大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである
(本日のお話 1653字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は4件のアポイント。
ならびに夜からは
大学院の仲間と懇親会でした。
*
さて、本日のお話です。
昨日、オンラインの打ち合わせで
元上司の方とお話をしていたのですが、
その際に、
「教育において必要なことは
”結び直し”だよね!」
という話を聞きました。
そしてその言葉を
自分の中で反芻しつつ
「何度も何度も、同じことを考え
振り返ることの大切さ」
を感じました。
今日はそのお話について学びと気づきを
皆さまにご共有させて頂ければと思います。
タイトルは、
【大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである】
それではどうぞ。
■「7つの習慣研修」を実施した企業で、
こんな切ない逸話があります。
人事担当者の方が言いました。
「「7つの習慣」の研修、よかったんですよね。
研修後の反応も素晴らしかったし。
、、、でも、1年経ってみると
「7つの習慣」で学んだこと、ほとんど
忘れてしまっているようです」
「7つの習慣」じゃなくて、
「7つの瞬間」で終わってしまいましたね(汗)」
というエピソード。
うまい!面白い!
、、、のですが、
なんだか複雑です。。。
■あるいは似たような話だと、
ある研修会社の講師が
こんな話を参加者にしました。
「今日、皆さまは色々学びましたが、
一つお約束します。
結局、皆さん忘れるんです。
だから、我々のような研修会社は、
商売が続くのですね(笑)」
というお話。
更に、複雑な心境でもあります。
■こうしてみてみると、
当たり前の話ですが、
”人は忘れる生き物”
であることを思い出します。
よほどの天才ではない限り
”1度見聞きしただけで、
使いこなせる人などいない” ですし、
”1度考えただけで、
もう同じ問いを考えなくなる人”
もいないものです。
(「自分は何をしたいのか?」みたいな
深い問いもそうですよね。
1度考えて終わり、ではないのです)
■人は、何度も何度も、
学んだことを忘れては振り返り、
読み直したり、語ってみたりする中で
”自分に馴染ませる”
”自分のモノにしていく”
というプロセスを
ひたすらに歩み続けるわけです。
そして、螺旋階段のように
少しずつ前に進み続けるものです。
■それは、例えるならば、
「靴紐」
みたいなものかもしれないな、
と思います。
紐も、最初の頃は、
結んでもすぐにほどけてしまう。
でも、ほどけてはまた、
”結び直し”する。
またまたほどけては、
”結び直し”をする。
ただい、そうやって、
”繰り返し”を重ねることで
少しずつ紐に癖がついてきて、
やがてほどけない、
強固な結び目になっていく。
そのような行為が
特定の学び、あるいは問いの答えをを、
”自分に馴染ませる”
”自分のモノにしていく”
のであろう、と思ったのでした。
■特に、”結び直し”とは、
単純な学習な振り返り以上に、
「自分のミッションやビジョンを考える」
という抽象度の高い、
深い問いにこそ当てはまります。
「自分のミッションはこれだ」と決めたり
「自分の目標はこうだ」と思っても、
少し時間が経つと、
「本当にそうなのだろうか、、、?」
と疑問が湧き上がってきたり
迷いが生じることもあるものです。
■しかし、そうやって日々
自分の心境も、周囲の環境も
変わり続けていく中で、
内省的省察を習慣的に行い、
”結び直し”をしていく。
そうして、
「”自分自身の軸”を結び直す」
ことを何度も何度も、
繰り返し問い続けていくことで
ブレない自分が、少しずつ
作り上げられていくのだろう、
と思ったのでした。
■ちなみに、こうした
”結び直しのプロセス”
(=自分を振り返る習慣)
を別の切り口で考えてみると、
学習理論で言う、
『経験学習モデル』(デイビットコルブ)
に共通点を見ることができます。
経験学習モデルとは、
1,具体的経験(物事を体験する)
↓
2,内省的観察(自分自身を振り返る)
↓
3,抽象的概念化(上手くいく・失敗するパターンなど抽象化する)
↓
4,能動的実験(行動をする)
というサイクルを回す、
学び方のことです。
すなわち、
”経験を通じ、振り返りながら学んでいく”
というのが学習のポイントであり、
この経験学習は研究結果によって
1)経験学習を行うことは「能力向上」に繋がる
2)経験学習を行っている人のほうがそうではない人に比べ
「個人業績も高い」
ことがわかっています。
■学びとは、「結び直す」プロセスです。
何度も学んだことを忘れ、
一度問うて出たはずの答えに迷い、
それでも繰り返しながら
問い、深め続けることで、
少しだけ思考が深まったり
ちょっとだけ違う見方ができるようになる。
そうして解像度を高めながら
小さいながらも前に進んでいくプロセスが
「大人の学び」であろう、と思います。
【大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである】
子供のように目をみはる成長はなくとも
深めていくこのプロセスを大切にしていきたい、
そんなことを思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
間違いと失敗は、
我々が前進するための訓練である。
チャニング・ウィリアムズ(米国の牧師/1829-1910)
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