今週の一冊『ブルーピリオド』
(本日のお話 2201文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
終日「リーダーシップ」をテーマにした研修でした。
久しぶりの対面での集合研修の開催。
本当に楽しく、こういった場でお話させていただけることを
有り難いなあ、としみじみ思った1日でした。
人と会うことはエネルギーを使うけれども
同時にエネルギーをたくさんもらえます。
改めて人と空間を共にできることの貴重さを
噛み締めた週末でした。
(参加いただきました皆さま、
ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
今週の一冊のコーナー。
今週の一冊は
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『ブルーピリオド』 山口 つばさ(著)
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です。
■最近、
”漫画だけど学べる、視野が拡がる名作”
探しにハマっております。
その中で偶然、
素晴らしい作品(漫画です笑)を
見つけてしまいました。
、、、というのも、妻が
「この本、面白いんだよ」
と、彼女のkindleの中に
入れていた漫画を何気なく読んでみたら、
「なにこれ、、、
超面白いんだけど!」
と、寝るのも忘れて
一気読みしてしまった、
、、、という作品です。
■ではこの作品(漫画)、
一体なんの話なのか?
というと、
”「絵」で美大を目指す高校生のお話”
です。
(以下、ちょっとだけネタバレを含みますが、
簡単なあらすじです)
主人公は男子高校生。
学校の中でも成績優秀、
でもちょっと不良っぽくて人気もある、
いわゆるスクールカーストの
上位に位置する主人公。
でも、器用に何でもできてしまうがゆえに
燃えることができない。打ち込めない。
そんな中、ふと
「1つの絵」に出会い、
何とも言えない衝撃を受けます。
そして、その後、
「夜遊びをした後の朝の渋谷の絵」
を描いて、その絵を褒められたことから、
絵の魅力に、急激に取り憑かれていきます。
■そしてその勢いで美術部に入り、
ひたすら絵を描いていく日々。
元々才能があるわけではない彼は、
尋常じゃない努力で
絵を書くことを積み重ねていき、
凄まじい勢いで上達をしていきます。
そして、唯一の国立の美術系大学、
東京藝術大学を目指す…
なんていうお話。
■ちなみに、
東京芸術大学平成28年度の油画専攻の倍率は
募集定員55人に対して1058人、
応募の約20倍、そのうち現役生は16人で
高校生が受かる倍率は実質60倍という超狭き門です。
(と作品で紹介されています)
、、、が調べてみると
現実もそのようで、その特殊性から
「東京大学に入るより難しい」
なんて話もあるくらいです。
■この作品をお勧めしたい理由は
(私を含めて)
「芸術」に造形が深い人は、
そんなに多くはないのであろう、
となんとなく思っているから、
というのもあります。
「美大受験」なんて言われても
縁がない多くの方は、
「なんのこっちゃ、、、?」
と思うのではないかと。
、、、しかし、
そう感じている方であればあるほど、
この作品を読んでいただくことで
「絵画って、こうやって
見るものなのか…!」
「美術のうんちくって
こんなに面白いんだ!」
という驚き・感動があるはず。
■「絵」を題材にしている作品だけあって、
絵が書かれている漫画も、
非常に美しいタッチで描かれているのも魅力。
作中に表現される実際の「絵画作品」は
アーティストの協力で、実際に描かれており、
漫画の域を越えている、それこそ
「芸術」であると感じました。
実に、美しい。
■また、もう1つ、
ビジネスの分野でバリバリ活躍されている
皆さまにも、補足として「アートを知る意義」を
ハイライトさせて頂ければと思います。
ご存知の方も多い方と思いますが、
日本の人事部 HRアワード2018 最優秀賞受賞を受賞し
10万部以上売り上げた(ビジネス書では実に珍しい)
をした著書で、
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
~ 経営における「アート」と「サイエンス」~』山口周(著)
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/8632/
という書籍があります。
この本では
「ビジネスで働く人が、なぜアートを学ぶことが
重要なのか?」
を極めて論理的に語っていて
目からウロコの名著です。
■現代の世の中では、
論理的思考だけではなく、
”直感や感性”が求められるようになっている。
それは、スティーブ・ジョブスが、
フォントの表現方法である「カリグラフィー」を学び、
そして美しいMacを作り出した話に代表されますし、
iPhoneが人気なのも、
その美しいフォルムや洗練されたデザイン、
なめらかなる機能性であることが
「アート」と関わることは
誰もが納得することではないかと。
それは、感性をくすぐる”何か”があるから。
ただ機能があるのではなく、
感性をくすぐる、アート思考、
美意識の観点が、これから益々求められるのです。
■加えてもう一つ、
『アート&ロジック
~絵が描ける感動と脳の活性化による新たな知覚と気づきを!~』
という
「2日間で絵がめちゃくちゃ鑷子に
描けるようになるワークショップ」
なるものがあり、
このワークショップはビジネスパーソンを
対象にしています。
そこでも東京藝術大学の卒業生が
理論と実践で絵の書き方のポイントを教えてくれて、
実際に、めちゃくちゃ上手くなるのですが、
そのちょっとマニアックなワークショップに
私も数年前参加をしたときは、
誰もが知る上場している
有名なIT企業の社長や、
データ・アナリティクスで
最先端の研究をしているスーパーエンジニアなど、
只者ではないビジネスエリートが
参加していました。
たまたまかもしれませんが、
「アートって、
注目されているんだ、、、」
と肌身を通じて感じたのでした。
■、、、ということで、
「芸術」という世界の入り口を知ることは
有益なことがありそうだ、
と思います。
もしちょっとだけでも興味を持てたら
実際に美術館など、色々と楽しめる視点が増えそう。
そんな意味でも、今回ご紹介の
『ブルーピリオド』は
入り口としてとても素敵な作品だと思っております。
(以下、作品の説明引用です)
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成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、
どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、
ある日、一枚の絵に心奪われる。
その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。
美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、
八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!
※Amazon本の説明より抜粋
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よかったらお仕事の息抜きなどで
ぜひ読んでみてください。
とても刺激になる一冊でございます。
絵に興味がある人もない人も、
お勧めでございます。
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<今週の一冊>
『ブルーピリオド』 山口 つばさ(著)
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