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2637号 2021年5月10日

「正しい自己認識」のための2つのアプローチ

(本日のお話 3044字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は大学院の打ち合わせ。
そして2週間に1度のピアノ教室。
その他、読書などでした。



さて、みなさま

「セルフアウェアネス」

という言葉、聞いたことは
ございますでしょうか?

最近、この

「セルフアウェアネス(=自己認識)」

というキーワードと、
その重要さについて、学ぶ機会が増えております。

今日はこのお話についての
学びと気づきを皆さまに
ご共有させていただきたいと思います。

(※今日のお話は

『リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点』
ターシャ・ユーリック 2018.02.09号  ハーバードビジネスレビュー

を参考にしております)

それでは早速参りましょう!

タイトルは、

【 「正しい自己認識」のための2つのアプローチ】

それでは、どうぞ。

■「自己認識」。

読んで字のごとく
”自分を知ること”ですね。

この言葉どれくらい
大切だと思われますでしょうか?

なんて聞いたとしたら、
多くの人は、

「まあ、自分のことは知らないより
知っといておいたほうがいいよね」

という感想を持つくらいかもしれません。

ようわからん、、、という人も
決して少なくないでしょう。

普段は自己認識なんて
なかなか口にしない単語ではないかと思います。

■しかしながら、
ある研究結果によると、

「自己認識」について
このように言われております。

”自分について明確に認識している人は、

・より自信があり、創造的である
・より適切な判断を下せる
・より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い
・嘘をついたり騙したり盗んだりする可能性が低い
・仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい
・有能なリーダーであり、部下の満足度が高い

ことがわかった”

(参考:『リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点』
ターシャ・ユーリック 2018.02.09号  ハーバードビジネスレビュー より)

あるいは、
スタンフォード大学ビジネススクール
75人の評議員の人々に、

「リーダーが開発するべき
もっとも必要な資質・能力とは何か?」

という問いを投げかけたところ

その答えは、

「自己認識である」

だったそう。

ゆえに

「セルフアウェアネス(自己認識)」

は放置してはおけない
重要なキーワードのようです。

特に、組織のリーダーと
呼ばれる人にとっては尚更そうですね。

■さて、
ではどうすればこの

「自己認識」

を高めることができるのでしょうか?

ひたすら内省して
ノートに自分の事を書き出すのか。

まず、

”「自己認識」には
2種類あると理解すること”

だそう。

ちなみに、2種類とは
「内面」と「外面」の種類です。

もうちょっと少し詳しくお伝えすると、

自分の価値観、情熱、願望、環境への適合、
反応(思考、感情、態度、強み、弱みなど)

について

「内面的自己認識」
(=他者への影響について、
自分自身がいかに明確に捉えているか)



「外面的自己認識」
(=他者が自分をどのように見ているかに関して
理解している)

を掘り下げることです。

・自分の自分への見方
・他者の自分への見方

これが解像度高く、
正確になされていること、

これが「正しい自己認識」と
定義できそうです。

■では、この

2種類の「自己認識」を高めるために、
重要なアクションとはなんでしょうか?

2つ、おすすめアクションがあります。

まず1つ目、シンプルに

【1)フィードバックを貰うこと】

です。

「フィードバック」のポイントは、

1,”愛をもって厳しく言ってくれる人
(愛ある批評家=当人のためを思って真実を伝えてくれる他者)”
からフィードバックを貰うこと

2,1人ではなく、
複数の人物からフィードバックを貰うこと
(1人だとその意見に偏ってしまうため)

です。

そうすると、自分自身のこと

特に外側から見えている
「外面的自己認識」が高まります。

■そして、自己認識を高める
2つ目のアクション。

それは、内省する上で

【2)「なぜ」ではなく「何を」を問う】

こと。

面白いことに、

「”内省をする”と自己認識が高まると思われているが
実際は”必ずしもそうではない(!)」

とのこと。



ある研究によると、

”内省する人は自己認識度がより低く(!)
仕事の満足度と幸福度も低め(!!)であった”

とのこと。

内省をすると、
自己認識度が低く、
しかも幸せではない。。。

なぜそうなってしまうかと言うと、

(内省自体が悪いのではなく)殆どの人が、
”誤った方法で内省をしてしまう”のが原因

というのでした。

■「誤った内省の仕方」、

それが、

”「なぜ?」を問うこと”、

です。

例えば、

・”なぜ”、自分はあのとき怒ってしまったのだろう?
・”なぜ”、自分はこんなにも傷つきやすいのだろう?
・”なぜ”、あの人を好きになれないのだろう?

と「なぜ?」を
内省して問うたとしましょう。

まず前提として

「人は無意識の思考・感情・動機を探ろうとしても、
その理由を正しく知ることはできない」

もの。

ゆえに「なぜ?」を問うても

”「それっぽい答え」を作り出して、
自分を納得させる”

ことになるわけです。

かつ、厄介なのが、

”その答えは、大体の場合、
間違っていたりする”

こと。

人は自分で自分のことを
正確に判断できるわけではないのです。

■たとえば、

「なぜ、あの人に
こんなにイライラするのか?」

をなぜなぜで内省したとして、
結論、

「上司との相性が悪いからだろう」とか
「自分は性格が短気なんだ」



”それっぽい答え”を見つけ、
納得したとします。

しかし実際に分析すると、

「イライラしていたのは
最近寝てなかったからだった」

みたいなオチもあるわけです。

■加えて、

「なぜ」を問うと、
もう一つよろしくないことがあります。

それは

”マイナス思考を招く”

こと。

言われてみるとそうなのですが、
「なぜ?」という問いには、

・失敗した理由、
・不安感に焦点を当てた解釈、
・自分自身の恐れ

など、 マイナス面に
目を向けさせる力があります。

実際に、

「頻繁に自己分析をする人ほど
”憂うつや不安になりやすい”」

という研究結果もあるそう。

あれこれ「なぜなぜ?」と内省すると、
鬱っぽくなるので要注意です。

■、、、と
そんなことを踏まえて、

「自己認識」を高める
2つ目のアクションです。

それが、

【「なぜ?(why)」の代わりに
「何(what)?」を使う】

ことです。

例えば、

・”なぜ(why)”仕事がうまくいかないのだろう?

・"何(what)”があれば、仕事がうまくいくのだろう?

とか、

・”なぜ(why)”自分は、こんなに嫌な気持ちになるのだろう?

・自分を嫌な状況にさせるものは”何(what)”だろうか?

というように。



あるいは、人に意見を言うときにでも、

「なぜ(why)、
そのような言い方をするのですか?」

とだとネガティブなメッセージが
伝わってしまうけれども、

「より良いコミュニケーションのために、
”何が(what)あれば、良いと考えますか?」

と聞いたほうが、

今を否定せずに、
未来や可能性に目を向ける
ポジティブな問いかけになる、

ともいえます。

■ということで、
本日のお話のまとめ。

・自己認識をしている人はパフォーマンスが高い

・自己認識には内面と外面の2種類ある

・外面的自己認識を高めるには
1)「愛ある批評家」のフィードバックが大事(できれば複数)

・内面的自己認識を高めるには「正しい内省」をすること。
2)「なぜ?」→「何?」へと変えることが効果的。

というお話でした。

■自己認識は、
パフォーマンスを高めるために大事ですが

”正しい自己認識”のための
手法を知ることも、

それ以上に大事のようです。

自分で自分のことは見えないもの。

「正しい自己認識」をしつつ、
自らの能力も高めていきたいものですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

改革は内部から成るもので、
外部からもたらされるものではない。

エドワード・ギボン(イギリスの歴史学者/1737-1794)
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