言葉を理解することは、世界を理解すること
(本日のお話 2817字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は茨城の妻の実家へ。
生後3ヶ月の赤ちゃんを
義父にようやく対面させることができ、
喜んでもらえたのが嬉しい時間でした。
いつ会えるかわからないので
家族との時間は大事にしたいな、、、
と思った次第。
また帰宅後は、
夜8時から深夜1時まで(!)現在進めている
大学院のプロジェクト打ち合わせでした。
*
さて、本日のお話です。
大学院に通い始めて、
1ヵ月経ちました。
※ちなみに通っている大学院です。
↓↓
立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース
https://ldc.rikkyo.ac.jp/
よくあるMBAなどの
大学院が通常と違うのが、
”チームワークを中心として、
理論的実践者を目指す”
ところ。
ケースを学んだり、
論文を学んだりだけでなく、
実際に自分たちでワークショップを作ったり、
運営したりする”実践”を重視するところです。
ゆえにチームでのディスカッション、
打ち合わせがたくさんあり
そのチームワークの
プロセスの中で起こった様々なことを、
自分たちで内省し振り返り、
学びとして昇華させていくと言う、
”実践”に重きを置いた大学院でございます。
ということで、大学院が始まってから、
週2回程度、2時間くらいミーティングしつつ、
土曜日の授業に向けて準備をする、
そんな日々が新しい生活様式(?)
となっているのでした。
*
そんな中で、様々な知識や、
見方を手に入れておりますが、
私が特に学びになっているのが
「言葉を区別して使うこと」
の大切さです。
「言葉」とは実に奥深い。
このことを改めて
感じさせられております。
今日はこのお話について学びと気づきを、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【言葉を理解することは、世界を理解すること】
それではどうぞ。
■”「自己認識」よりも、
「自己意識」がまず重要である”
先日のディスカッションで
チームの中でさらりと出てきた言葉です。
、、、がこの言葉に
実に色々と考えさせられました。
■ちなみに、ちょっと
マニアックな話になりますが、
”リーダーシップを発揮するためには
「自己認識」が大事だ”
と言われております。
ゆえに、今チームで絶賛行っている
”高校生の課題を、
リーダーシップを通じて解決するプロジェクト(仮)”
でも、「自己認識」大事だよね、
と普通に会話をしたり、
ディスカッションしたりします。
■そんな中、チームの仲間から
ふとこんな意見が出てきました。
「『自己認識』をすることは大事。
でも「自己認識」って、
そんなに簡単にできるものではない。
だから最初は『自己意識』を
持つことに注目すべきではないか?」
そんな意見でした。
■よく言われることではありますが
”自分と他者は、見ている視点が違う”
ものです。
同じような言葉だったとしても、
(例えば先の話でいえば「自己認識」)
「その言葉を
どういった意味で使っているのか」
がずれてくることが、
ままあるものです。
*
特に、抽象度が高い言葉は
すれ違う可能性が高いです。
・リーダーシップ
・マーケティング
・マネジメント
・主体性
・自己認識、、、etc
守備範囲が広い言葉がゆえに、
全員がテーブルについて話をしていても、
なんだか通信状況が悪い
オンライン会議のように、
なんだかワンテンポ噛み合わない、
みたいな空気になったりするのです。
そしてそれは、
”チームで1つのことを作っていく”
というときに、
ストレスの原因になったり
時間が必要以上にかかることになるのです。
■では、どうすればよいのか?
お互いがすれ違わない対話のために、
どんな工夫ができるのか?
そのため、2つ大切なことがあると思います。
まず1つ目が、
『言葉を正しく理解し、区別して使う』
ことです。
*
例えば、先程の
「自己認識」と「自己意識」
について。
これも一つずつ調べてみると
それぞれの言葉の定義としては、
以下のように説明されています。
◯自己認識(Self-awareness)とは、
内観能力のひとつであり、
自分を環境や他の個人とは別の個人であると認識する能力である。
自分が存在すると言う理解である。
◯自己意識(じこいしき)とは、
あるいは自意識とは、
自己が存在することに気づく(意識上に上る)能力。
外界や他人と区別された、自我としての意識。
とのこと。
■並べてみてみると
「自己認識」と「自己意識」は
近しい意味を持っているけれど、
違っているところがあると気づきます。
それは
・自己認識=違いを認識する、という結果
・自己意識=違いを意識にあげる、という行為
みたいなニュアンスかと。
やはり、似ているけど違う、のです。
■もっといえば、
「自己認識」
についても、
更に深ぼることができます。
”自分自身のことを認識する”
というアプローチでも
似たような言葉で様々なやり方があるのです。
(ちょっとマニアックですが)
・『自己概念』を知る
だと、
1.自分の「才能」を知る
2.自分の「動機」を知る
3.自分の「価値観」を知る
(参照:『キャリア・アンカー』エドガーシャイン)
の3点から自分の事を認識する、
「エドガーシャイン的な”自己認識”」
と言えるでしょうし、
・『アイデンティティ』を知る
1.自己斉一性・連続性(自分が自分であるという一貫性がある)
2.対自的同一性(自分自身が目指すべきもの、望んでいるものが明確に意識されている)
3.対他的同一性(他者から見られている自分自身が、本来の自分と一致している感覚)
4.心理社会的同一性(社会の中で自分自身を意味づけられる)
(参照:『ライフサイクルとアイデンティティ』エリクソン)
という4つの視点から自分の事を認識する、
「エリクソン的な”自己認識”」
と言えるでしょう。
■要は、
「自己認識をする」
といっても、
色々な山の登り方があるわけで、
ただ一言
「自己認識をする」とか
「自己理解をする」といっても
どの視点から語っているかを
理解して語ることが重要になるのです。
ゆえに、すれ違わないための
2つ目の工夫が、
『自分が、どの視点から語っているのかを、
明確に伝えること』
です。
ざっくり、
リーダーシップが、とか
自己認識が、ではなく、
ちょっと回りくどいかもしれないけれど
その言葉が意図することを
「こういう意味で使っている」
と伝えること。
このことが、チームにおける
すれ違いを減らし、相互理解をする上で
重要なことであろう、
と思うのです。
■「言葉」とは、
様々な意味をその中に含む
”結晶”のようなものだと感じます。
特に抽象度が高い単語、
四字熟語などはそうでしょう。
ゆえに、
言葉の持つ意味を、
ざっくりとではなく細かく理解し、
使い分けること。
そして使いこなすことができたとしたら
自分の思いや考えを
他者に伝えやすくなることになるでしょうし、
同時に、
【言葉を理解することは、世界を理解すること】
と言えるとも思います。
■、、、ということで
私自身、言葉の使い方が未熟な中で
なんとか言葉にしつつ書かせていただきましたが、
大学院に入って改めて
「言葉って難しいなぁ」
「チームでのディスカッションとは簡単ではないなあ」
と感じた中で思った気づきでございました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
勉強する事は、自分の無知を
徐々に発見していく事である。
ウィリアム・C・デュラント(セネラルモーター創業者/1861-1947)
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