさせられますね。
■ドラッカーは、
「知識労働者の人口の増加」
が1900年代後半から起こった
大いなる変化であり、
そして知識労働者が
成果を上げていくためには、
条件があるといいました。
そしてその一つが
「強みを活かす」
ことです。
■上記の”強みを活かす”ことを
実現するには、
”社会がこれからどうなっていくのか”
”組織が何のために存在するのか”
”自分が何によって覚えられたいか”
などを考えていく必要があります。
思うに、哲学がなければ、
「仕事はこれとこれがあるから、
いる人に割り振っとけ」
で終了してしまうでしょう。
だから、一人ひとりが
社会のこと、組織のこと、自分のことを
深く考えることが、
”強みを生かす”
ための重要な要素になるのでしょう。
■ドラッカーが語った内容は、
実に幅広く、著書も数十冊にわたります。
社会やマネジメントに広く関わる本も多数ある中で、
今回引用をさせていただいた
『プロフェッショナルの条件』
は、
”一人ひとりの人間が、
「自分を使ってどのように貢献をしたらよいか」に
答えを出そうとする一冊”
と紹介されています。
(あとがきより)
ドラッカーの著作10点、
そして、論文1点から抜粋した本書。
ドラッカーのエントリー本として
おすすめできる本。
私も改めて読み直したいな、
と思った一冊でございました。
上記の「強みを生かす」の詳細以外も、
実に濃厚な一冊でございます。
よろしければ、ぜひ本書
手にとってみて下さいね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
いくつかの芸を月並みにこなすより、
一芸に秀でるほうが良い。
小プリニウス(古代ローマの政治家/61-112)
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