「正しい自己認識」のための2つのアプローチ
(本日のお話 3044字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は大学院の打ち合わせ。
そして2週間に1度のピアノ教室。
その他、読書などでした。
*
さて、みなさま
「セルフアウェアネス」
という言葉、聞いたことは
ございますでしょうか?
最近、この
「セルフアウェアネス(=自己認識)」
というキーワードと、
その重要さについて、学ぶ機会が増えております。
今日はこのお話についての
学びと気づきを皆さまに
ご共有させていただきたいと思います。
(※今日のお話は
『リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点』
ターシャ・ユーリック 2018.02.09号 ハーバードビジネスレビュー
を参考にしております)
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【 「正しい自己認識」のための2つのアプローチ】
それでは、どうぞ。
■「自己認識」。
読んで字のごとく
”自分を知ること”ですね。
この言葉どれくらい
大切だと思われますでしょうか?
なんて聞いたとしたら、
多くの人は、
「まあ、自分のことは知らないより
知っといておいたほうがいいよね」
という感想を持つくらいかもしれません。
ようわからん、、、という人も
決して少なくないでしょう。
普段は自己認識なんて
なかなか口にしない単語ではないかと思います。
■しかしながら、
ある研究結果によると、
「自己認識」について
このように言われております。
”自分について明確に認識している人は、
・より自信があり、創造的である
・より適切な判断を下せる
・より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い
・嘘をついたり騙したり盗んだりする可能性が低い
・仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい
・有能なリーダーであり、部下の満足度が高い
ことがわかった”
(参考:『リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点』
ターシャ・ユーリック 2018.02.09号 ハーバードビジネスレビュー より)
あるいは、
スタンフォード大学ビジネススクール
75人の評議員の人々に、
「リーダーが開発するべき
もっとも必要な資質・能力とは何か?」
という問いを投げかけたところ
その答えは、
「自己認識である」
だったそう。
ゆえに
「セルフアウェアネス(自己認識)」
は放置してはおけない
重要なキーワードのようです。
特に、組織のリーダーと
呼ばれる人にとっては尚更そうですね。
■さて、
ではどうすればこの
「自己認識」
を高めることができるのでしょうか?
ひたすら内省して
ノートに自分の事を書き出すのか。
まず、
”「自己認識」には
2種類あると理解すること”
だそう。
ちなみに、2種類とは
「内面」と「外面」の種類です。
もうちょっと少し詳しくお伝えすると、
自分の価値観、情熱、願望、環境への適合、
反応(思考、感情、態度、強み、弱みなど)
について
「内面的自己認識」
(=他者への影響について、
自分自身がいかに明確に捉えているか)
と
「外面的自己認識」
(=他者が自分をどのように見ているかに関して
理解している)
を掘り下げることです。
・自分の自分への見方
・他者の自分への見方
これが解像度高く、
正確になされていること、
これが「正しい自己認識」と
定義できそうです。
■では、この
2種類の「自己認識」を高めるために、
重要なアクションとはなんでしょうか?
2つ、おすすめアクションがあります。
まず1つ目、シンプルに
【1)フィードバックを貰うこと】
です。
「フィードバック」のポイントは、
1,”愛をもって厳しく言ってくれる人
(愛ある批評家=当人のためを思って真実を伝えてくれる他者)”
からフィードバックを貰うこと
2,1人ではなく、
複数の人物からフィードバックを貰うこと
(1人だとその意見に偏ってしまうため)
です。
そうすると、自分自身のこと
特に外側から見えている
「外面的自己認識」が高まります。
■そして、自己認識を高める
2つ目のアクション。
それは、内省する上で
【2)「なぜ」ではなく「何を」を問う】
こと。
面白いことに、
「”内省をする”と自己認識が高まると思われているが
実際は”必ずしもそうではない(!)」
とのこと。
*
ある研究によると、
”内省する人は自己認識度がより低く(!)
仕事の満足度と幸福度も低め(!!)であった”
とのこと。
内省をすると、
自己認識度が低く、
しかも幸せではない。。。
なぜそうなってしまうかと言うと、
(内省自体が悪いのではなく)殆どの人が、
”誤った方法で内省をしてしまう”のが原因
というのでした。
■「誤った内省の仕方」、
それが、
”「なぜ?」を問うこと”、
です。
例えば、
・”なぜ”、自分はあのとき怒ってしまったのだろう?
・”なぜ”、自分はこんなにも傷つきやすいのだろう?
・”なぜ”、あの人を好きになれないのだろう?
と「なぜ?」を
内省して問うたとしましょう。
まず前提として
「人は無意識の思考・感情・動機を探ろうとしても、
その理由を正しく知ることはできない」
もの。
ゆえに「なぜ?」を問うても
”「それっぽい答え」を作り出して、
自分を納得させる”
ことになるわけです。
かつ、厄介なのが、
”その答えは、大体の場合、
間違っていたりする”
こと。
人は自分で自分のことを
正確に判断できるわけではないのです。
■たとえば、
「なぜ、あの人に
こんなにイライラするのか?」
をなぜなぜで内省したとして、
結論、
「上司との相性が悪いからだろう」とか
「自分は性格が短気なんだ」
と
”それっぽい答え”を見つけ、
納得したとします。
しかし実際に分析すると、
「イライラしていたのは
最近寝てなかったからだった」
みたいなオチもあるわけです。
■加えて、
「なぜ」を問うと、
もう一つよろしくないことがあります。
それは
”マイナス思考を招く”
こと。
言われてみるとそうなのですが、
「なぜ?」という問いには、
・失敗した理由、
・不安感に焦点を当てた解釈、
・自分自身の恐れ
など、 マイナス面に
目を向けさせる力があります。
実際に、
「頻繁に自己分析をする人ほど
”憂うつや不安になりやすい”」
という研究結果もあるそう。
あれこれ「なぜなぜ?」と内省すると、
鬱っぽくなるので要注意です。
■、、、と
そんなことを踏まえて、
「自己認識」を高める
2つ目のアクションです。
それが、
【「なぜ?(why)」の代わりに
「何(what)?」を使う】
ことです。
例えば、
・”なぜ(why)”仕事がうまくいかないのだろう?
↓
・"何(what)”があれば、仕事がうまくいくのだろう?
とか、
・”なぜ(why)”自分は、こんなに嫌な気持ちになるのだろう?
↓
・自分を嫌な状況にさせるものは”何(what)”だろうか?
というように。
*
あるいは、人に意見を言うときにでも、
「なぜ(why)、
そのような言い方をするのですか?」
とだとネガティブなメッセージが
伝わってしまうけれども、
「より良いコミュニケーションのために、
”何が(what)あれば、良いと考えますか?」
と聞いたほうが、
今を否定せずに、
未来や可能性に目を向ける
ポジティブな問いかけになる、
ともいえます。
■ということで、
本日のお話のまとめ。
・自己認識をしている人はパフォーマンスが高い
・自己認識には内面と外面の2種類ある
・外面的自己認識を高めるには
1)「愛ある批評家」のフィードバックが大事(できれば複数)
・内面的自己認識を高めるには「正しい内省」をすること。
2)「なぜ?」→「何?」へと変えることが効果的。
というお話でした。
■自己認識は、
パフォーマンスを高めるために大事ですが
”正しい自己認識”のための
手法を知ることも、
それ以上に大事のようです。
自分で自分のことは見えないもの。
「正しい自己認識」をしつつ、
自らの能力も高めていきたいものですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
改革は内部から成るもので、
外部からもたらされるものではない。
エドワード・ギボン(イギリスの歴史学者/1737-1794)
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