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2591号 2021年3月25日

大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである

(本日のお話 1653字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は4件のアポイント。

ならびに夜からは
大学院の仲間と懇親会でした。



さて、本日のお話です。

昨日、オンラインの打ち合わせで
元上司の方とお話をしていたのですが、

その際に、

「教育において必要なことは
”結び直し”だよね!」

という話を聞きました。

そしてその言葉を
自分の中で反芻しつつ

「何度も何度も、同じことを考え
振り返ることの大切さ」

を感じました。

今日はそのお話について学びと気づきを
皆さまにご共有させて頂ければと思います。
タイトルは、

【大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである】

それではどうぞ。

■「7つの習慣研修」を実施した企業で、
こんな切ない逸話があります。

人事担当者の方が言いました。

「「7つの習慣」の研修、よかったんですよね。
研修後の反応も素晴らしかったし。

、、、でも、1年経ってみると

「7つの習慣」で学んだこと、ほとんど
忘れてしまっているようです」

「7つの習慣」じゃなくて、
「7つの瞬間」で終わってしまいましたね(汗)」

というエピソード。

うまい!面白い!

、、、のですが、
なんだか複雑です。。。

■あるいは似たような話だと、
ある研修会社の講師が
こんな話を参加者にしました。

「今日、皆さまは色々学びましたが、
一つお約束します。

結局、皆さん忘れるんです。

だから、我々のような研修会社は、
商売が続くのですね(笑)」

というお話。
更に、複雑な心境でもあります。

■こうしてみてみると、
当たり前の話ですが、

”人は忘れる生き物”

であることを思い出します。

よほどの天才ではない限り

”1度見聞きしただけで、
使いこなせる人などいない” ですし、

”1度考えただけで、
もう同じ問いを考えなくなる人”

もいないものです。

(「自分は何をしたいのか?」みたいな
深い問いもそうですよね。
1度考えて終わり、ではないのです)

■人は、何度も何度も、
学んだことを忘れては振り返り、

読み直したり、語ってみたりする中で

”自分に馴染ませる”
”自分のモノにしていく”

というプロセスを
ひたすらに歩み続けるわけです。

そして、螺旋階段のように
少しずつ前に進み続けるものです。

■それは、例えるならば、
「靴紐」

みたいなものかもしれないな、
と思います。

紐も、最初の頃は、
結んでもすぐにほどけてしまう。

でも、ほどけてはまた、
”結び直し”する。

またまたほどけては、
”結び直し”をする。

ただい、そうやって、
”繰り返し”を重ねることで
少しずつ紐に癖がついてきて、

やがてほどけない、
強固な結び目になっていく。

そのような行為が
特定の学び、あるいは問いの答えをを、

”自分に馴染ませる”
”自分のモノにしていく”
のであろう、と思ったのでした。

■特に、”結び直し”とは、
単純な学習な振り返り以上に、

「自分のミッションやビジョンを考える」

という抽象度の高い、
深い問いにこそ当てはまります。

「自分のミッションはこれだ」と決めたり
「自分の目標はこうだ」と思っても、

少し時間が経つと、

「本当にそうなのだろうか、、、?」

と疑問が湧き上がってきたり
迷いが生じることもあるものです。

■しかし、そうやって日々
自分の心境も、周囲の環境も
変わり続けていく中で、

内省的省察を習慣的に行い、
”結び直し”をしていく。

そうして、

「”自分自身の軸”を結び直す」

ことを何度も何度も、
繰り返し問い続けていくことで

ブレない自分が、少しずつ
作り上げられていくのだろう、

と思ったのでした。

■ちなみに、こうした

”結び直しのプロセス”
(=自分を振り返る習慣)

を別の切り口で考えてみると、

学習理論で言う、

『経験学習モデル』(デイビットコルブ)

に共通点を見ることができます。

経験学習モデルとは、

1,具体的経験(物事を体験する)

2,内省的観察(自分自身を振り返る)

3,抽象的概念化(上手くいく・失敗するパターンなど抽象化する)

4,能動的実験(行動をする)

というサイクルを回す、
学び方のことです。

すなわち、

”経験を通じ、振り返りながら学んでいく”

というのが学習のポイントであり、
この経験学習は研究結果によって

1)経験学習を行うことは「能力向上」に繋がる

2)経験学習を行っている人のほうがそうではない人に比べ
「個人業績も高い」

ことがわかっています。

■学びとは、「結び直す」プロセスです。

何度も学んだことを忘れ、
一度問うて出たはずの答えに迷い、

それでも繰り返しながら
問い、深め続けることで、

少しだけ思考が深まったり
ちょっとだけ違う見方ができるようになる。

そうして解像度を高めながら
小さいながらも前に進んでいくプロセスが
「大人の学び」であろう、と思います。

【大人の学びとは幾度となく繰り返す、”結び直し”のプロセスである】

子供のように目をみはる成長はなくとも
深めていくこのプロセスを大切にしていきたい、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

間違いと失敗は、
我々が前進するための訓練である。

チャニング・ウィリアムズ(米国の牧師/1829-1910)

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